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2020年11月にCasa Arkadiaに引っ越したときに見つけたものがある。
5L入るプラスティック製の蓋付きバケツ2つ。バケツの蓋には「Arkadiaで開けられますように。2019年5月18日」

おお、そうか。この日付の時は設計図もまだ完成していないし、施工業者の選定もまだ始めていなかった。土地の整地、地質調査もまだだったはず。

味噌です。大豆を茹でて潰し、日本から持ち込んだ米麹と塩とで仕込んだ味噌。1年か1年半の熟成後に、晴れて引越しできているだろうこの家で封を開けたい、と半ば願掛けのような状態。

その通り、というかそこからたっぷり3年弱も経過した2022年2月後半。

やらねばな、と。実は、天地返しすらしていない完全放置長期熟成味噌。上だけではなく全部カビだらけになってたらどうしようと、ちょっとビクビク。

蓋を開けてみる。テッテレー



あら、ほとんどカビ生えてない。一応、周囲5mmぐらい残して真ん中だけ、約1kgずつに分けてジップロック。日付も書いて、合わせて6kg弱の味噌ができました!


ビニール袋、厚手の袋に3重にしていれて、奥の部屋の小さな冷蔵庫に。冷蔵庫に入れておけば熟成は止まるはずなので、ここで出番まで待っててもらいましょう(前回3年前に熟成し終えた味噌がまだ1kg以上使いきれてない)


私は相変わらず、乾き切った大地と格闘をしている。

ジャガイモを一度、夏に植えて秋に収穫したのだが、ピンポン球くらいにしか育たなかった。その後も植えて芽が出てきたのだが、水が足りなかったためかダメになってしまった。やりすぎても腐る。どれぐらい水やりすればいいのか。

この地域は乾季の間、湿度は30%いかがずっと続く。3月からの2ヶ月は大体10%台になる。必要な量の水、がわからない。実家の母は「そうね〜、雨の量と合わせて週に500ccぐらいじゃない?」というが、空気自体が乾き切っていてしかもこの太陽光線だ。倍量なら十分なのか?



地植えにすると収穫時に掘り起こさなければならずに大変なので、穴が空いて本来の用途に使えなくなったバケツや、ランドリーバスケットなどの底を切り開き、枯草で周辺を内側から覆い、土を入れてじゃがいもを植えた。

それぞれから芽が伸びてくるごとに少しずつ土を被せ、種芋が深くなるように。

土を被せ、水をやり、少しだけ芽欠きをする。いいぞいいぞ、と思っていると、3〜4週間後にはその芽が突然萎えてしまう。またか。また水が足りなかったのか。

容器を逆さにして土を全て取り出すと、下の方から腐って可哀想な状態になってしまった種芋。かと思うと、植えた状態から全く変わっていない「貯蔵されている状態」のまんまの種芋を見つけた時ははぁ?と声が出てしまったり。

わからん。全くわからん。

なので挫けず、土に砂を半量混ぜて、水捌けよくしてみる。水も、一日置きに少しずつ。今度はどうだ。



もやしにする緑豆は、メキシコでも売っている(どこでも、ではない)が結構値が張る。1kg日本円で800円ぐらい。メキシコ家庭が毎日食べる煮豆用のエンドウ豆が1kg約200円なので、緑豆(ムング豆)は高級品だ。ならばそれを育ててみてはどうだろうか。枝豆も食べたいのでいつも通りトイレットペーパーの苗ポットに蒔いてみると数日で発芽する。3週間ほど育ててからもう少し待って畑に定植。


手前、細長いのがムング豆の芽

そこまではよかった。

続きは次回。


3月頭から、クマ夫は屋内の壁を作り始めた。

そう、「土塀」にする予定だった箇所。竹小舞を編んで、土に干し草を混ぜ込んだものを貼り付ける土塀にする予定だった数カ所の壁。安全性と強度の問題、それと「人を集めて土塀講習会」もコロナ禍で出来なくなったということで、そこは柔軟に対応しようよ、と。日本の一般家屋やオフィスビルなどでもよく使われている石膏ボードを取り付けることにした。一部はすでに下1mをレンガ積みにし、その上に石膏ボードを取り付けてある。私たちの居住スペース部分だ。その他の、2階客室部分、食料庫、居住スペースのクロゼット部分。計測すると約43㎡にもなる壁を、クマ夫が担当する。

こういうの、きっちりやりたい性格



強度とデザインのため、床から2段分、ブロックを積んでからレールを設置し、石膏ボードを貼っていく。コツコツと、地道に作業を進める。こういう類の作業は彼の得意分野。じっくりコツコツ。




なので私はたまにはこういう食事もいいよねと、お弁当を作ってみる。家にいるのにお弁当。たまにはいいじゃん。2段重ねののり弁に自家製の塩ジャケと厚焼き卵乗せて、くるみ味噌、庭の菜花のお浸し、牛すじのしぐれ煮。茶色いおかずばかりの正統派日本のお弁当。これを、クマ夫はテラスに持ち出して端っこに座って食べ始める。犬たちも猫たちも近くに座り、このいい匂いがするのはなんなんだろうと興奮気味。



なんとのどかで平和な光景だろうか。

つい一週間前、世界の反対側では侵略戦争が始まった。


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