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COVID-19による外国籍人材の転職動向について

COVID-19による情報やニュース、SNSポストが溢れている中、私自身一切本件について発信はしておりませんでした。しかしながら備忘録として、noteに書いておこうと思います。

外国籍人材の転職支援をしている会社として、今回のCOVID-19はやはり痛手です。(それを回避あるいはカバーするためにもちろん動いていますが)
弊社の場合、サービスとなる商品=人材となります。国内含め世界中から人材を集めている(仕入れ)ことから、感染速度と範囲拡大とともに仕入れに影響がでます。

感染者多数国のTop5に入ってしまう日本へわざわざ今来たいか?というと答えは明解です。
「日本での就業」を選ばなくなる(一時的or今後一切)わけです。
実際に、このような事象が発生するであろうと予測し動いておりますが、やはり一気に日本への就業意欲が低下しているのが現状です。

弊社が把握している限りの事実をここで共有しておきます。

国内組みと国外組みの反応

1)国内組み(日本居住就労者)
勤め先の指示のもと変わらず就業している。転職を考えている方は、通常通り転職活動を継続している。今回のCOVID-19により転職活動を止めよう、もしくは開始しよう、という反応は特になし。平常である。
但し、母国にいる家族は心配しており、帰国を促す投げかけはあるようだ。(311の時よりそこまで強く言われていない印象)
2)国外組み(海外居住の転職活動者)
わかりやすく日本での転職を辞める傾向。理由は、COVID-19の影響を考え、今あえて日本にいくのはリスクだから、という声。これまで、3名中2名が日本での就業を選んでくれていたところ、現在は3名中1名、あるいは0名という状況である。

各国パートナーからのフィードバック

弊社のビジネスパートナーにヒアリングしたことも記載します。

1)イタリア
ヨーロッパ各国からかなり厳しい言われようである。パスタにウイルスが混ざっている、ピザは食べるななど当たりが強い。(風評被害もあり)また、イタリア国籍の方が日本での転職希望は減少するばかり。中国と日本は経済的&距離的(地理的距離の近さ)つながりがあるイメージのため、今のところ中日を転職先に選出することは避けている。実際にそのような声を求職者からも聞く。

イタリアに関しては、国の要請により3週間前から学校やパブなど公共施設や運営を一斉にクローズ。その後のスーパーマーケットやコンビニなどもクローズ検討がなされ、日本より遥かに早い意思決定を国が下していた。これにより日本国の鈍い動きが理解できる。

2)インド
ITエンジニアの転職希望組みの日本行き意向は下降している。10名中7名が日本就業を視野に活動していたが、今は10名中2-3名希望者がいれば良い数字である、とコンサルからの視点。また、インドはつい1週間前からインド入国目的のビザ発給を停止したことから(日本、韓国、イタリア含む感染者の多い国に対して)、国の素早い対応があることも追記したい。

これらのフィードバックから外国籍人材の今後の動向として、
- 国内組みはこれまでと変わらず転職活動者の動きはある
- 働き方が一気に変わっている(リモートの推奨)ことから現在の会社がフレキシブルに制度を変えより良い働き方へ変われば変わるほど現職への定着が図れる
- 家族の強い意向により一部国へ戻る方もいるかもしれない(311ほど多くないと予測)
- 海外居住者はしばらく日本への転職活動をストップする
- よほどの日本好きは関係なく活動継続するかもしれないがごく一部である

ということが実際に起こっており、今後も想定されることです。

そんな中で日本企業の採用ニーズは?

先が読めないという理由から、2-3月に一旦採用をストップする企業もいます。弊社クライアント企業全体の1/3社からそのようなお話をいただいてます。今後のCOVID動向により、採用再開をするか、採用計画軌道修正を図りリスタートするか、今年はストップなにかを意思決定すると思います。但し、変わらず人手不足は解消されていないことから、正社員雇用の選択でなく、非正規での人材採用を促進する流れがでたり、海外から業務委託契約者などを増やすなど新たな試みをチャレンジする企業も増えるかと考えています。

弊社Career Flyとしては、まず求職者の方々(特に海外居住者)へ日本の現状を正しく伝えたい、ということで”現状”をonlineで発信しております。今を実際に知っていただくことで、転職活動に対する意思決定の材料にしていただきたいと思っています。

また、ビジネスパートナーと密に連携し、パートナーコンサルタント自らが日本の現状を積極的に求職者へ伝えることで、「日本の今の現状をわかる」ようにしてもらうよう徹しています。
求職者の方々のわからない状態を少しでも減らし、日本選択を決めてもらうという視点で動いています。(説得ではなく、日本の状況がわからない&知らないのに日本は危険だリスクが高いと判断し日本行きを断念してほしくない。)

COVID-19が逆に追い風となっている?!

外国籍人材雇用に関して逆風ばかりか、というとそうでないこともあります。感染防止方策として、「オンライン活用」「リモートワーク推奨」がかなりドラスティックに進んでいます。

我々の領域で考えると、海外居住求職者を紹介するさいに多かった企業の対応が変わり始めています。

「Face to faceの面談ではなく、オンラインでお願いします。」

このようなご要望が立て続いているわけです。これまでは、必ずface to face面談しか受け付けません!と頑なにお申し出いただいていたにも関わらずです。笑 ということは、海外居住の方々にとってはチャンスとなるわけです。また国内居住者も遠方住まい、あるいは平日面談設定が難しい方もオンライン面接に変わることでかなり”気軽に”面談設定ができます。
こんな些細なこと!とお思いになる方もいると思いますが、我々にとっては些細ではなくかなり重要な変化です。

リモートワークの推奨も、柔軟な働き方を選択している会社として見られるため、外国籍人材から選ばれやすいです。(個人が選択できる働き方が多くあるほど人気が高くなります)

このような変化のきっかけがCOVID-19であることは、決してポジティブではありません。しかし、物事は表裏一体です。悪いこともあれば、良い面もある!

これをチャンスと捉え、我々にしかできないことを愚直に大胆に実施していきます。

キャリアフライCareer Fly 大野理恵

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