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カシミヤの由来

「カシミヤ」という単語の由来。

大変マニアックな話ですが笑
ちょっとした物語


ローマの時代

インド・カシミールの首都スリナガールではカシミヤゴートが生息していて、その毛を手織りしたカシミヤストールがありました。

そのストールを当時の商人がシルクロードを通じてローマへ運び込み、
ローマの貴族(シーザなど)が愛好したのがきっかけで、
今ある「カシミヤ」という単語がうまれました。

ただ、それから長い間
ヨーロッパ中にあまり知られていませんでした。

ですが、その高価な織物の存在がヨーロッパに広く知れ渡ったのは19世紀頃、ナポレオン1世の妻ジョゼフィーヌ皇后の影響だそう。

(ピエール=ポール・ブリュードン 『皇妃ジョゼフィーヌ』)

ジョゼフィーヌ皇后は当時のパリのファッショニスタの一人。

そんな彼女に贅沢させていたナポレオンですが、
エジプト遠征の「お土産」としてジョゼフィーヌ皇后に贈ったのが、
織物のカシミヤのストールでした。

(カシミヤストールを選ぶなんてまた洒落てますね。
ナポレオンはあまりお洒落には興味がなかったそうですが笑)

繊維の宝石と呼ばれ、保温力もあるカシミヤは、
当時着ていた新古典主義のエンパイアスタイルのドレスにはぴったりで、

彼女はそのストールをパリの寒い10月の時期に愛用していたので、
それから女性の必需品としてカシミヤストールがヨーロッパ中に一気に広まったそうです。

余談ですが、

ジョゼフィーヌ皇后はコート代わりに身につけていたそうで、、

そうなると、今のサイズの倍以上の大きさだったのでしょうか、、

こんな風にベルトっぽく巻いても使っていたようだし、、
絵を見る限り柔らかそうだし、、

(アントワーヌ=ジャン・グロ『皇后ジョゼフィーヌの肖像』)

ジョゼフィーヌのストールの現物はもう残ってないそうですが、
当時のカシミヤの品質とかも気になりますね。

最後に小話をもうひとつ

ヨーロッパに伝わった19世紀当時
インドは英国の統治下にあったので、

「カシミヤ」の本場はフランスではなく英国だ!

という小競り合いが今でもあるそうです笑

それだけ「カシミヤ」って素材が
今でもヨーロッパ中で愛されてるってことですね!

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