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急に鄧麗君に興味を持ち出した

鄧麗君。

日本でも知っている方は多いであろう(と思う)、歌手テレサ・テンの台湾での名前である。実のところ、つい昨年あたりまでは、「昔活動していた台湾出身の歌手」という程度の認識しかなかったし、2015年10月に初めてツアーで台湾に行って、台北101の展望台に上った時、鄧麗君の展示があった時も「台湾出身だからこんな展示もあるのか」程度にしか思っていなかったのだ。

じゃあ何故興味を持ち始めたのかというと、2018年の初秋あたりの時期に、ブログか何かで台湾のカラオケ事情の記事を読んで、そういえばどんな歌があるのかと探した時だったと思う。「やはり日本語の歌は少ないのかなぁ」と思っていたのだが、「待てよ、台湾出身の人の歌くらい入っているんじゃないの?」と思ったのだ。私の年代だと、ぱっと出てくるのはジュディ・オング(翁倩玉)「魅せられて」なのだが、華語の歌が数曲あるだけだった(ちなみにこの時は歐陽菲菲は完全に忘れていた)。

ここで「そういえばテレサ・テンも台湾出身だったはず…」と思い出して調べてみたのである。果たして、曲名を知っている3曲はすぐに見つかったのだが、日語曲で検索しても出てこないのに歌手名検索で出てくるあたりで「もしかしたら、自分が考えている以上の存在なのではなかろうか」とも思ったのである。


その後カラオケに行った時に、試しに「時の流れに身をまかせ」を歌ってみた…のだが、まだこの時点ではCDも買っておらず、そもそも今までに一度も歌ったことがない曲なのに、歌詞を見ながらではあるが歌いきってしまったのである。いつフルコーラス分のメロディを覚えたのか?

鄧麗君は、1984年から1986年にかけて、2つの有線放送大賞を3年連続で受賞している。つまり有線放送では相当な頻度で流れていたことになる。BGMとして有線放送を流しているお店は多いので、知らずしらずのうちにメロディが頭に叩きこまれていた…と考えるのが自然だろう。サビの部分だけ歌詞やメロディが印象に残っていることならよくあるが、フルコーラス分頭に入ってしまうことはそうそうないはずで、まだネット配信などがない時代の「有線放送大賞」の重みを感じたのである。

その後、ベスト版アルバム(日本語と華語の歌詞が両方入っているもの)も買ってみて、車の中でも聴いていたりしたのだが、まだこの時点では鄧麗君の存在の大きさには気づいていなかった。翁倩玉と歐陽菲菲のCDも買って「台湾では翁倩玉と歐陽菲菲のCDを買いたいな」と思ったくらいだった。

で、2018年10月に高雄に行った時にCDショップにも行ったのだが、今流行っている曲や歌手が目立つように配置されるのは当然として、鄧麗君のCDも、同じように棚1段を埋めて目立つように並べられていたのである。ここで「もしかして、台湾では決して過去の人ではなく、永遠に不滅の人として扱われているのでは?」と気づいたのだ。

それでいろいろネットを見て調べると「彼女の葬儀は国主導でおこなわれた国葬だった」「墓地は記念公園になっている」「新北市の捷運の駅前には銅像がある」「中華人民共和国は鄧小平と鄧麗君という2人の『鄧』に支配されている」といった、とても一人の女性歌手の話とは思えない逸話があり、「中華圏においては鄧麗君は別格の存在」と認識するに至ったのである。

「只要有華人的地方 就有鄧麗君的歌聲」


こんな次第で鄧麗君に興味を持つに至り、その後台湾に行った時には電話亭KTV(1〜2人用カラオケボックス)で彼女の歌を歌ったりしているし、今年2月に台湾に行った時には捷運藘洲站にある銅像や鄧麗君紀念公園にも足を運んだり、彼女のCDアルバムを買いに二手CDショップにも行ったりしている。

この興味がいつまで続くかは自分でも分からないが、たぶん今後のカラオケの持ち歌に彼女の歌が加わることは間違いないかな…。

ちなみにこの文では大して名前が出なかった、翁倩玉や歐陽菲菲・徐若瑄(ビビアン・スー)にも興味は持ち始めているので、ネタになることがあったら書いてみたい。


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