引用#9

「作品」や「作品的」提示物、「物体/物質」等が「百科事典的」という客観的な場所に一旦置かれることで、「目の前の物が体験者にとって一体何なのか?」を再吟味し浮かんだ印象を記すための「索引帳」を手にしているような気分になった。(19−20)

第55回ヴェネツィア・ヴィエンナーレにさいしての文章


自分にとってスケッチとは、光景や風景、また人物の日常的な動きに対して反射的に起きる衝動に近い。(26)
「アート」に関しては特別な思いこそあれ、具体的な計画のないままに開始した海外経験で最初に感じたのは、どこに行こうが始まらないものは始まらないという事実だった。(34)
「何でも使う」と行った意志を強く持たないと漠然と頭の中にある完成形に近づくことは難しい。「何でもいい」と本気で思うことは、自分だけの力では到底行きつくことのできない形との出会いを生み出すことがある。(39)
ダダな指先(40)
絵との距離感(85)

大竹伸朗『ナニカトナニカ』(2018年、新潮社)



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