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大人だって、成長中

エリクソンの発達段階理論について、久々に触れる機会があった

読んだ書籍は子どもの心を育てることについて焦点を当てたものだったが、私が注目したのは大人もまだ、心の成長の途中なのだということ

エリクソンの発達段階理論

エリクソンは、人間が生涯を通じて経験する心理社会的な課題や危機を、8つの段階に分けて示した理論を提唱している

①乳児期(〜1歳半頃)
②幼児期前期(1歳半〜3歳頃)
③幼児期後期(3歳〜6歳頃)
④学童期(6歳〜13歳頃)
⑤青年期(13歳~22歳頃)
⑥成人期(22歳〜40歳頃)
⑦壮年期(40歳〜65歳頃)
⑧老年期(65歳頃~)

この発達段階は、必ず下から積み上げていくものであり、それぞれの段階の課題を達成することで、次の課題の準備ができる…
つまり一足飛びにはできない、と言われている

体の成長は目に見えるけれど、心の成長は目に見えない
だから、もしかしたらどこかの心の発達段階で躓いたまま、体だけ大人になっていることもありえる

育児をし始めてからの変化

私は出産を経て育児をする中で、子どもが生きていく未来のために何ができるかをすごく意識し始めたのだが、
発達段階の中で壮年期の課題が【世代性】であり、「次の世代のために何ができるか」という社会貢献を考える時期らしい

おお、これはまさに!と思った
私はこの課題を達成したいと今もがいているのか、と

では私はそこまでの段階でおきる課題は順調に達成してきているのか?
遡ってみて気になったのが青年期の課題【アイデンティティ】

自分の心は発達できている?

これは思春期をはさむ多感な頃に、自分の役割・存在について疑問や葛藤を経て、周りの影響を受けながら自己認識を深めていくことで達成できるということだが、私はこれに長らく苦戦していた

というより、たぶん達成したつもりでできていなかったし、今もまだ自信がない

ただ、ふんわりと分かった気でもなんとか過ごせていたし、
有難いことに、成人期(22〜40歳)の課題とされる【親密性】については、入社した会社で楽しく働けて、友人にも恵まれ、夫と結婚して家族ができたことで満たされ達成したから、次の段階である壮年期に足を踏み入れることはできたのだろう

だけど、なんだかモヤモヤしていた
それは2つ前の課題を達成できた!という感覚が持てていなかったからかもしれない

"ワタシ"という役割

子どものおかげで、私は母という役割を貰え、アイデンティティを確立できた
極端に言えば、母になるまで私はこの世に生きている意味をあまり見出せていなかった

子どもと向き合い、学ばせてもらい、生きるって楽しい!と本音で思えるようになり、
今ようやく母という役割以外の"ワタシ"という役割に向き合えるようになってきている
そして向き合えば向き合うほど、より日々が楽しくなってきた
心の成長を今まさに歩んでいるんだと実感する

我が子とともに

エリクソンの理論は、階段のように一段ずつ上っていくイメージなのかもしれない
でも私は、もっと上がったり下がったりするイメージを抱いた

アイデンティティなんて、これだ!ってたったひとつ揺るぎないものを得ることなんて難しいと思う
これかな?って思いながら、次の階段を上がり、違うかも…ってまた一段下がるを繰り返したっていい

大切なのは、階段を踏み外したら終わり、ではないということ
もう一度やり直せばいいだけ

育児は育自とよく言うけれど
子どもを育てながら、自分の過去をなぞることはよくある
心の発達段階をサポートしていくことは、まさに自分の心の発達の階段を振り返ることだと感じた

大人もまだまだ成長途中
我が子と一緒に歩んでいきたい