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【キャリコン試験対策】論述試験ここが変わった(キャリ協)1/2

 面接試験を受験された皆さまお疲れさまでした。今は様々なお気持ちを抱えてらっしゃるかと思いますが、試験結果が発表されるまで合否は分かりません。最後まで諦めずに結果を待ちましょう。今回は第15回の論述試験の変更点を中心にお話していきます。

1.はじめに

 今回の第15回の論述試験が過去の出題形式から大幅に変更されたことで焦ってうまく解答できなかったというご感想を受験生の皆さまから聞いています。受験会場でざわめきや息を飲む声が聞こえた、終わった後に大半の受験生が落胆した表情で会場を出た等、論述試験のみならず週末の面接試験にも影響が出そうなほどのインパクトがありました。

 まず今回のコラムでお伝えしたいのは次の2点です。

(1)論述試験がうまくいかないと感じているのはおそらく受験生全員
(2)実技試験の点数は本当に結果が出るまで分からない

 上記の(1)については、論述試験の1週間前に当塾の面接対策講座にご参加いただいた受講生の方に「今回の論述試験は変わるかもしれない。変更になるとしたらJCDAと足して2で割ったような問題になるかも」と根拠も一緒にお伝えしていたのですが、それでも試験当日は慌ててしまって「何を問われているのか全く理解できなかった」とかなり落ち込まれていました。事前にある程度の耐性のあった方でもそのような状況でしたから、完全に不意を突かれてしまった受験生の皆さまの心境は計り知れません。今回はおそらく大半の受験生の方がうまくいかなかったと今でも悔しい思いを抱えていることでしょう。だから自分だけが出来なかったとは思わないでください。以下でも解説しますが、まだ希望は十分にあります。

 (2)については、過去の試験結果を見る限り、自己評価(自己採点)と他者評価(試験の点数)が一致していないことがよくあります。特に論述試験はバラツキが大きいです。これにはいくつか理由があると思います。あくまで私見になりますが、次の3つが考える根拠です。

 ①実技試験の採点内容が非公開(事実)
 ②採点者が同一でない(おそらく複数人で採点している)
 ③実技試験自体が絶対評価ではなく相対評価(推察)

 上記の①については、今回の第15回から実技の試験範囲は公開されたものの採点内容(合格基準の詳細)は相変わらず非公開です。論述試験は模範解答の開示もなく、どのように解答すればよいのか未だに示されていません(受験団体としては今後是正すべき点)。つまり受験生が試験後にいろいろと思いを巡らせても残念ながら結果は分からないということになります。

 ②については、面接試験では複数の試験官によって採点されていますので、論述試験においても一人の採点者が受験生全員の答案を担当する「小学校の先生方式」は無理があるでしょう。ある程度の採点基準(配点に繫がるキーワードや全体の構成における整合性や矛盾点・誤字脱字等の確認)があって、複数人による採点が行われていると考えるのが一般的だと思います。実技(面接/論述)試験の採点が加点方式なのか減点方式なのかは分かりませんが、採点者のロープレや論述問題に対する解釈やスキル(知識・技能・経験等)にくわえ、キャリアコンサルティングの考え方(捉え方)等にもよって、結果的にバラツキのある配点になってしまっていると思います(公正さの観点からも今後受験団体が是正すべきと考える点)。

 ③については、キャリコン10万人計画が背景にあります。これはご存知の方も多いと思いますが、2024年度末までにキャリコンを10万人まで増やそうという厚生労働省の数値目標です。ここからはあまり大きな声で言えないのですが(あくまで私見による勝手な推察)、たとえば今回のように論述試験が受験生にとって予想以上に難しかったとしましょう。もし絶対評価なら平均点は下がり、合格基準を下回る受験生も増加します。これで困るのは誰でしょうか。受験生はもちろんですが、数値目標という名のノルマが課せられている某省庁の皆さまも同じです。「それでは次の試験を簡単にして合格者数を繰り越しましょう」これでは次回の合格率が跳ね上がります。受験者数によっては100%を超えてしまうかもしれません。ただでさえ1回分の試験をスキップしたノルマが今回(第15回)加算されています。学科試験と比較すると実技試験の合格率が安定して高止まりしている理由はこれなのです(詳細は今度別コラムで解説します)。

 結局何を伝えたいのかというと、現時点で受験生の皆さまが落ち込む必要は全くないということです。今回の論述試験がいくら難しかったと感じていても受験団体としては相対評価にせざるを得ないからです。だから合格発表まで結果が分からない今、暗い気持ちで過ごすよりも、少しでも明るく前向きな気持ちでお過ごしいただきたいと思っています。

 あと、書き始めたら「はじめに」が予想以上に長くなってしまい、失礼いたしました。2/2の本題に続きます。(ジャン・一)

【補足】上記の内容は受験団体の公式見解でありません。あくまで私見に基づく勝手な解釈になりますので、ご承知置きください。

【出所】厚生労働省「キャリア・コンサルタント養成計画について」https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000052927.pdf (202.11.19アクセス)



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