個人的、伊藤塾のここがダメ

司法試験予備校の中で、合格実績に評判のある伊藤塾ですが、
実際に利用してみていくつか不満・デメリットがありましたので共有します。

予備校選びにお悩みの方はぜひ、ご参考にしてください。

(なお、どの予備校も一長一短であり、どこにいってもおそらく何かしらの不満は発生するはずです。そのため、この記事は伊藤塾を特に批判するものではありません。)

前提として、私は呉明植講師の通信講座を受講していました。そのため、通信ならではの不満もお伝えできればと思います。


伊藤塾のここがダメ

その1
講義を受ける講師、答練の解説をする講師、過去問の講義をする講師がバラバラで混乱する

まず、前提として、講義(基礎マスター+論文マスター)のみで試験に合格する方も存在しますが、多くの受験生は答練や過去問講義を活用しています。
私も答練、過去問講義を利用してから、ようやく論文を書く実力が身についたので、私にとってはこれらは必須でした。

ただ、問題は、普段講義を受けている講師とは別の講師が解説講義を担当するという点です。

伊藤塾はそもそも講義を担当する講師が複数人いて、講師ごとに学説の立場も違います。
そして、「〇〇先生の受講生専用の答練」なんぞあるわけではないので、答練等の講師もそれぞれ立場が違うわけです。

したがって、答練や過去問講義を受けると、今まで教えられた立場とは違う立場を教えられることがあります。

答練には、予備試験の場合、
秋頃から始まる「コンプリート論文答練」と、
予備試験短答後〜論文前までに行う「論文直前答練」がありますが、
よりによって論文直前答練を受けている直前期に、今まで使ってこなかった学説の立場を解説されたときにはもう大混乱です。

結局のところ違う立場の学説を理解できればより深い理解につながるので無駄ではないのですが、
直前期に言われるとたまったものではありません。

無視して今までの立場を貫けばいいのでは?と思うかもしれませんが、
最悪の場合、今までの立場を批判されたりするのです。(「古い」とか言われる…)

そのため、割り切って今までの立場を貫こう、と決めたとしても、どこかで今までの立場に疑いをもってしまうのです。

とはいえ、答練を受けないわけにはいきませんので、私は部分的に立場を修正したり、不安ながらも従来の立場を貫いたりしました。

こればっかりは受験生を混乱させるだけなので、どうにかならないものかと思います。

その2
質問制度の返答が1〜2週間後で、遅すぎる

これについては、通信受講生特有の悩みかもしれません。
対面講義を受講されている方は直接講師に質問ができるので、このようなタイムラグはあまり発生しないと思います。

「通信講座でも質問制度が利用できるため、サポートが充実している」などとHPに記載されているので、気軽に質問して返答が返ってくるものだと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
返答に最低でも1週間はかかるので、ほとんど質問制度として機能していないと思います。

私は1〜2週間も疑問を解決できず、かなりストレスを感じました。
幸い、私は大学の教授に質問できる環境があったのでまだ良かったのですが、そういった環境がない方は対面受講を強くおすすめします。


その3
論証・学説が古いらしい

これは、大学の講義で度々教授から指摘されました。
特に、刑法と刑事訴訟法について、伊藤塾が採用する論証や学説が古いと言われました。

そのような指摘されたときに、私は当初、「仮に論証や学説が古くてもバツはつかないだろうから、そのままでいいか」と思っていました。

ですが、司法試験の採点実感でも指摘されていたり、そもそも司法試験が特定の学説を採ることを前提に作問されていたりする(特定の学説を採ると答案が書きやすいように作問されている)ので、論証や学説を修正せざるを得ない場合があります。

私は、予備試験合格後、司法試験受験前に刑法と刑事訴訟法の論証をいくつか変えて覚え直しました。


その4
伊藤塾の教材以外の基本書・演習書は推奨されないが、たまに基本書のほうがわかりやすいことがある

基本的に、伊藤塾では手を広げすぎないようにするために、伊藤塾の教材(基礎マスターテキスト、問題研究等)以外の基本書や演習書は推奨されていません。
たしかに、知識が不十分なうちに色んな基本書に手を出してしまうとむしろ混乱するので、このような指導は間違っていないと思います。
ただし、基礎マスターテキストや問題研究だけで理解できない場合にまで、無理して基本書や演習書を避ける必要はありません。

私は最終的に刑法、刑事訴訟法についてはメインテキストは基本書に変更しました。

これについては自分の相性のいい方を選択すればよいと思います。


思いついた限りでつらつらと書いてみましたが、また思いついたら追記しようと思います。


※伊藤塾のメリットもいつか書きます



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