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恋する仏像:自分を好きになりたい時にはコレ

【恋する仏像:会田薫】


何も考えずにできていたことが、上手くやろう、失敗してはダメだ、と思った途端、できなくなるのはなぜなんだろうね。

認められたい!と思った途端、今まで通りにできなくなるのは、なぜなんだろうね。

無心になれって、言うけど、そんな簡単になれるものではない。

っていうか「無心」という言葉の意味だって

  1. 邪念がないこと

  2. 金や物をねだること

の2つの真逆に思える意味がある。

これは、2人の仏師の男の子の物語。

人づきあいが苦手な無我と、器用で学校カーストで上位に位置する零雄は幼馴染。零雄に誘われ、無我も子供のころから仏像彫刻を始める。なんでも器用にできる零雄は他にも楽しいことがあり、仏像彫刻以外にも目を向け始める。裏切られたような気持になる無我。それまで零雄に依存していたが心が離れたことで自我が生まれ、仏師としての才能を開花させる。

そしてさらに離れる2人の心。

これは仏様を彫ることで、心を取り戻していく、そんなお話。

自分の価値は、自分で決める。

分かっているけど、なかなかできず、自分が好きになれないなら、コレ。

「自分が嫌い」「自分が好きになれない」どちらも、自分を好きになりたいという心が根底にある。

大丈夫。自分ではイケてないと思うところがあっていい。そのままの自分を好きでいい。自分の心と対話しながら前に進む、そんな気になる物語。



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