19. 「大英帝国」の特異性?

どの国の文化も言語も、異なる文化や言語と互いに交わりを持ち、影響を受け与え合いながら存在している。南米の密林など、環境的に隔絶された民族(言語)でない限りは、どの文化も言語も「生粋の〜」であることはなく、何かしらの影響を別の文化から受けている。

どんな形であれ、交流が起これば互いに影響を受けあう。それが「実生活」と結びついていくことによって、定着していく。

例え他文化に侵略され支配されたとしても、その圧政下においてすら各土地の実生活そのものは継続し、やがて為政者のほうが各土地の実生活に取り込まれ形を変えていく。その土地土地に根付いた生活というものは、本来はそれほど強いものなのだと考えている。

単なる思いつきの範疇にすぎないのだが、こういった前例とは異なり、別の土地で生まれた制度を「移植」する形で、その土地に覆いかぶせるようにして(それまでの「土地の生活」をほぼ完全に排除する形で)上乗せして作られた「国」が、米、加、豪の英国の「元植民地」だと考えている。そして、これが実際に起こり得た(可能だった)のには「現代英語」という言語の特異性と、ブリテン島独特の「考え方」が関わっているのではないかと考えている。

先んじて世界の国々を蹂躙していたスペイン・ポルトガルやフランス、もしくは欧州大陸においてより強大な力を有していたはずのドイツではなくて、「大英帝国」が築かれ得たのは、運でも偶然でもなくて、英語という言語とブリテンのものの考え方が「そういうこと」にごく適したものだったからなのではないかと考えている。

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