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『聴けずのワカバ』(番外編)RPケース103藤本雄大さん

読了目安:約8分半(全文3,406文字)※400文字/分で換算

 *キャリコン・技能士の学科・論述・面接試験対策を希望される方は

先日のライブ配信の相談者役ケース103の「藤本雄大」さんの設定について、時系列と背景(ロープレ小説)をご紹介したいと思います。
以下noteにて、CCtとCLの逐語風に今回の設定をまとめておりますので、ぜひ皆様ご覧ください!

CL情報


対象のRP動画

時系列

【22歳】4年制大学卒業に現在の玩具メーカーに就職(現在の商品企画部に配属)
24歳】プラモデルの商品担当から現在のカードゲームの担当へ変更
28歳】3か月前に上司が部長へ昇進し、新しい上司の元で働くことに(現在)

背景(ロープレ小説風)

「本日はどのようなご相談でいらっしゃいましたか?」

「私、今玩具メーカーで働いているんですが、上司と合わないことが悩みで相談に来ました」

「上司と合わないと思われているんですね。合わないというのは」

「はい、定期的に1one1ミーティングをやっているんですが、納得いかないことが沢山あって・・・」

「納得がいかないことが沢山・・・、どんなことがあるんでしょうか」

「・・・先日の1on1でもこんなことがありまして」

内省シーン(回想シーンみたいな感じです)

