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ep.2 デンマークで低用量ピルを貰ってみた

最近めっきり寒くなったコペンハーゲン・・・毎日天気が悪くて気が滅入る毎日です。😭

さて先日、低用量ピルを貰いにクリニックに行ってきました!

低用量ピルはもともと日本では飲んでいたことがあった私ですが…
「せっかく性教育研究でここに来ているならデンマークでも貰ってみたい!医療費無料ならピルも無料で貰えるんじゃね!?🤩」

という好奇心のもと、行ってみることにしました!

というわけで今回はデンマークで低用量ピルを貰うまでの過程や日本との違いをご紹介します✨💊


DFPA - デンマーク家族計画協会 -

ということで、調べて行き着いたのは

DFPA-Danish Family Planning Association
…デンマーク語で「Sex&Samhund」、日本語で「デンマーク家族計画協会」の運営するクリニック。

DFPAは、デンマークで性教育普及や性と生殖に関する自己決定権拡充のため活動しているNGOです。
そのDFPAが運営するクリニックがここらしい!👀

ここでは・・・

  • 避妊、緊急避妊、性感染症、妊娠、中絶、その他の性的問題についてのアドバイス

  • 避妊具の提供

  • 性感染症の検査

  • 婦人科検診

等々を受けられるとのこと。

サービスを利用するには無料・匿名で、医師の紹介は必要なく、コペンハーゲンに居住していることが条件でした。また、看護師と医師の両方が働いていて、従業員全員が性感染症と避妊の専門家であるとのことでした。

お、なんだか良さそうじゃ無いか!👀受診無料だし、ホームページによると、低用量ピルは3ヶ月ぶんまで無料で提供すると書いてあるし!!✨

ということで、行ってみることにしました!

電話で予約

ホームページ曰く来る前に電話で予約してくれとの事だったので、まずは電話をすることに!

しかしこれが、月・火・木の15:45-16:45しか電話できないという鬼畜仕様・・・(でもこれがデンマーク・・・。こういうことはよくあります。)

まあしょうがない、というわけで16:00くらいに電話をかけたところ、
「あなたの前に16人並んでいます。このままにしてください。」
との自動音声が・・・!(T-T)(うわ~~ん、どこまでもデンマーク~~)

そのまま付けっぱなしにして、結局繋がったのは、時間内ギリギリの16:40くらい。女性の方が出て、テキパキとした感じで対応してくれました。会話はこんな感じです。

ーーーーーーーーーーー

どうしました?
-低用量ピル(birth control pill)を貰いたいんです

他の避妊具もありますが、その説明も聞きたいですか?
-いえ、もう低用量ピルと決めてるので大丈夫です

分かりました、日付を決めましょうか。11月〇日の△時なら空きがありますよ。
-その時間で大丈夫です。

OK、それじゃね~。

ーーーーーーーーーーー

という感じで、さくさくっと電話は終わりました。
よし!これで準備OK。

いよいよ受診!

特に持ち物などは言われていなかったのですが、イエローカード(デンマークで言う保険証みたいなもの)くらいは持って行こうと思い、一応しっかり持っていることを確認して、いざ出発(でも結局使いませんでした)。

複合施設みたいな大きいビルの3階(イギリス式だと2階)にあります。

予約の時間ちょうどにクリニックに到着!
窓口にて、「△時に予約していた●●です」ということを伝えると、先生の準備が出来るまで待合室で少し待ってねとのこと。

クリニックの入り口と、少し見える待合室。和やかな雰囲気。

待合室にて

待合室で7,8分待ちました。
その間、「ここに来るのは初めてですよね?これを書いて待っていてくださいね」と、氏名・住所・電話番号・CPR番号を書く紙を渡されました。

待合室には、雑誌やらテイクフリーのコンドームが置いてあったりして、和やかな雰囲気でした。

コペンハーゲンコミューンの印字があるコンドーム。自治体が製造しているのかな・・・?ちょっとそれは不明だったので今度聞きたい

診察室へ

そして先生に呼ばれました!

