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傾聴姿勢と素直さと謙虚さと

部下の日々についてちゃんと把握していますか?

出社をするとパソコンに向かって、眉間にしわを寄せながら、顔を合わすことなく、「おはようさん!」という上司がいた。
部下も「おはようございます!」と返答をする。

その後は就業時間中はクライアント先にずっと出入りすることになり、会社に戻ってくるのは21時前後になることがしばしば。
そんな忙殺の日々を送っていると、部下から「退職届です」と退職届を提出される。

バブル期が崩壊してから、こういう会社が増えていると思います。
退職する理由については、上司がヒアリングする場合と、人事部がヒアリングする場合があり、精神的にも肉体的にも辛いことです。

今の例は私が管理職として、支店の売上に奔走をしている時、やってしまった実体験です。
この事については今も鮮明に覚えているから不思議です。

その後私はメンターにいろいろと相談をしたことを思い出します。
メンターは「責任感が強いので売上を作るのに必死なのはよく分かる。
でもね、部下もちゃんと見てくれていますか?ちゃんと話を聞いてくれますか?と思っていたはず。」という。

その言葉を聞いた時に、思い当たるフシが走馬灯のようによみがえった。
その時になってはじめて、売上を作ることも重要であるが、部下の育成、変化について見逃してはいけないということに気づいた。

メンターは私の表情をみると諭す様に話しかけた。
「目をかけてやっていたのかな?話をきいてくれるのかな?と部下は感じていたはず。いつも売上、売上ということをいっていて、部下を叱咤激励をするだけじゃなかったんじゃないの?」

「そのとおりですね。支店の売上を底上げすることで、部下の給与を上げてもらうように社長に交渉をしようとしていた。そのために、部下の心境の変化に気づかなかったんだ。」と俯きながら答えた。

上司から部下へサインを出してみましょう

人数が多くなり、部署が大所帯になると、行動把握が出来ないのが現状です。
管理職が部全体の部下の行動や心境の変化に気づくことはほとんどありません。
上層部から会議で詰められて、部下からは愚痴、不満が出てくるから。

しかし、部下の育成が上手い上司は次のようなことに気を使っています。
気になったら声がけをする。
視線を送る。
日報や目標管理についてフィードバックをする。
他のメンバーや別部署の上司に話をきてもらう。
メール、メモを残す。など、見守っていますよというサインを出す。

最近ではソーシャルネットを使って、ライン、メール、電話を使いこなす人もいるでしょう。
顔を合わせていろいろな話をするのが一番いいのですが、時代によっていろいろな変化をしているのは、驚きです。

今でも一番多いのが声がけでしょう。
元気のない部下を見かけたら、ランチや飲みに誘っていろいろと聞き出す。
会社ではないので話しやすい雰囲気を作ることが重要です。

そうすると部下もココロを開きながら、迷っていることや、仕事の話などいろいろと話しをしてくれます。
そこで、指導、考え方を熱弁してはいけません。

やんわりとほんのりと伝えることが大切なんです。
そこでちゃんと見ているということを伝え、褒めるポイントがあれば、そこを伸ばすように伝えましょう。

部下が自信をもって仕事をしてくれることによって、生産性も上がり、売上も伸びていく。
成功体験を積むことによって、目標へ近づくこともできますから。

いつでも話をかけやすい時間帯をつくる

これは会社によってできるできないがあると思いますので、一概には正解のやり方であると言い切れませんが、効果があるのは事実です。

私は事務所に戻ると自分の席に座ることはありませんでした。
打ち合わせスペースでパソコンとお菓子を持ち込んで、コーヒーを飲みながら、部下との話をできる時間を設けるようにしました。

夕方の4時過ぎから6時ぐらいまでの間は、そのようにして話をしやすい雰囲気を作りました。
最初のうちは不思議に思った部下でしたが、お客様についての相談、報告など以外にも、プライベートの話やこんなことをやりたいという企画の話までざっくばらんにするようになりました。

なぜ、夕方のその時間にしたのかというと、営業部隊は帰社する時間帯で報告をすることが多く、バックオフィスメンバーは一度気分転換をしたいと思う時間帯だと思ったからです。
個別に話をするときに、打ち合わせスペースは有効的なんです。

また、お菓子や飲み物を持ち込んでいいということをいっていたので、変に構えることなく、腹をわって話をすることが多かった。
1人10分ぐらいですが、毎日それをやることによって社内のコミュニケーションも活発化した。

そうすると、会議でも自分たちの意見を持ってくるようになり、お互いにより良い方法を探そうとして、必死に討論をすることができる。
本気で知恵を絞るからこそ、色々な意見が出てきて面白くなる。

専門家なりの意見をいう人もいれば、素人的な角度で切り込んでくる人もいる。
できない、やれない、無理という言葉は自然に消えていったような気がする。
逆転の発想を身につけたのもこの時期かもしれない。

部下の話を最後まで聞け!

いろいろな上司を見てきましたが、私が一番印象に残っている上司は、
部下の話を最後まできちんと聞いてくれた上で、お前ならどうする?と考えさせる人でした。
決して答えを教えてくれませんでしたし、アドバイスもありません。

常にお客様の立場に立って考えれば自然と見えてくるよというのが、口癖でした。
お客様の感覚をわかるのは担当しているものだけだし、過去の成功体験がそのまま使えるとは限らないし、時代とともに変化をするという考えがあったそうです。

部下との信頼関係を築くには、話を最後まで何もいわずにきくことからはじめましょう。
ついつい、せっかちだったり、オチが見えてしまうと、口をはさんでしまう。
そういうことは今すぐやめてください。

まずはメモを取りながら話を聞いて、問題の本質を探してみましょう。
話が聴き終わったら、どうしたらいいのかを一緒に考えましょう。
場合によっては、同行をして自分のやり方を部下に見せることもあるでしょう。

そうすることによって小さな信頼関係ができてきます。
持論を勝手に展開をしたり、自分の経験を押し付けることは絶対にやめてください。
部下が思考停止になってしまうので、成長をしなくなりますから。

部下に対して〜をしてみたいんですけど、いかがでしょうかという習慣を身につけさせよう。
考えさせるようにしないと、成長もありませんし、成功体験を積むこともできません。
丸投げ型の解決方法の提案は思考停止になり、社畜を育成するだけですから。

組織をつよくする、チームを強くするということについては、マネージャーが個性を見抜いて、長所を伸ばしていく育成方法を身につけるようにしましょう。
マネージャーは心理学、行動心理学などいろいろなものを身に付ける必要があると思います。

天性の才能で出来る人もいますが、優秀な人材ほど出来ない傾向があるのは事実です。
熱血漢型の上司は最近嫌われる傾向にあります。
できるからこそ、いらいらしてしまうのもわかりますが、そこは部下を信頼してみましょう。

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