1週間前

上司(課長)「では今日も早速始めていくけど、何か話したいことある?!」

藤本「あ、はい、まずは先月お話した部長への提案の件なんですが」

「??えーと、何の件だっけ?」

「いや、新しい企画の予算取りの件で課長から部長に話してくれるって」

「ああ、あれか、ああ、ちょっと今月忙しかったからまだ話してないよ。俺も忙しいからさ。部長と話すタイミングがなかったわ」

「でも前回の時、翌日の会議で会うからその時話しておくと・・・」

「ああ、まあ、そんなこと言ったっけ?次会った時言っておくからいいだろ。他になんかないのか」

「・・・そうですか、ではお願いします。他にということであれば派遣のAさんのことで気になることがあります」

「おいおい、また面倒なことじゃないだろうな。そんなの派遣会社に言っとけよ。俺は忙しいんだから無理だからな」

「は、はあ、でもこの前派遣会社の人が来た時に少し話そうとしたら、それは課長を通してくれないと困ると言われてしまって」

「なんだよ。お前、俺に仕事を押し付けるんじゃねえよ。前から言おうと思ってたけど、お前そういうとこあるぞ」

「そういうところと言うのは・・・」

「お前なんか暗いじゃん。仕事もやってるのかどうか分かんねえし、口ばっかり達者でやること何もやってねえじゃん」

「・・・!!」

現在(面談場面)に戻る

「そのようなやり取りがあったんですね。その時はどう思われましたか」

「正直、絶句して何も言葉がでませんでした。確かに今の上司は3か月前に赴任してきたので、私のことをまだ分かっていないと思います」

「分かっていないと思われているんですね。それはどんなところでそう思われるのでしょうか」

「実は、上司は我々の働いている現場にいるわけではなく、今は暫定で遠隔地から仕事をしているので、普段会うことはなく、やり取りは全てリモートで行っているんです」

「離れてお仕事をされていると」

「だから、私が日頃何をしているか、どんな仕事をしているのか直接見ていないので、分からない部分もあると思います」

「その状況についてはどのように感じていますか」

「うーん、やはりよくないですよね」

「よくないというのは」

「この状態が続くようだと意思の疎通も難しいから、仕事もやりづらい。そのうえ自分のことをあまり評価してもらえていない気がして・・・」

「意思の疎通も難しく、仕事もやりづらいと。評価されていないというのはどのようなところで感じますか」

「先ほどお伝えした1on1でのやり取りもそうですが、自分が考えた企画も他の人にやらせようとしているところでしょうか」

「それはどのようなことなのでしょうか」

「先日も私がずっとあたためていた企画を上司に提出したら、これは君よりも他の人にやってもらった方がいいと言われてしまって・・・」

「その時はどう思われましたか」

「モチベーションがぐっと下がりましたね・・・、前の上司の時はそんなことがなかったので、驚きました」

「モチベーションが下がったんですね。ところで前の上司の方のお話を聴かせてもらってもよいでしょうか」

「あ、はい。前の上司、実は今の部長なんですけど、課長時代に直属の上司でとても面倒を見てもらいました」

「面倒を見てもらったというのは」

「たとえば一緒に徹夜して企画書作ったり、ここを変えるともっとよくなるといつも的確なアドバイスをしてもらったりしていましたね」

「当時はその部長さんに対してどのように思われていましたか」

「そうですね。社内で唯一信頼出来る人というか、尊敬している人というか、いわゆるロールモデルってやつですかね」

「ロールモデルなんですね。尊敬と同時に唯一信頼ともありましたが、今はいかがでしょうか」

「・・・今は部長が部全体を見ているので、さすがに私個人と直接やり取りすることはできません。必ず課長を通さないといけないので」

「課長を通さないというのは」

「部長は『気にせず何かあったら俺に直接言ってこい!』って言ってくれてますけど・・・」

「けど・・・」

「課長がそのあたりについては厳しくて、必ず俺を通せと言ってくるんです」

「その課長をご覧になっていかがでしょうか」

「・・・あまり大きな声では言えませんが、器の小さい人間だなと思います」

「器が小さい」

「はい、今の課長は前の部署にいたんですけど、部長が昇進したことで空いたポジションに入ってきた人なんです。最初は大雑把で大らかな人かと思ったんですけど、一緒に仕事したらやたらと細かいし、感情的だし、人の気持ちが分からないし、とにかく私とは合わない人です」

「そうでしたか。1on1の時のお話も伺っていたので、冒頭でおっしゃっていた合わないというのはそういうことでしたか」

「はい、今までこんなに合わないと思った人は社内にはいませんでした。もっと仕事に邁進したいのに残念です」

「合わない人はこれまでいらっしゃらなかったんですね。ところで今邁進したいお仕事とおっしゃいましたが、今更ですみません。現在、商品企画のお仕事をされていると思いますが、どんなことをされているのでしょうか」

「はい、玩具メーカー、つまりおもちゃやゲームを作っている会社なんですが、そこで弊社が販売する新しい商品を考えている仕事ですかね」

「ありがとうございます。邁進したいというそのお仕事をされていていかがでしょうか」

「そうですね。私は入社以来、今の部署にいるんですが、元々この仕事をやりたいと思って入社したので、本当に良かったと思っています」

「商品企画の仕事がやりたいと思われていたんですね。差し支えなければその頃のお話を聴いても宜しいでしょうか」

「はい、子供の頃からプラモデルを作るのが好きだったんですが、大学の時もその熱が冷めやらずに、そのまま今の会社に就職したって感じですね」

「そうだったんですね。どんなところが好きだったんですか」

「子供の頃から人と話すのがあまり得意ではなかったんですけど、昔から手先は器用で、プラモデルだけは仲の良い友達からいつも作って欲しいと言われていました。人付き合いも苦手だったし、プラモデル好きの数少ない友人だったんで、お願いされた時は本当に嬉しかったな。それにプラモデルってただの部品に過ぎない材料が一つの作品になっていく過程がたまらないんですよね」

「そうだったんですね。今のお仕事にも通じるものはあるのでしょうか」

「・・・うーん、どうかな。今はカードゲームの商品企画なので、熱量は前ほどではないかな」

「前ほどではない」

「入社した時はたまたまプラモデルの商品企画を担当させてもらえたんで、それはもう頑張りましたよ」

「頑張られたんですね」

「でも、その後、今のカードゲームの担当になって、何だか物足りなさを感じていますね」

「物足りなさとは」

「・・・うーん、なんでしょうね。今はもう消化試合というか、惰性というか、積極的に何かをやろうとは思えてないですね」

「消化試合、惰性、何かをやろうと思えてない。それはどういうことでしょうか」

「一応、それでも前の上司がいた頃は、自分なりに頑張ろうと思って仕事をしていましたよ。でも今の上司が来てからですかね。一気にやる気がなくなったのは」

おわり

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