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フランチェスコの今日の一品:カラマラータ

本日のパスタ、「calamarata カラマラータ」はナポリの家庭料理の定番。
そして、この響きがとてもエキゾチックな料理は、近所のスーパーで買える食材で30分もあれば作れます。
断っておきますが、日本でよく聞く「ナポリタン」の話ではございません。

本場ナポリでは「カラマラータ」というパスタを使います。形状がイカの輪切りに似ているため、イタリア語でイカを意味する「calamaro カラマーロ」にちなんでこの名前が付けられたと言います。
その名が表すように、ソースの主役はいうまでもなくイカです。
つまり、イカの輪切りとイカの輪切りに似せたパスタを合わせる、というコンセプトです。

イタリアの強い地域性もあって、カラマラータというパスタは北イタリアでさえあまり売られていません。そして、日本だと通販でなければ店頭で見かけることが極めてまれです。

しかし、コーヒー豆で有名な、あの某輸入食料品チェーン店やいくつかのスーパーで、このカラマラータの親分ともいえる「パッケリ paccheri」が比較的に簡単に手に入ります。
というのも、カラマラータは、実はパッケリを半分に切ったものなのです。私も今回パッケリで作りました。もし手に入らない場合は、リガトーニやペンネでもOKです。とにかく大き目のショートパスタを使いましょう。

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例外的に使った商品の写真を公開します。一つ注目すべきなのは、ゆで時間の表示。下の写真の通り、イタリア語だと「12~14分」。しかし、裏ラベルにペタっと貼っている日本語の説明によると「14~16分」。
このようなゆで時間表示のズレはイタリアから輸入されているパスタによく見られます。歯ごたえを残す「アル・デンテ」の基準を、商品が流通する市場に合わせるマーケティングの一例と言えるでしょう。好みではありますが、ここはまずイタリア人を信じましょう。

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余談ですが、イタリアでパッケリといえば一般的に下記写真のような、もっと大きくて縦線の入っていないものを指します。

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イカですが、輪切りで売っていることもありますのでそのまま使えて便利ですが、もしホールで買う場合、内臓や嘴のほか、できれば皮も剝いてください。
この季節ですとスルメイカが多いですが、ヤリイカが出回る時期になったら、ぜひヤリイカでも試してみてください。

トマトは、甘味のあるアイコトマトあるいはプチトマトを使います。今回はとても甘い北海道産の小粒アイコトマトを手に入れましたので相性が良かったです。

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◎食材 2人前

・カラマラータ・パッケリ・リガトーニなど 140gr
・スルメイカ 1~2杯 
・プチトマト 約300gr
・ニンニク 1片
・赤唐辛子(鷹の爪など) 1/2
・生パセリ 適量
・塩
・白ワイン
・エキストラバージンオリーブオイル(以下EVO)

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①ニンニクは、半分に切って、芯を取り除いてから細かく切り、オリーブオイルを引いたフライパンに唐辛子とともに入れてから火をつける。
※ニンニクが焦げないように温度管理に気をつけよう。きつね色も禁物。

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②ニンニクの香りが漂ったら、火を強めの中火にして輪切りにしたイカをフライパンに投入して、油となじませる。イカは色が変わったら、白ワインをかける。アルコールを飛ばしたら、イカに塩をまぶす。

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③半分に切ったアイコトマトをフライパンに投入してイカと少しなじませてから、アイコトマトを狙って塩をかける。
ふたを閉めて弱火で煮込む。
※ここはポイント!イカを加熱し始めてから煮込みが終わるまで25分程度が必要。それ以下ならイカはゴムのように硬くて食べられない。逆に、あまり長く煮込みすぎると歯ごたえがなくなる。

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上記は約22分経過の様子。水分が多いように思われるが、
実はちょうどいい。

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④パスタは、茹で上がる時間より3分ぐらい前に鍋から取り出しフライパンに入れる。少しのゆで汁とEVOを足し、中火にして鍋をゆすりながらソースの中でパスタを仕上げる。パスタの水分吸収速度は遅くなるため、3分以上かかるかも。
完成する約30秒前に、少々のパセリも加える。
水分が吸収されて、パスタに赤みがつき、トマトソースにとろみがでるまでかき混ぜる。
※ここはポイント!イカの煮込み時間とパスタの茹で時間をしっかり計算してパスタを茹で始めよう。パスタの茹であがり3分前がイカの加熱時間開始から22-23分になるように。少し細かいけど、時間管理がこのレシピのポイント。

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⑤お皿に盛り付ける際、EVOと細かく切ったパセリをかけたら完成。

Buon appetito!

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