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初心者のためのカリンバ選び①〜30台以上のカリンバ所有者から見た入門者が購入すべきカリンバの考察



カリンバって?


カリンバはアフリカの民族楽器で木材の台座に金属の板状のキーがいくつか付いている楽器で、基本的に両手の親指で演奏します。

数千円と安価で手軽に買えて、両手の親指2本だけでメロディと伴奏が容易に弾けるカリンバは子供から高齢者まで、また楽器未経験者でもとっつきやすい楽器だと思います。
楽器によっては綺麗に音を出すだけでも長い時間の練習が必要なものもありますが、カリンバは音を出すのは誰でも最初から簡単に出来てしまいます。
簡単な曲なら数時間〜数日で、ある程度弾けてしまう楽器なのです。だから楽器経験が無い人でも始めやすい楽器の一つだと思います。

カリンバの種類やスペック

そんなカリンバを購入する前に知っておくべき基礎知識としてカリンバにはどういう種類やスペックがあるかを確認しておきましょう!

以下はカリンバの各スペックを分類してみました。
(★マークは最初の1台に特におすすめのスペック)

●キーの数

・17キー ★

いろいろな17キーカリンバ

最も一般的なキー数で、発売されている種類が圧倒的に多い。
2オクターブと2音の音域(C4〜E6のハ長調)
(一部の機種は音階が半音低いロ長調になっている場合があるので注意!)
大概の曲は伴奏付きで弾ける。
楽譜集も多く出版されている。
重量は200g台中盤〜500g台と様々
値段はピンからキリまである。千円台〜2万円以上。
おすすめは3千円〜5千円台の機種
最初の1台はこれから始めましょう!

・21キー

いろいろな21キーカリンバ

3オクターブ弱の音域(F3〜E6)
17キーのものに低音が4音増えたもの。
伴奏の幅が広がる。
カリンバ合奏にも向いている。
重量は400〜500g台の機種が多い
楽譜集はほぼ出版されていない。
値段は17キー機種よりやや高価。
中央のキーがドではないので初心者には向かない。
(もしくは音階がヘ長調になっている機種もある)

・24キー〜42キー(クロマチックスケール) 

いろいろなクロマチックカリンバ

キーが2〜3段式になっている。
2オクターブ〜3オクターブの半音を含む音域(F3〜F6やC4〜F6など様々)。一番多いのが34キーの機種。
半音階を含むあらゆる曲も演奏可能
重量は500g〜600g台と重い機種が多い
楽譜集はまだあまり出版されていない。
楽器経験者向き。(ピアノ配列の機種もあるがおすすめしません。)
値段は1万円前後と高価。
初心者でも弾きたい曲に半音階があれば最初の1台として買ってもいいかも?

・10キー

いろいろな10キーカリンバ

1オクターブと2音の音域(C4〜E5もしくはC5〜E6)
簡単なメロディと和音が弾ける
小さいので持ち運びが簡単。
100g〜200g台と軽量な機種が多い。
楽譜集はほぼ出版されていない。(海外のペーパーバックにはいくつかある。)
値段は千円台中盤〜2千円台のものがおすすめ。
有名なメーカーならおおかたの調律がされているので初心者でも2台目以降なら買ってもいいかも?
個人的には8キーの機種買うなら10キーの機種の方が断然おすすめです。

・8キー

いろいろな8キーカリンバ

1オクターブの音域(C4〜C5もしくはC5〜Ç6)
一部の8音カリンバでは特殊な音階(ペンタトニック・スケール)のもが有るので注意!。
簡単なメロディと僅かな和音が弾ける。
音数が少ないので習得は簡単。
やや大き目のソリッド型や箱型の8キー機種(C4〜Ç5)は弾きやすい。重量は200g以下が大半です。
ミニ8キーの機種(C5〜C6)はポケットに入るぐらい小さいので持ち運びが超簡単。
ミニ8キー機種は重量60g以下だったりします。
しかし小さ過ぎて弾きづらく、残響もほぼ無く、音量は非常に小さい。あまりおすすめしません。
8キー用にいくつかの楽譜集が出版されている。
普通の8キーの機種は千円台中盤〜2千円台中盤ぐらいのもがおすすめ。
(ミニ8キーは値段が5百円台のものからあり、かなり安価)
調律がされていないものが多く、チューニングハンマーも付属していない場合もあるので、初心者向けではない。

