外国籍採用リーディングカンパニーインタビュー企画「大成」社長のCareerFlyとは-前編
「外国籍人材とともに飛躍する(Career Fly)」
”外国籍人材”を採用する真意とは 外国籍人材採用後進国日本において、積極的に外国籍人材を採用している企業は何を目的としているか紐解く。キーパーソンへインタビューを行い、外国籍人材とともにどのような企業ビジョンを描くか、その飛躍(Career Fly)へのロードマップを深掘りしていくインタビュー企画。
大成株式会社 代表取締役専務 加藤 憲博氏にインタビュー
大学卒業後、三菱UFJリース株式会社に就職。営業として、大企業をメインクライアントとして担当。海外案件などの大規模案件を経験し、大成株式会社に入社。世界で戦うスピード感、多様な価値観や視点を活かし、数々の新規事業・海外事業を企画推進。2019年6月代表取締役専務に就任。
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CareerFly 羽二生知美(以下、羽二生):改めまして、代表取締役専務への御昇進おめでとうございます!心機一転気持ち新たにという感じでしょうか?
大成 加藤憲博氏(以下、加藤氏):ありがとうございます。いえ、どちらかというと、これまでと変わらずにやっていきます。
羽二生:ぜひその「変わらず」の部分を今日はお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
違うことへの憧れから、多様な価値観の受け入れへ
羽二生:御社は、加藤さんで3代目になるかと存じますが、加藤さんご自身、幼少期から、ゆくゆくは大成を継ぐというイメージがおありでしたか?
加藤氏:いえ、逆に最初は継ぎたくなかったですね。美容師とかインテリアデザイナーになると言っていました。(笑)
受験とか、進路を周りが決めていく中で、「お前は道が決まってていいよな」と言われるのがすごく嫌でした。むしろ自分で決めていける環境が羨ましかった。だから、大学卒業後は就活して、自分自身が意思決定した会社へ就職しました。
羽二生:そうなんですか!どうしてその会社に決めたのですか?
加藤氏:正直なところ、内定が一番早くもらえたからです。(笑)
当時やりたいこともこれといってなかった。
でも、すごく面白い企業でした。
大手金融系のリース企業で営業として仕事をしていました。日本の大手企業を相手に仕事ができたので、銀行や商社にできないような企画を組んで、大手相手に相当な規模の仕事ができたのは面白かったです。半導体の担当もしていたので、アメリカや台湾、韓国とのやりとりもありました。例えば、半導体を作る機械を海外で中古で買い、様々な国へ何百台とリースしたりとか。
その会社に入社したタイミングも良かったと思います。2つの銀行が統合したタイミングで、海外拠点や子会社を作ったり、M&Aし始めた時だったのです。
羽二生:そのスケールは確かに面白そうです。でも大国企業相手に仕事をするのは大変ではなかったですか?
加藤氏:大変でしたが楽しかったです。日本企業によくある、自分たちの基準値が正しいというような感覚が合わないので。(笑) 世界のいろんな基準値を知ることができ、自分のキャパが広がり、見える世界が変わることが楽しかった。これって個人でも企業でも同じだと思います。
羽二生:ご自身の価値観・基準値だけが正しいものではないと、何がきっかけで思うようになったのですか?
加藤氏:なんでしょうね。そもそも、若い時から、日本よりも海外の方がかっこいい!というのはありました。かぶれです。(笑) 海外の映画も音楽も好きでしたし、日本にないものがかっこいいという感覚は、ずっとあったかもしれません。
羽二生:なるほど。自分が持っていないものへのリスペクトがあったんですね。お話をお伺いしていると、前職もとても充実されていたようです。どのようなきっかけで、御社へご入社されたのですか?
加藤氏:実は当時、前職で海外赴任の話が出ていたんです。今は、新人が研修のためにも海外にどんどん派遣されていると聞いているのですが、僕らの時代はどちらかというと選抜されて海外赴任が主流でした。海外に行ったら、それなりの地位にもなるし、責任も増える。だからその後すぐにはやめられないなとも思っていました。
そんな時に、ずっと慕っていた祖母が亡くなりました。祖母はずっと僕のことを「三代目、三代目」と呼んで可愛がってくれていました。
前職もある程度やりきったし、祖母への恩返しもしたく、タイミングだなと思い大成に入社しました。
満を持して大成へ。賛同者0。一人で始めた技能実習生事業
羽二生:御社にご入社されたのは2012年ですね。その前後から、御社沿革を拝見すると海外事業が増えていらっしゃるように見えますが・・・これは加藤さんが仕掛け人ですか?
加藤氏:そうです!(笑)
実は、入社する前、森ビルさんとジョイントベンチャー数社で上海事業を手がけていました。これはもともと森ビルさん保有のビルでしたので、自社で取り組んだ新規ビジネスとはいえないかもしれません。
ですので、弊社で新規ビジネスというと、おそらくベトナムですね。
羽二生:ベトナムですか?
加藤氏:実は国から許認可が降りる前から、ベトナム人技能実習生について動き出していました。そもそも、ビル管理の業界は、人件費と管理費の差を利益としています。人件費が上昇している中、少子高齢化が進んでいる日本で、このままでは10年、20年先のビジネスが難しいと思いました。
そこで、目をつけたのが技能実習生でした。ハノイに駐在所を作り、信頼の置ける送り出し機関と組合を見つけ、事業提携をしました。
羽二生:ご自身で送り出し機関と組合を見つけて繋げられたんですか?
加藤氏:そうです。全部自分でやりました。当時、始めた時は役員含め賛同者ゼロでした。(笑)
社内では、外国籍は大丈夫なのか、日本語は話せるのか、誰が教えるのかとか、いろんな声が上がって、全然進まなかったです。(笑)
ベトナム側からも、国の許認可がいつ降りるんだと急かされたり板挟みだったこともありました。でも、なんとか実施でき、初年度に13人の採用に成功しました。
羽二生:賛同者0から13人の採用・・・すごいですね。どのように進められたのですか?
加藤氏:弊社の「人を大切にする」という経営理念を本事業にも反映しました。技能実習生の方々に対して、弊社社員に対する思い同様、社員として大切に接することを徹底しました。
例えば、技能実習生採用の際は、必ず実習生の家庭訪問をします。それから、内定を出した方の親御さん全員に集まってもらい、ベトナム語で書かれた弊社概要を配り、直接ご説明しました。そうすることで、実習生も親御さんも安心してくれました。
それから、なんとか弊社社員主導で日本のマナーやルール、サービスを指導しました。教育できる社員を現地へ派遣し、1ヶ月半教育をしました。技能実習生の方が日本に来る頃には、ある程度カタコトの日本語が使えたり、仕事もある程度できるまでに教育しました。
羽二生:日本語を全く話せないところから、御社で教育されているのですね!その後いざ受け入れてみて、社員の方の反応はいかがでしたか?
加藤氏:いいじゃん!って(笑)
最初に入社した13人が評判良く、現場からもっと入れてくれという話になりました。今年で早14期生になりました。大成だけで140人を超えました。
同業他社にも、この技能実習生のスキームをコンサルティング事業として提供しており、約30社に実習生をご紹介しています。実習生200名となりますが誰一人失踪&逃亡もないです。
中編へつづく..........
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