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[読書録]グロービスMBA マーケティング(基礎編)まとめ


1. こんな方に参考になりそう

  • マーケティングについて体系的なインプットをしたい

  • マーケティングってぶっちゃけ何なんですか?

  • マーケティングできていないと指摘を受けたが何から着手すべきか分からない

2. 本の紹介


グロービスMBAシリーズはMBAのクラスで実際に参考書として使われている本でMBAの体系的な知識をインプットできる本です。
経営のイロハの「イ」をインプットするのはこのシリーズでも十分かと思います。
追加で最新の手法やより細かく学びたい部分は別の媒体でインプットすると良かろうかと思います。
ちなみにグロービスMBAは何故か状態の良いものがBOOK OFFで安く買えますのでまずはBOOK OFFを覗いて在庫が無ければAmazon等で購入するのをお勧めします。

https://www.bookoffonline.co.jp/old/0016220241

(BOOK OFF ONLINEで3版中古で550円でした。ただオンラインだと状態の確認ができないので気になる人は店舗で状態を確認した方が良いです。)

3. マーケティングとは

  • マーケティングとは、「買ってもらえる仕組みをづくり」

  • 顧客のニーズや顧客満足が前提の考え方で、マーケティング部門だけでなく製品に関わる全ての部門を巻き込んだ仕組みを作ることが重要

▼ニーズとウォンツ
ニーズは顕在化している顧客の需要です。
ウォンツは顕在化していない顧客の需要です。(潜在化ニーズとかいうこともある)
ニーズを見つけることはかなり難しく、顧客が欲しいと言ったものを作っても実はウォンツが別のところにあり、思ったより売れないというのはあるあるです。
個別最適にならない真のウォンツを抽出することがまず考えなくてはならない第一関門です。
また、ニーズがあっても既に競合ひしめくレッドオーシャンであることが多いので、やはりウォンツを見極めることが大事です。
ウォンツが見つかったら、どのような付加価値を顧客が求めているかも考える必要があります。
- 例 顧客のウォンツ「ハサミがほしい」
L「切れ味の良いハサミ?」
L「安全に使えるハサミ?」
どんな付加価値があるとよりターゲット顧客のウォンツが強くなるのかを考えるのです。
自社の提供価値をより強いウォンツに変換できるかがマーケティング担当の腕の見せ所とのこと。

4. マーケティング戦略策定のプロセス

マーケティング戦略策定プロセス

実はマーケティングは「買ってもらう仕組みづくり」なので、
市場分析→マーケットの決定→4P(製品、価格、流通、プロモーション)の策定→損益分岐を考えた予算策定・行動計画策定
がマーケティングの領域にあたります。

Web広告の担当者をWebマーケターと言ったり、マーケティング部の活動領域が販促・プロモーションとなっている会社も多いのが実態ですので、
上記の領域を広義でのマーケティング
販促・プロモーションの領域を狭義でのマーケティング
と説明したりします。

また、全てを実務で担うことは新規事業担当者等でない限りはあまり無いかもしれません。
マーケティングの全体像を認識した上で、自身のタスクがそのどの部分に当たるのかを認識した上で企画するようにすると上流工程での考慮漏れなどに気が付くこともできますのでワンランク上の仕事ができるかもしれません。

❶環境分析

環境分析は、大きく外部要因、内部要因に分けて分析します。
3Cのフレームワークを使い要因の洗い出しを実施するのが一般的です。

外部分析と内部分析の掛け合わせにより、どの条件がKSF(成功のカギ)かを特定します。
更に、KSFを満たすことのできる自社にとっての市場機会とは何かを洗い出します。

外部分析では、とりマクロ環境の分析を行う目的でPEST分析をしてみることも有用です。特に、規制産業などでは政治的により大きく傾向が変わる為、重要となる場合があります。

❷マーケティング課題の特定

マーケティングにより何を実現したいのかを明確化することが重要です。
その場合の、課題、制約事項を整理し、優先順位を決めます。
優先度の高いものから順番に取り組みます。

❸セグメンテーション・ターゲティング

セグメンテーションは市場の切り口です。
サービス・製品により切り口は異なりますので、独自に合致する切り口を仮説を元に作成します。(居住地、年齢、性別、家族構成、年収、趣味趣向などどう切ると良いかはサービスそれぞれ)
更に市場を切ったら、自社製品の狙うセグメントはどこかを決めるのがターゲティングです。

❹ポジショニング

ポジショニングの目的は、自社製品が競合製品より相対的に魅力的であると認知してもらうことです。(製品差別化要因の明確化)

ポジショニングには2つの方法があります

  1. まだこの世にない新しいコンセプト、製品の場合はそのままそれをポジショニングにしてしまう方法

  2. 競合製品がある場合、2軸のKBF(購買意思決定要因)を意識した自社の特徴を絞り込んで2軸のポジショニング・マップを作る

▼ポジショニング・マップ作成の際の注意
- 2軸に絞ること・・・人が特定の商品について強く認識できるのは2つまで、それ以上だと何が強みなのか分からない、企業側が良いように訴求しているように見えてしまう
- 顧客に共感してもらえること・・・機能訴求をしたくなるところだが、顧客にとって何が良いのか、共感を得られる軸であることも意識すると良い

❺4P(マーケティング・ミックス)
ここがマーケティングの一丁目一番地。

1. 製品
製品は3つの構造でできている。どれが重要かはサービスや市場の発達段階で異なる。
Lコア(中核となるベネフィットサービス)
L製品の形態(品質、特徴、スタイル、ブランド名など)
L製品の付加機能(保証、アフターサービス、取り付けなど)

▼新サービス開発のアイディエーション|シーズ発想とニーズ発想
シーズ発想「我々に何かできることはないか」
ニーズ発想「このようなニーズがあるが、何か解決できる方法はないだろうか」

▼製品コンセプトの開発
ユーザーへのコンセプト・テストで「価格」「コンセプトへの共感」「競合優位性」「改良点」などをヒアリングする。
また、コンセプトと同時に、「ターゲティング」と「ポジショニング」の明確化は必須

2.プライス
プライスはアート
製造コストと、プロダクト・バリューの最適な設定を考える必要がある
原価から逆算した際に、プロダクト・バリューより低く設定してしまう場合もあり、一度市場に出したのち、既存顧客に値上げ交渉するのは至難の技なので十分な検討が必要。

3.流通
サービスや業態により大きく異なる。
直販メインであれば、戦略的にフェーズと相談しつつ販売チャネルの拡大を考えれば良い。
大企業のメーカーの場合、既存の販売網があり、そのマネジメントに苦労することも多い。(また、流通の階層が増えるほどエンドユーザー価格が高くなってしまい、手に届くまでに時間がかかる)
本書ではパナソニックの代理店の例が記載されていたが、競争力が無くなる恐れがあるならば「やる気のある代理店のみ残す戦略に振り切る」ことも非常に重要である。
変な馴れ合いや変なパワーバランスになって競争力がなくなり共倒れという結末にならないようにしたい。

4.プロモーション
カスタマージャーニーと行動変容プロセスを定義し、行動変容に繋がる打ち手を検討する。
本書に書かれている内容は前提知識すぎる為割愛する。

5.最後に

マーケティング、と一口に言っても本書に書かれている全てのプロセスを実務で実施するケースは多くないと思います。
マーケティングが広告の領域のみに限定して考えがちですが、より広義のマーケティング視点も持って実務に取り組むと人より一歩先行く仕事ができるのではと思いました!(頑張ろ!)

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