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一生安心な資格ってありますか?

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

未来に漠然とした不安を抱えている方は多いと思います。特に昨年以降は、急に働き方が変化したり、仕事の価値が変わったりしているので、面談をしていても「もっと確かなものを手に入れたい」気持ちをお話する方も増えていると感じています。

将来も安心していられるように・・・
 ・自分の核となる仕事を早く確立したい
 ・何か資格をとりたい
 ・将来性のある会社に入りたい

未来に不安があるからこそ、ゆるぎないものが欲しいと願うのは、とても自然なことです。

あるキャリア面談でご質問がありました。

「一生安心な資格ってありますか?」

安心を求める気持ちと資格やスキルについて、考えてみたいと思います。


資格が食べさせてくれるわけではない

私が言うまでもなく、「資格があるから安心とはいえない」ことは、みなさんおわかりだと思います。それでもこの方は聞きたかったんでしょうね。質問を投げかけられた時、一瞬なんてお答えしたものか迷いました。「そうですね~」と考えるふりをしつつ、一つ質問を返します。

「〇〇さんがイメージする安心ってなんでしょう?」

何について安心を求めているのかを、まずは聞いておかないとズレたことを言ってしまいそうです。

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「仕事に困らないで食べていけるってことでしょうか」

~なるほど、この資格があれば仕事に困らないということなのか・・・そんな資格あるかな?より難しくなったぞ~と心の中で考えます。

私が世の中すべての資格を把握しているわけでもないので、不用意なことは言えませんが、資格を取ることが『食べるのに困らない』状態を保証してくれることはない・・・と思います。もちろん資格や免許がなければできない仕事はあります。でも資格や免許があるから食べていけるわけではない。

この二つの間に何があるのかを考えることが大事だと思います。

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取ったら使うが前提

あんまり資格や免許を持たない私ですが、とりあえず運転免許は取りました。若い頃にとる機会が無くて、取得したのは30歳の時です。「そういえば!」と、これを書いているうちに思い出したのですが、取得した3日後に高速道路に乗って少し距離のある友人宅へ一人で行ったんです。周りからは「まだ取ったばかりでしょ!!」「怖くないの??」って驚かれました。取ったものはすぐに使いたかったのだと思います。ルンルンで初心者マークを貼って運転していました。

何のために運転免許を取ったのかといえば、坂だらけの横浜に住んでいて娘たちの保育園の送り迎えだったり日々の買い物に困っていたからなんです。そこにニーズがあったから取らざるを得ず、取ったら使えるようになることが必須でした。

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それ以降、資格とは無縁の日々が続きますが、44歳でキャリアコンサルタントの資格を手にします。「直接人の役に立つ仕事がしたい」と強く思ったからです。歴史は繰り返すといいますが、この時も合格通知が来ると同時に(正確には来る前に)会社に辞表を出し、資格を活かせる仕事が見つかる前に会社を辞めてます。14~5年たってるのに、何も変わっていない・・・「取ったらすぐ使わないと」が、私の思考・行動パターン。

さて、話を元に戻しますが・・・すでに車は手放し数年たちます。東京に来て坂も無くなったし、娘たちも大きくなったし、運転するニーズが無くなりました。おまけに駐車場が高い・・・今はペーパードライバーです。持っているだけで使っていない状態。もし今後免許を活かして配送などの仕事をしようと思ったら、猛烈に練習しないと危険です。運転経験がはるか過去のことだし、年齢も重ねて反射神経もあやしい・・・、スキルがさび付いていて使い物にはならないと思われます。

キャリアコンサルタントは、10年たった今も激しく稼働中です。経験とともに少しずつ少しずつ自信もついてきて、仕事の幅も広がってきて、なんとか私一人が食べていける分は報酬を得ることができています。いろんなチャレンジをしながら、人とのご縁をいただいて仕事を続けていることが、収入につながっています。

私の事例からもいえることですが、資格・免許は使わなければさびてしまいます。資格を取ることを目的にしないこと、使っていくことが想定できるものを手にした方がよさそうです。

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「何のために」が重要

私の場合、運転免許はよりよい生活のために、キャリアコンサルタントは人に役立つ仕事をするためにという目的がありました。「何のために」が明確になると活かせるシーンが具体化されます。

今はAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)が話題ですし、将来的には仕事も働き方も大きく変わっていくと思います。社会の変化とともに求められることが変われば、資格や免許の価値も変わっていくでしょう。加えて、同じ資格を持っていても、ただ作業していた人と、人に関わって創造性を発揮して創意工夫をしていた人とでは、その資格の価値が天と地ほどの違いがでているのではないかと想像します。

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資格を取ることを目的にするのではなく、自分の仕事に活かせるもの、世の中の役に立つもの、他者との関わりが広がるもの等を検討してみてください。そして具体的に資格を活用していくことが、結果として「一生安心な仕事」につながっていくと思います。


・著書紹介


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