・その他のキー数
5キー、7キー、9キー、11キー、12キー、15キーなどのカリンバもあるが一般的ではない。
その他、机の上で置いて弾く大きいサイズのピアノ配列のカリンバや巨大なキーの低音カリンバなどもある。私の知る限り、市販品で最大キー数は10万円ぐらいする据置型の72キーのもだと思います。

●ボディ形状

・ソリッド型(セレステ) ★

ソリッド型(セレステ)カリンバ

一枚板のボディタイプの機種
使われている木材によっても音色や重量が異なります。
高音でも音が伸びやすい。
音質が良質な場合が多い。
音量が箱型より小さいので、近所迷惑になりにくい。
重量が300g〜500g台と箱型よりやや重くなる。
板が薄い方が軽いが、厚いほうが響きが良い。
最初の1台には、これがおすすめ!!

・箱型(トレブル) ☆

箱型(トレブル)カリンバ

ボディが箱状で、中が空洞になっていて、サウンドホールという穴が全面や側面にある機種。
大きな音量が出る。人に聞かせるときにはいいかも?
穴は丸型とは限らず角型、小鳥型、猫型、トナカイ型、鹿型、花型など色々な形がある。

鹿型の穴
猫型の穴


2つの穴のカリンバ
側面に四角い穴があるタイプ


裏面や側面にトレモロホールという残響効果を出すための穴が空いている場合が多い。

裏側のトレモロホール


側面にトレモロホールがあるカリンバ


比較的軽量な機種が多い。
音質はやわらかめで丸みのある音。
中低音がよく響く。
高音が出にくい、高音の残響が少ない。

・アクリル型

アクリル型カリンバ

ソリッド型の木の代わりにアクリル板になっている。
アクリルなので加工がしやすく様々な形のものがある。
重量は500g以上と木製ソリッド型よりさらに重い。
音は木製ソリッド型より残響少なめ、音量小さめ。
高音が出にくい個体が多い。
個人的にはあまりおすすめしない。

●ブリッジ部の材質

・金属ブリッジ ★

オール金属一体型のブリッジ構造
2本の金属棒の間に金属のキー抑えがある構造
三段式クロマチックカリンバの一体型金属ブリッジ

金属ブリッジを採用している機種はオルゴールのような金属的で残響の大きな音質になる。音量は大き目で、高音でも音が伸びる。
残響が大きすぎて速い曲は音が濁りやすい弱点もある。
SEEDS製全機種やMAGADI製全機種、その他のブランドの極一部の機種、多くのクロマチックカリンバなどに採用されている。
個人的に好きな音色。

・金属棒と金属のキー抑え、木の台座や枕木で作られたブリッジ ☆

木の台座や枕木と金属のキー抑えやナットの一般的なブリッジ構造

一番一般的なカリンバの構造。
丸みのある柔らかい音になりやすい。
残響はやや少なめな場合が多い。
高音は音が伸びない機種が多い。
多くの機種がこのタイプ。

●キー配列

・カリンバ配列(ヒュー・トレーシー配列) ★

一般的な17キーの配列

中央のキーを最低音にして、そこから左右交互に音階の並ぶ配列。
重音やスライド和音が親指だけで簡単に弾けるのが特徴。
カリンバ初心者にはこの配列のカリンバから始めましょう。

・ピアノ配列
ピアノの白鍵と同じ配列で右に行く程高音になり、左に行く程低音になる配列。(クロマチックカリンバでは黒鍵を含むピアノと全く同じ配列の機種もある)
ピアノ経験者は音列がわかりやすい。
和音が親指だけでは弾けない。
メロディと伴奏を同時に弾くには技術的に難しい。
一般的にあまりおすすめしません。

