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地域と共に未来を創る。Casieが京都で描く文化形成の道

Casieさんって、どうして京都に会社あるんですか?

実はこれよくご質問いただく1つです。Casieがなぜ京都にいるのか!?についておそらく初めて書くと思います。うまく書けるか分かりませんが、最後までどうぞよろしくお願いします。

元々は大阪本社の会社だった

もうご存知の方は少なくなってきましたが、株式会社Casieは2017年3月に大阪市城東区で本社登記しました。大阪市城東区?何それ?どこ?ですよね、お察しします。有名なところで言いますと、大阪城、京橋、造幣局などが自転車圏内ある区です。例に上げた3つは正確には城東区の隣の区なので、城東区内で個人的に知名度が高いと思っているのは天然温泉不動の湯です。

なぜ大阪市城東区から始まったのかを正直に申し上げると、株式会社を設立するのに登記住所が必要だと知らず、当日になって税理士さんに「本社登記の住所はどちらですか?ここに記入してください。」と言われ、唯一郵便番号からしっかり記憶してた住所が「実家」だった。当時のぼくたちは、オフィスはもちろん倉庫も持っておらず、朝から晩までファーストフード店をオフィスがわりに転々としてたため、登記する住所がなかったのです。

事業の準備自体は最初から京都でやっていたので、実態は京都にあるものの、法的には大阪の会社という歪な状況が続いていました。創業から3年が経過した2020年4月、テレビで安倍総理が緊急事態宣言を全国に発令する姿を横目で見ながら、大阪から京都へ正式に登記変更する書類に押印したことを覚えています。

そもそも京都で創業準備を始めたキッカケは、共同創業者の清水宏輔が京都に住んでいたからです。最初の作品保管倉庫を作る際に、遠くにあると心配だし、誰かが自転車ですぐ駆けつけることができる場所にしよう!こうした理由から現在に至るまでずっと清水の自転車圏内に本社も倉庫もあります。

Casieの成長を支える京都の力と支援

ぼくたちCasieは京都に救われ、京都に育てられて今日があると本気で思っています。ここでいくつか、実際のエピソードをご紹介しながら、「なぜ京都にいるのか」をお伝えしていきます。

「第8回 京信・地域の起業家アワード」で初めて公となったCasie

アワード当日の様子

まず最初に私たちCasieの存在が京都で認知されるようになったキッカケが、京都信用金庫さんが主催されている「京信・地域の起業家アワード」でした。それまでは大阪で本社登記をしていたということもあり、京都ではまったくの無名で、隠れた存在でした。初めて京都で公の場に立ち、私たちの事業を紹介させてもらう機会をいただけただけでなく、アワードでは「最優秀賞」までいただきました。このアワードを機に金融機関さんだけでなく、京都市さんや京都の企業さんとのコラボレーション企画がたくさん生まれました。この日のことを今でも鮮明に覚えています。このアワードに参加させていただけたことで、Casieの未来が大きく開けたと感謝しています。

京都からアート作品が届くというプレミアムな演出効果

2020年当時のBOX開封シーン

サブスクリプションサービスCasieをスタートして2年が経過しようとしているとき、初期からご利用いただいているユーザーさんからこんな嬉しいお言葉をいただきました。

毎回、京都から荷物が届くと「あ、Casieが届いた!」って嬉しくなります。やっぱり日本を代表する文化芸術都市である京都からアート作品が届くのって美しいですね。返却時にも伝票に京都の住所が書いてあると、また近々京都に遊びに行きたいなと思っています。

ユーザー様のお声

これは私たちも予想していなかったのですが、京都というブランドが知らず知らずの間にユーザー様の体験価値を高めていることを知り、非常に誇らしく感じたと同時に、またもや京都に救われた物語でした。

美術大学との連携や学生たちの活躍

Casieスタッフの個展にて

京都は全国的にみても美術大学や芸術大学が非常に多いという特徴があります。最初は大学教授の皆様との意見交換会から始まり、徐々に共創企画をご一緒させていただく機会も増えてきました。またこうした美術系の学生たちがCasieでも活躍してくれています。以下のように京都芸術大学の学生たちがCasieに作品を登録してくれるようになったりもしています。

また、インターンシップやアルバイトという形で実際にCasieメンバーの一員となってくれている学生もいます。これは勝手な想像かもしれませんが、アート系ベンチャー企業にとって採用という点だけみても京都が一番有利なんじゃないかと思っています。