パートナーと一緒に行ったのですが、部屋に入る前に「パートナーも一緒に入っていいですか」と聞いたところ、「全然問題ないですよ!あなたが良ければね!」とのこと。
パートナーは、副作用の説明を一緒に聞きたいと言ってくれていたのと、また、もし先生との会話がデンマーク語だった場合意思疎通が心配だったので、一緒に入って貰いました(結局全部英語で大丈夫でした)。

部屋に入ると、年配の女性の先生が一人と、若めの女性の先生が一人、迎えてくれました。

最初に自己紹介してもらい、年配の方は医師、お若い方は助産師になるための勉強をしている学生さんとのことでした。(学生の方がこうやって現場研修的な感じで来ているのね~~!とびっくり。)

まずは、ここに来た目的を確認されました。(電話で言っていたものの、「低用量ピルの処方です」と伝えました)

そして、前にも低用量ピルを飲んだことがあるかどうか、親族に血栓症などの血管疾患系を持っている人がいるかどうか、などの質問をされました。

そして、薬の説明へ。
実物を見せてもらいながら、どうやって飲むか(毎日一錠ずつ、出来るだけ同じ時間帯に飲むこと)、もし気分が悪くなったり、皮膚に吹き出物が出たりなど、なにか異常があったらすぐに連絡すること、など説明を受けました。

貰った薬はこれ。4段目がカルシウム錠で、ホルモンは入っていません。

驚いたのは、4段目の薬を飛ばして次のシートに移ってもいいということ!日本で低用量ピルを貰ったときは、1ヶ月のシートを使い切って(=1ヶ月に1回はかならず生理を来させる)と言われていたので、とても驚きました。

しかも、先生曰く「たとえばスイミングやダイビングに行くとか、旅行に行くとか、とりあえず生理を来させたくない場合、次のシートに行っていいからね」とのこと。そんな理由で動かして良いし、1ヶ月に1回来させなきゃならないものでもないんだ・・・!と目からうろこでした。

なんだか、日本と比べて、自由に自分の身体活動を決められるというか、こうしなきゃならない!みたいなものが少ないのかもなと感じました。
※ただし最初のうちはしっかりと1シート使い切ることとのことだったので、私もそうしようと思います

そして、また何も問題が無くても3ヶ月が経ったら、また来てねとのことでした(この日は3ヶ月ぶん一気に貰いました)。

その後受付で次回来る日程を予約し、その日は無事終了!
事前に調べておいたとおり、お金も一切かかりませんでした👀!!おお~。


質問したこと

こんな機会もないので、診察の最後に、先生に質問をしてみました。
それは「デンマークにおいて、避妊具として何がもっとも用いられているか?」という質問です。

先生曰く、ランキングは以下の通りだそうです👀

1位:低用量ピル
2位:IUD(子宮内避妊リング)
3位:避妊注射
4位:女性用コンドーム
5位:男性用コンドーム

国連が発行しているcontraceptive use by method 2019(避妊法2019)のデータによると、日本のピル内服率は2.9%とのこと。逆に男性用コンドームに避妊を頼る場合が多く、女性の避妊の選択肢が限られているというのが課題だったりするのです。

また、避妊注射は日本では未認可であり、女性が選択できるものに限りがあるというのも課題のひとつです。

ピルの普及が進まない原因は沢山あると思いますが、やっぱりお金の問題は大きいかもしれないと感じました。事実、こうやって無料でカウンセリングやピルの提供が受けられると、私も気軽に使えるし、アクセスの良さって絶対大事だよなと感じる機会になりました。

また、もし避妊に失敗したり新しい方法にチャレンジしてみたいと思ったときに、和やかに迎えてくれる場所があるというのも、心強さのひとつになっているのではないか・・・と感じました。

まとめ

診察の前は、「留学生だけど貰えるのかな」「偏見の目で見られたりしないかな」など考えてしまい、実は少し緊張していたのですが、いざ行ってみると終始先生は和やかで、質問にも親切に答えてくださり、非常に安心感を持ちながらお話しすることが出来ました。

日本でいざ産婦人科を受診しようと思うと、
「嫌な思いをしたらどうしよう」
「お金かかるのかな」
など考えてしまい、気軽に行ける場所ではないなというように感じます。

医療機関ではあるものの、その一歩手前の、「ちょっと相談」的な受け皿を担ってくれる場所の存在は、とても有り難いなと感じました。(願わくば、もう少し予約が取りやすくなって欲しいところですね・・・!!笑)

以上、デンマークで低用量ピルを貰ってみたレポートでした!
ここまで読んでくださりありがとうございます✨
それではまた!(^_^)ノ🌼


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