見出し画像

リスナー同士の会話はなぜダメなのか


1.はじめに


 私のモデレーターとしての考えは、

 で書いているので、そちらをご覧いただければと思う。

 この記事は、そこで書いてある内容を一部切り出したようなもの。「リスナー同士の会話NG」という単体のトピックについて、もう少し掘り下げてみようと思う。

2.リスナー同士の会話がダメな理由

(1)リスナー同士の会話がOKな配信もある

 最初に断っておくと、リスナー同士の会話がOKな配信もある。典型的には身内向けの配信。つまり、「部外者が来ることは排除しない/歓迎するけれども、基本的には友達など身内向けに配信している」というような配信者の場合だ。この場合は、友達同士でコメントし合うのもOKということになる。
 もちろん、そういう配信はそれでいいと思うけど、注意しなければいけないのは、リスナー同士の会話OKの配信は、新規勢を取り込んで拡大していくことは難しいということ。

 それは、あなたが部外者としてたどり着いた立場だったら分かると思う。
 「Apexの配信でも見てみようかな」と思って開いたら、フレンド同士がコメント欄で一生会話してるとしよう。そこに割って入ってコメントする勇気はあるだろうか。「初見です」とコメントするくらいならできるかもしれない。でも、その後、身内ネタで盛り上がっているところに、「お上手ですね」「nfです」とかコメントするのはかなり勇気が要る。というか、そこまでして頑張ってコメントしなきゃいけないくらいだったら、普通に別の配信に行く。どうしてもその配信でなければならないという魅力(その配信者の声がどストライクだとか)でもない限り、その配信を見続けないし、コメントしないだろう。

 だから、リスナー同士の会話OKの身内配信は、新規勢を取り込むことはすごく難しいのだ。

(2)コメント欄は配信者とリスナーの会話の場

 チャンネル登録者数50万とか行っているような大手配信者は、ほとんどがリスナー同士の会話を禁止していると思う。
 それは、コメント欄というのは、リスナー→配信者に話しかける場だからだ。リスナー相互で話し合う場ではない。つまり、コメント欄の位置づけ・趣旨からして、リスナー同士の会話を想定したものではないということだ。

(3)リスナー同士が会話することの弊害3点

 「リスナーが配信者に話しかける場なのは分かるけど、別にそれにリスナーが反応してはいけない理由にはならないでしょ」と思うかもしれない。たしかにそれはそうなのだが、リスナー同士が会話することには弊害がある。だから、リスナー同士の会話は禁止されているのだ。
 リスナー同士の会話による弊害は、具体的には

  1. 身内感が出て新規勢が入りづらい

  2. 配信者が置き去りになる

  3. 他の視聴者にとって不快なコメント欄になる

 といったところだろう。
 1については、(1)で書いたとおり。
 2.については、視聴者同士の会話が1ターンで終わるならさして問題はないが、大抵は何ターンも繰り返されたり、色んな人が会話に加わって、もはや勝手に盛り上がっていくことになる。配信者は大抵、その会話からは取り残されることになる。たとえば、Apex配信者のコメント欄で、こんなやり取りがされたらどう思うだろうか。


A「今度沖縄に旅行に行くんだけど、誰かお薦めのところ教えて」
B「美ら海水族館とか?」
C「最近国際通りが熱いらしいよ」
A「美ら海水族館ってどうやって行くの?車?バス?」
D「レンタカーがあるならレンタカーもいいんじゃない?」
A「美ら海水族館って割とすぐ行って帰ってこれる?」
B「いや、結構時間かかるし、渋滞することもある。1日潰す覚悟のがいいかもしれない」
A「マジかあ。半日くらいで行けるいいところあるかな?」


 配信者は沖縄に微塵も興味がないのに、気づいたらこんなコメント欄になってたとしよう。「コメント欄でみんな仲良くしててうれしいな」って思う配信者もいるかもしれない。
 けれども、大多数の配信者は「いやなにこれ…」ってなるだろう。ひどい場合には「今から一緒にランクやってくれる人いる?」「やろう」「ID教えて」「◯◯だよ」みたいに、Apexフレンド勧誘板みたいな使い方をするリスナーもいたりする。配信者から見たら不快でしかないだろう。

 3.は、新規勢でなくとも、他のリスナーから見て不快になるということ。リスナーとしても、応援コメントなどを期待してコメント欄を見ているわけである。(2)で書いたように、そういう趣旨でコメント欄が設けられているわけだから。にもかかわらず、リスナー同士の馴れ合いコメントが流れ続けたら、「なんなのこのコメント欄」となるだろう。そこでコメント非表示にして、コメントをしなくなるリスナーも出てくる。それで済めばまだいい方で、「あの配信、コメント欄の民度が低くて嫌だから、もう行くのやめるわ」ってなってリスナーを失う場合もある。

 というように、おおよそ3つくらいの理由で、リスナー同士の会話が禁止されている(と思う)。
 究極的には、いずれも配信者にとって不利益・不快というところに行き着く。リスナーというのは、多かれ少なかれ共通点がある。だから、交流したくなる気持ちも分かる。けれども、そこで会話をすることは、結局その配信者にとって不利益・不快な行動にしかならないということだ。

 ちなみに、私の場合、リスナー同士の会話があったら削除・注意する。注意してもやるようだったら短時間のタイムアウトを入れる。
 リスナー同士の会話はもちろんのこと、リスナー同士の会話を誘発するコメントも削除する。たとえば、「みんな最近どの武器使ってる?」みたいに、リスナーが反応しかねないコメントも、他のリスナーが反応する前に削除する。

3.リスナーのコメントに反応することは絶対にダメなのか

 では、リスナーのコメントに反応することは、およそ一切許されないということになるのだろうか。
 この辺が正直いってすごく難しい。
 私の場合は、他のリスナーが「◯◯」というおもしろいコメントをした場合とかは、「◯◯は草」っていう感じで反応することはある。そうやって反応することで、おもしろいコメントが誘発されるだろうし、配信者もリスナーも共に盛り上がれるだろう。それで新規勢が入りづらいということもないだろうし、配信者が置き去りになるわけでもない、他の視聴者も特に不快にならない。要するに、上記のデメリットは存在しないし、配信者・視聴者双方にとって有益な行動だと思って、そういうことをしたりはしている。

 ただ、この辺はかなりのバランス能力が必要になってくる。配信者の嗜好、コメント欄の傾向、配信の雰囲気等々が分かってないと難しい。それに、常連リスナーのコメントばかりに反応していたら、結局身内ノリっぽい感じになってしまって上記の弊害が出てきてしまう。
 だから、よほど配信に慣れていない限りはやらない方がいいと思う。私も、TIE Ru以外のところでは基本的にこれはやらない。私自身、どちらかというと、コメント欄の活性化とか、おもしろいコメントを見つけて配信者と共に盛り上がるとか、そういう趣旨でやっているので、ただのリスナーだったらそれはやらないかなと思う。
 なので、私の意見としては、「他のコメントに反応することは、絶対ダメとまではいわないけど、結構色んなところに気を遣う必要があるから、やるなら熟慮の末でやった方がいい。」ということになる。

4.おわりに

 ということで、リスナー同士の会話がダメな理由について書いてみた。会話してもOKな配信もあったりするけど、「基本的にはリスナー同士の会話はダメ」というのが配信マナーだと思った方が良いと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?