「これからの1000年を紡ぐ企業認定」を受けて、超長期目線で文化形成に挑みます

授与式の様子

Casieは昨年、京都市から「これからの1000年を紡ぐ企業」としての認定を受ける栄誉に浴しました。この名誉ある認定を受けたことで、歴史と伝統に彩られた京都に本社を置く私たちの責任と使命を再認識する素晴らしい機会となりました。Casieのミッションである「表現者とともに、未来の市場を切り拓く」は短期的に実現することは難しいため、こうして超長期目線で文化を形成していくという活動を京都市が後押ししてくれていることに、大きな心強さを感じています。

この認定を受けた後、社内メンバーと共に「Casieの活動を通して1000年後にどんな未来を描きたいか」というテーマで独自のワークショップを行いました。未来を予想するのではなく、私たちの文化芸術をテーマとした活動を通じて、1000年先の未来がこうあれば素晴らしいという情熱をみんなで語り合いました。最後には1枚の画用紙にそれぞれが思い描く未来をアウトプットし、視覚化しました。1000年先のことを考える機会なんて滅多にないため、このワークショップは非常に楽しく、有意義な時間となりました。

このワークショップを通じて浮かび上がったビジョンは、多くの共通点を持っていました。それは、地域の芸術文化が豊かに息づき、世代を超えて人々に影響を与え続ける社会です。私たちは、その未来を実現するために、今から一歩一歩取り組んでいく決意を新たにしました。

カルチャープレナーとしての挑戦と誇り

授賞式当日の様子

大変名誉なことに、グローバルビジネス誌『Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)』と京都市が共同企画した「カルチャープレナー30」に選出されるという名誉を受けました。さらにアワード当日には、京都市特別賞も受賞し、ダブル受賞となりました。

この大変名誉ある受賞に、当初は責任の重さに戸惑いを感じていました。しかし、他の選出者である起業家の方々と交流する中で、大きな刺激と勇気を得ることができました。同じ志を持つ仲間たちの存在は、将来にわたって貴重な財産となることでしょう。

カルチャープレナーとは、文化起業家のこと。英語のCultural Entrepreneursを元にした造語であり、新しい概念だ。

今、日本各地では、職人によって受け継がれてきた伝統技術や工芸品などが、担い手不足や時代の変化に伴い、姿を消しつつある。しかしその一方で、我々が失いかけている文化資産の価値に気づき、自分たちの手で今に息づかせたいと立ち上がる若い起業家たちも多く現れている。

そんな「カルチャープレナー」たちの存在は、異業種との結合やニーズの掘り起こしによって、今後大きなムーブメントになるかもしれない。それは、これからの日本経済にとっても、新しい可能性となるはずだ。

https://forbesjapan.com/feat/culture-preneurs30/

京都市もこのカルチャープレナーという概念の普及に強い思い入れを持っています。その代表例としてCasieが選ばれたことは、私たちにとって大きな誇りです。私たちも未来のカルチャープレナーたちを勇気づける存在となりたいと思っています。「Casieのような会社を作りたい!」「Casieのように文化的挑戦を成功させたい!」そんな良きお手本となれるよう、これからも精進してまいります。いつの日か、私たちがこの分野を代表する企業となり、京都がカルチャープレナーの聖地と呼ばれることを目指して。


まとめ

以上の取り組みや受賞歴を通じて、私たち株式会社Casieは京都という文化芸術の都に根ざし、その特性を最大限に活かした事業を展開していこうと思います。京都市からの「これからの1000年を紡ぐ企業認定」や「カルチャープレナー30」への選出は、私たちの使命感と責任をさらに強くするものでした。

私たちが京都に根ざしている理由は、共同創業者の清水が京都に住んでいたというとてもシンプルな事実から始まりました。京都は日本を代表する文化芸術都市であり、地域の豊かな文化遺産や美術大学との連携を通じて、創造的な活動を続ける理想的な場所です。また、京都というブランドが持つ力は、私たちのサービスやユーザー体験を一層価値あるものにしてくれます。

さらに、私たちが今日まで継続してこれたのは、京都という街やその人々、企業の皆様に支えていただいたからです。地域社会との連携を深め、地元のアーティストや美術大学の学生たちと共に創造的な活動を続ける中で、京都の皆様から多くのご支援と励ましをいただいております。だからこそ、この京都が大好きであり、ここで活動を続けることに大きな意義を感じています。

地域社会と連携し、地元のアーティストや美術大学の学生たちと共に創造的な活動を続けることで、1000年後の未来を見据えた文化形成に挑んでいます。京都というブランドが持つ力を活かしながら、全国さらには世界へと日本の文化芸術を発信し、新たな価値を創造していくことを目指しています。

今後も、私たちCasieは「表現者とともに、未来の市場を切り拓く」というミッションを胸に、持続可能な文化芸術の発展に貢献してまいります。そして、未来のカルチャープレナーたちにとっての良きお手本となれるよう、日々精進してまいります。これからも応援よろしくお願いいたします。

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