この音とまれ!:ひねくれた気分を洗い流したい時にはコレ
【この音とまれ!:アミュー】
今時さ、高校生にもなって、殴り合いのケンカってしないと思うんだよね。
人はドンドン賢くなって、早熟になって、人を殴ったってモノゴトは解決しないと高校生くらいなら知っている。激昂することもないかわりに、熱中して無我夢中になることもそうはない。
朝までゲームすることはあっても、卒業とともに離れる部活に心血を注ぐほどの熱量はない。
「一生懸命」ってなんかダサいしさ。
この物語は、筝曲部(そうきょくぶ:お箏)のお話。
今時珍しい不良の男の子、久遠くんが筝曲部に入るところから物語は始まる。
真面目な部長タケゾー君は最初拒否するんだけど、久遠くんを知って信頼し、切磋琢磨していくっていう、それだけ見たら、陳腐にもほどがあるだろ!っていうお話。今時高校生でこんなすぐ人殴る不良とかいないし、いやそもそも高校生男子がこんなに何人も筝曲部に入らないって、とかそんなすぐに結果が出してたまるかよ、とかツッコミどころは満載。なんだけど、読んでいると号泣してしまう。頭の中に曲が流れる。
こんなに都合よくモノゴトが進捗してたまるかよ、とか、世の中こんないい人ばかりと思ったら大間違いよ!とかツッコミつつ、ちぇっ、たまにはひねくれた色眼鏡を外してみようかな。そう思う物語。
いいなあ。お箏。
子供のころおうちにあったお箏。弾けるようになっていればもっと心豊かだったかな。
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