キッシュ作りで気づいたアメリカ人の時短の工夫
知人・友人から頂き物をすると、思わぬ発見や自分の幅を広げるきっかけも頂けることがある。自分では選ぶことのない色柄のスカート、キッチン用品。海外生活をしていると、帰国される方々から譲り受けることも多い。
先日頂いたパイシートもその一つだ。私は料理を作るのは好きだが、こねたり包んだりという「ひと手間」を面倒と感じてしまう人間で、おのずとハンバーグやギョウザ、揚げ物はあまり作りたがらない傾向にある。キッシュも私の中ではそのカテゴリーに該当する。友人宅に招かれて、キッシュを頂くと「こんな料理をちゃちゃっと作れる素敵マダムになれたらいいな」と淡い憧れは抱くものの、すすんで憧れに近づいていこうとはしなかった。スーパーマーケットでも、パイシートなど目にも止まらなかった。しかし、今回、頂き物のおかげで状況は変わった。
作ろうと思った理由はもう一つ。パイシートの箱が異常に大きいのだ。32cm×11.5cm×4.5cm。こんなに大きい箱なのに2枚だけ。冷凍保存と書かれているので冷凍庫を開けたが、収納するのに縦いっぱい取られる。。他の物が取りづらくなるし、底に入れたら永遠に使わないだろうし、早く使ってしまうのが得策、と思った。(もちろん、頂き物への感謝の気持ちは変わらない)
そういうわけで、意を決してキッシュづくりに挑戦した。箱に「解凍に1~1.5時間かかる」と書かれていて、すぐにまた作る気力がガタ落ちしたが、もしかしたら中の具材を作っている間に柔らかくなるかも、と思い直して箱を開けた。すると、箱の中は結構ゆとりある構造で(もう1周り小さい箱でもいいくらいだ)パイシートが2枚、ロール状になって凍っていた。…作業効率の悪い私は予想通り、ほうれん草をゆでて冷やして揃えて切って、玉ねぎとベーコンを切って炒めて、生クリームと卵をかき混ぜて…としていたらパイシートは柔らかくなっていた。パイシートを開いて感動した。すでに丸くなっているのだ。(上下、パイシートを挟む形でフィルムをつけて巻かれているのでパイシート同士もくっつかない)そして、大きめアメリカサイズの丸型(直径約25cm)にフィットした。背(高さ)の部分が2.5cmほど確保された大きさ。…よく分かってる!!私が「面倒」と感じる、パイ生地を均一にして、型より少し大きめの円を作って(ちょうどよいサイズではないと、ヒビが入らないようにつぎ足して…)という作業が一切ナシ。レシピ通りに作って焼いたら、美味しかった。これならまた作れる、また作ろう!自分でも買おう!! 思いが劇的に変わった。
ずぼらアメリカ人(あるいは忙しいアメリカ人)のための大きいサイズの箱に入った丸形パイシート、極めてアメリカ的。でもそのおかげで料理のハードルは下がるのも事実。スペースよりも省力。省力化すればおのずと時短にもなる。アメリカ人、やるなあ。改めて友人に感謝。
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