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気象予報士実技試験対策 最近の災害事例まとめ[令和4年1回目、58回試験対応]

数年前に独学で気象予報士試験に合格。1回目の受験では、一般知識、専門知識共に不合格。2回目は一般知識のみの合格で、専門知識で不合格。学科免除があったにも関わらず、2年放置して再度受験。3回目で一般知識・専門知識試験、実技試験に合格しました。

この記事では、気象予報士試験実技試験で頻繁に出題される最近の災害事例についてまとめたものになります。実技試験では、直近に起きた災害に関連した問題が出題されることが非常に多いのが特徴です。一方独学で実技の勉強をしている方は、既存の参考書や問題集で強調されることのない、直近の災害事例で点数が伸びない傾向があります。私も独学で気象予報士試験を勉強しましたが、このタイムリーな情報に対して非常に苦労した覚えがあります。この経験を踏まえて独学で気象予報士試験を勉強している方のために、最近の災害事例をこの記事でまとめることにしました。気象予報士実技試験でpointになってくるところも紹介しながら事例を見ていきたいと思います。

また一度記事をご購入の方は、記事購入以降もこの記事で最新情報をご覧いただけます。記事が変更された場合は、購入者の方に通知されますのでご安心下さい。

気象予報士の勉強法などについては、

独学で気象予報士試験合格を確実にする勉強法[学科試験編]

独学で気象予報士試験合格を確実にする勉強法[実技試験編]

[気象予報士試験対策]最新の変更情報まとめ(令和3年1回目/56回目試験対応)

にまとめていますので是非一度ご覧いただければと思います。

[2022年,年末年始]日本海側を中心とした大雪の事例

<概要>
令和3年12月下旬から令和4年1月上旬にかけて、日本海側を中心に大雪となり、滋賀県彦根で48時間降雪量が過去最高の78cmとなるなど、特に近畿日本海側で記録的な大雪となりました。 この要因として、高緯度帯の偏西風が強く蛇行して日本付近にまで南下、寒気が流れこみやすくなったことが考えられます。 日本付近への偏西風の南下には、西シベリア上空のブロッキング高気圧が影響しているとみられます。
<天候の状況>
令和3年12月下旬以降、冬型の気圧配置が強まって大陸から日本付近へ寒気が流入しやすい状態が続いたため、北日本から西日本の日本海側を中心にしばしば大雪となり、5地点で48時間降雪量が過去最高を更新しました。特に、近畿日本海側での12月の降雪量は平年比504%と、12月としては2005年(平年比640%)に次ぐ第2位の多雪となりました。また、期間中の平均気温は全国的に平年よりも低くなりました。
<大雪と低温の要因>
この大雪と低温の要因として、高緯度帯の偏西風(寒帯前線ジェット気流)が極東域で著しく南に蛇行し、日本付近に寒気が流れ込みやすかったことが考えられます。寒帯前線ジェット気流の蛇行とともに、北極上空に存在していた極渦(上空の寒冷な低気圧性渦)が分裂して日本のすぐ北にまで寒冷渦が南下し、日本付近への寒気流入を促しました。特に、12月26日頃のアジア大陸から西日本付近への寒気流入は12月としては強いものでした。

12/26 850hpa

上図を見ると、-9℃ラインが日本列島をスッポリと覆うカタチとなっています。一般的には上空1500m(850hpa)付近の気温で-6℃以下が雪を降らせる目安なので、かなり強い寒気が上空を覆っていたことが分かります。
また、地上天気図を見ると、里雪型の特徴が見られました。
里雪型の特徴は、地上の季節風は比較的弱く、地上気圧は等圧線間隔がやや広く日本海に袋状の気圧の谷や等圧線が袋状に湾曲することが見られることが多い。上空500hPaで日本海に寒気を伴う気圧の谷が見られます。

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