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リモートワークで注目のジョブ型とは?その基本から~世界で当たり前の働き方

リモートワークで注目のJob型

リモートワークが増えてきているのは周知のことですが、最近、働き方を「Job型」に切り替えるなどのニュースが相次いでいます。何やら革命的な響きを持って、伝わり始めています。え?Job型?今までと何が違うの?と思う方もいるでしょう。

簡単にご説明しましょう。

Job型とは、個人の「仕事内容」を明確にし、その「仕事内容」で給与、地位が決まることです。

例えばですが、とあるレンガ職人で、レンガをきれいに積むこと(プランを提出し、メンバー3人も指導・教育する事)=「仕事内容」と定義して、それに対して、基本給与、地位を決めると考えればわかりやすいでしょうか。

仕事内容と付随して、ちゃんとできたかどうか(不良品はないか、目標数は達したか、遅れはないか)、それをはかるのが「成果主義」ですね。

「なんだ、当たり前のことでは?」と思うかもしれません。ですが、専門職(美容師、介護福祉士、会計士など)の方を除き、日本の多くはサラリーマン(会社勤め)ですが、そのサラリーマンの多くが、厳密にいうと、「Job型」では働いてはいないのです。どういうこと?( ;∀;)

メンバーシップ型の日本

もちろん、全ての会社ではありませんが、日本の働き方はまだまだ「メンバーシップ型」と言われています。要は、「仕事内容」ではなくて「所属」していることに価値を置き、給与や地位などがあがっていく仕組みです。

ちなみに年功ではありません。長く組織に所属し、忠誠を置いている人物かに価値が置かれるということです。

社内でよくある例としては、上司からあなたの仕事は「こんな感じ」と何となく、役割分担はするまでも、実際には、「すぐに変わる」「目標の積み上げがある」ことはないでしょうか?あるいは、私が聞いた面白い例だと、「上司の近くを歩くと、仕事が増える(だから、あまり近くに行かない。。)」などですね。Job型では、そういうことは全くありません。

先ほどのレンガ職人の話でいうと、例えば300個/月、計画をたてて、レンガをきれいに積む、メンバーの指導をするのが仕事(Job型)であるのですが、「レンガじゃなくて、やっぱり塗装もお願いしたい」「やっぱり500個お願いできないかな」「他部署だけど、Aさんの面倒も見てくれないかな」と、たまたま上司と話したら変わる というのがメンバーシップ型でよくある光景です。(良い、悪いは別にして)

「いやいや、うちの会社は、Job GradeとかMission Gradeとかいう名前で既に仕事主義(Job型)になっているよ」と言われるかもしれませんが、そのほとんどは、仕組みだけそうなっていて、実態はそうなっていないことがわかってきています。

例えば、Job型の会社では、その人の仕事内容(やるべきこと)が書かれた「職務定義書」というものが配られる、提示されるのが当たり前です。この時点で配られてないなら、そもそも、仕事が定義されていないということです。そういう会社もたくさんあります。

また、仮に職務定義が配られていても、「実際は、部長に言われて違う仕事をやってるんだよね」と、ほとんど意味をなしていない場合もあります。

海外ではどうなっている?

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海外では、特に欧米を中心に「Job型」が基本です。逆にそれ以外のメンバーシップ型って何?と不思議に思われます。日本では、Job型への切り替えは、何やら革命的なことが起こるぞ!というニュアンスも含めて、伝えられてますが、海外では、どちらかというと当たり前のことなのです。

海外では、管理職以上だけでなく、エントリーレベルの従業員でも必ず、仕事が定義されます。そして、その仕事を達成する限り、成果もそこそこ出す限り「プロセスにはこだわりません」、「働く場所にもこだわりません」ということになります。(最近はプロセスも大事にすることはあります)

Job型へなぜ切り替わらなかったの?

今までなぜ、合理的なJob型へ切り替えられなかったのか?それは、諸論ありますが、キャリアコンサルタントとしての個人的視点では、やはりメンバーシップ型で成長(日本の復興)を遂げてきたシニア世代の価値観は変わらない、硬直的であるからと思います。

認知・行動の理論では、個人の過去の成功体験を簡単に覆すことは容易ではありません。得体もしれないJob型へ切り替えたら、「メンバーが自分の仕事しかしなくなるのではないか?」(まあ、それがJob型ですが)、「チームワークが悪くなるのではないか」という危機感があるためと思います。

ですが、実際にJob型の欧米は、人を手伝わないかというと、必ずしもそうではありません。相手に断り、確認を入れた上(相手の仕事なので配慮は必要)で、手伝うという行為は普通にみられることです。

日本のメンバーシップ型の利点がもちろん無いわけではありません。仕事の隙間を素早く埋めあうという意味で、オペレーションの質というものの向上は期待できるでしょう。(ただし、チームメンバーのエンゲージメントが低い場合は、それが起こりません)

リモートワークの登場で変わる働き方

ついに、半ば強制的にリモートワークの導入促進という事態になりました。ついに、メンバーシップ型の基本である「その場に随時一緒にいる事」が強制的にできなくなった結果、もはや、Job型しかないという方向性に進んでいます。

Job型のメリットを生かし切れるか、が今後の各組織体のテーマになってくるかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。









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