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「I was born」 不妊治療で思ったこと

1年前、38歳。
僕は、中学生の頃に読んだ、「I was born」(作:吉野弘)を思い出していた。

---- I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね----
(引用:I was born/吉野弘/一部抜粋)

国語が好きでもなかった僕が唯一覚えている、教科書に載っていた詩。当時は、よくわからないけど、インパクトがある、という感想だったと思う。

僕は、大人になり、結婚した。

そして、妊活をした。

しかし、なかなか赤ちゃんを授かることができなかった。

「不妊治療」

それでも、結果は思うようにいかなかった。

子どもができないのは、我が家に子どもができない方が幸せ。
そう、神様が言っているのだと思うこともあった。

精神的にも、金銭的にも苦しい。
妻は、本当に大変だったと思う。

それでも、私たちは、子どもがほしかった。

顕微授精に、願いを託した。

---- I was born さ。受身形だよ。正しく言うと人間は
生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね----

吉野弘さんが表現したかった本質とは、ずれているかもしれないが、当時、この一説が、僕の頭の中を離れなかった。



とてもありがたいことに、ラストチャンスと決めた治療で、子どもを授かることができた。
本当に奇跡だと思った。

涙が止まらなかった。

生まれてきてくれて、ありがとう。



人間は、生まれさせられるのか?
受身形なのか?


それは、これからの僕次第なのだと、今、思っています。

かけがえのない我が子を、全力で幸せにしたいと思っています。

〜完〜




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