●キーの形状

・弯曲型 ★

湾曲型キー

和音のスライドがしやすい。
滑って余計な音を出しやすい。
爪が削れにくい。
個人的には一番弾きやすい。

・平面型(ストレート型)

ストレート型キー

全く平面や先端だけ下向きに僅かに角度を付けたキー。
しっかりキーが押せる
和音スライドがやりにくい
爪が削れる。

・細型・ミニキー型

ミニキーサイズの8音カリンバ

通常よりキーの幅が小さい形状。
それぞれのキーの間隔も狭い機種が多く、音を間違えやすい。
コンパクトなカリンバに多い。

●キーの硬さ

キーが柔らかい方が弾きやすいです。高価格な機種は柔らかめのキーを採用していることが多いです。(HughTraceyやMAGADIなど)
低価格の機種でもHLURU製やSEEDS製は柔らかめな感じです。

●キーの刻印

・音階番号のみ

数字音名のみ

1,2,3・・・ ~7の刻印のみ

・音階番号と音名 ★

英音名と数字音名

上記数字にさらにC,D,E・・・ ~Bの英音階名と点の数でオクターブを表している。

・刻印なし

刻印なしのキー

何の刻印もないので、ブラインドタッチの練習にはいいが、初心者は音階シールを貼るとよい。
音階シールは本体に付属している場合もある。
別売でド、レ、ミ・・・ ~シなどの和音階のシールも販売されている。

刻印なしのキーに音名シールを貼った状態

◎まとめ

ソリッド型17キーカリンバ

カリンバには上記のように色々な種類がありますが、初心者におすすめなのが17キーのソリッド(一枚板)型カリンバです。出来れば、最初からハ長調にしっかりチューニングされた機種がいいでしょう!

付属品について

★は必需品。☆はあった方が便利。

・ケース ★

ほぼどの機種でも付属している。MAGADI製やHygh Tracey製など一部の機種では付属していない場合がある。
布製や麻製のケースの場合もあるが、出来ればハードケースが良い。
 (ハードケースだけアマゾンなどで千円〜2千円で販売されている。)

・チューニングハンマー ★

それぞれの本体に附属していた各種チューニングハンマー

ほとんどの機種に付属しているが、8キーの機種やMAGADI製、Hygh Tracey製などの機種では付属していない場合があるが、これもアマゾン等で単品購入出来る。
持ち手の部分がゴムで巻かれていたり、木製にの持ち手のものが使いやすい。

・シリコンクロス ☆

本体付属のシリコンクロス

無くても百均の眼鏡拭き等で代用できる。
グロス仕上げの機種は指紋が目立つのであったほうがいい。

・音名シール ☆

本体付属の音名シール

キーに音名や数字が刻印されているなら、なくても問題ない。刻印がなかったり、刻印が見にくい場合は別途購入するのもありです。ブラインドタッチを習得するため敢えて貼らない場合もあります。

・説明書&曲集 ☆

こんな立派な曲集が付属する機種もある

日本語の説明書がない場合も多い。特に外国製。
曲集は数字や音名表記なので外国語(中国語や英語)
でも問題ない。
別途、カリンバの入門書や曲集を買ったほうが良いかも?

・親指サック

親指サック

全く必要ない。これを着けると弾きにくい。
初心者は最初指が痛くなるので、これを着けてもいいが、そうすると指の皮がいつまでも厚くならない。
有名なカリンバ奏者でこれを着けている人は全くいない。

・トレモロチェーン

トレモロチェーン

これを付けるとアフリカぽい音になるが、普通の曲ではほぼ使わない。別途購入出来る。

・貼り付け型ピックアップ

付属ピックアップ

LING TINGやGECHOなど一部のメーカーで付属してあることもあるが、無くても問題ない。
必要ならもっといいピックアップマイクを買ったほうがよい。

磁石を付けてカリンバのブリッジ部に磁力で付けます

私は丸型平面の磁石を貼り付けて、カリンバのブリッジ部分に付けて使っています。

・タッセル

タッセル

LING TING、GECKOなど一部のメーカーで付属してあることもあるが、飾りなので全く必要ないです。


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