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50歳の挑戦 その③コロナ後へ


自然化粧品の開発や、指導の仕事を長年続けてきた韓国の友人。コロナ前には、ソウルのカンナム区に売り場兼教室を持ち、基礎化粧品作りを教えたり、肌タイプのアドバイスをしたり、商品を販売したりしていて、そこには多くの外国人も訪れたという。
しかし、新型コロナウイルスの流行により、対面の、まして肌診断などは難しくなり、一旦店舗は閉じた。
今はごく限られた範囲での国内販売と他社ブランドの商品提案、中国やインドネシアなど海外バイヤーからの注文に応じた少量の商品輸出を続けている。
一方で、日本での韓国ブームの勢いは高まっており、韓国から日本への化粧品の輸出量も急上昇中だ。これまで人気のあった化粧品メーカーやブランドの製品はもちろんだが、新しい化粧品ブランドも次々と立ち上がり、輸出され、盛り上がりをみせているのだ。

京畿道の化粧品工場で、友人は話を続けた。
「メークアップアーティストの方が、自分の化粧品のブランドを立ち上げて販売したり、ボディメイクエクササイズで海外で活躍しているチョン・ダヨンさんも、自身のコスメブランドを立ち上げたと聞きました。チョン・ダヨンさんは、今56歳だと聞きましたが、新たな挑戦をし続けています。そうした話を聞くにつけ、ああ、私は化粧品の専門家だというのに、何をしているんだろう…という気持ちになってくるのです。
そして、韓国の化粧品が人気を集めている今なら、日本を足がかりに、私の作る化粧品をもっと多くの人に使っていただく機会なのではないかと、日本への輸出を具体的に考えるようになりました。日本の化粧品市場は、手続きも面倒で、ライバルも多く、もっとも難しいといえるでしょう。だからこそ、日本でうまくいけば、ほかの国に販売を広げることも視野に入ってきます。
急いで大きなことをやろうとは思っていないけれど、日本でも教室を開きながら、少しずつ、着実に、私が作る自然化粧品を多くの人に届けたいという思いです。私自身、自分のアトピー改善のために基礎化粧品作りの研究を始めたので、とくに、アトピーやアレルギー体質の方には、使いやすい商品をお届けできるのではないかと、自負しているのです」

そんなこんなで、私は彼女の会社の日本支社の立ち上げを、手伝うことになりそうだ。まったくこれまでの仕事とは違うけれど、日本での販売にあたってのイメージ作りや、販路開拓、取引先とのやり取りなど、これまでの経験を活かせる部分もあるだろう。
怖くもあり、ワクワクもし…。
どうなることやら、先のことはわからないけれど。

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