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途中まで更新『聴けずのワカバ』(番外編)RPケース108「松井美佳」さん

読了目安:約6分(全文2,632文字)※400文字/分で換算

 *キャリコン・技能士の学科・論述・面接試験対策を希望される方は

先日開催したライブ配信の相談者役ケース108「松井美佳」さんの設定について、時系列と背景(ロープレ小説)をご紹介したいと思います。

以下にて、今回の設定をCCtとCLの逐語風にまとめております。実技試験対策にも有効だと思いますので、受験生の皆様ぜひご覧ください!

CL情報


対象のRP動画関連

時系列

【20歳】専門学校卒業後、会計事務所に就職
28歳】結婚を機に退職し、長男誕生
50歳】専業主婦になって22年、現在に至る

背景(ロープレ小説風)

「本日はどのようなご相談でいらっしゃいましたか?」

「私、今専業主婦なんですけど、そろそろ仕事をしようかなと思って相談しに来ました」

「そろそろ仕事しようかなぁと思っていらっしゃいていただいたんですね。
そろそろ仕事しようかなぁというのは?」

「はい、子育ても一通り終わって、そろそろ何かやりたいなぁと思って考え始めました」

「そろそろ何かやりたいなぁと言いますと」

「結構長いことを専業主保やっていたので、そろそろかなという感じですかね」

「ありがとうございます。一通り子育ても終わられたと仰っていましたが、
それはどういうことでしょうか」

「長男が3月に大学卒業するんですけど、内定をもらったこともあって4月以降、家を出るみたいなんですよ。それでですかね」

「それでなんですね。長男の方が家を出るというのは松井さんにとってはどういうことなのでしょうか」

「うーん、そうですね。一区切りついたって感じなんですかね」

「一区切りついたという感じなんですね。一区切りと言いますと」

「子育てがこんなに長くなるとは思ってなかったんですけど、それもなんだか終わりかなあ、っていう気持ちですかね」

「終わりかなぁと。子育てがこんなに長くなると思ってなかったというのはどのようなことでしょうか」

「何度か仕事を始めようかなって思った時もあったんですけど、結局そういう機会もなくっていうところですかね」

「そういう機会もなく・・・そういう機会もなくというのは差し支えなければ、どういうことだったんでしょうか」

「たとえば息子が小学校に上がるタイミングとか、高校に入る時もじゃあ仕事しようかなっていうタイミングがあったんですかね」

「その時はそういうタイミングあったけれども、結局その時にお仕事をされなかったのはどうしてなのでしょうか」

「これがね、今考えてもよくわからないんですよね」

「よくわからない・・・よくわからないんですね。よくわからないというのは」

「良かったような、悪かったような・・・」

「それはどういうことなのかお聞かせいただけますか」

「子育てが楽しかった部分もありますし、息子の成長をずっと見てこれたっていうのは本当良かったと思うんですけど、ただ世の中の同世代の女性と比較した時に果たして良かったのかなと思ってしまったりして」

「果たして良かったのかなぁと。果たして良かったのかなぁと言いますと」

「そうですね。たとえば子育てしながら、社会人としても立派に勤め上げている人たちもいる中で、私は何をしてたのかなって思う時もありますね」

「何をしてたのかなと思う時もある。社会人として勤め上げてるというのは」

「子育ても大事だし、大変なのにそれに加えて仕事もこなしてるっていう感じなんですかね」

「繰り返しになるかもしれませんが、そういう方々をご覧になってどのように思われますか」

「少しおいてけぼりみたいな感じがあります」

「おいてけぼりみたいな感じ。差し使えなければどのような感じなんでしょうか」

「うーん、私だけなんか取り残されているっていう、そんな感じなんですよね」

「取り残されている。取り残されているというのは」

「社会に出てない時間が長かったので、私は中で時間が止まってるみたいな」

「時間が止まってる。時間が止まってると言いますと」

「特にこれといったキャリアを積むわけでもなく、毎日変化のない日常を送ってきて、これで良かったのかなぁと」

「これでよかったかなあと。松井さんにとってキャリアを積むというのは」

「やはり社会に出て仕事をするっていう感じなんですかね」

「社会に出て仕事をするというのが、松井さんにとってキャリアを積むということなのですね。ところで専門学校を卒業されてお勤めになったときのことを教えてもらっても宜しいですか」

「はい、実は私、通っていた学校とは全く関係のない仕事に就いたんです」

「そうでしたか。会計事務所とは全く関係がないというのは」

「・・・なんか言うのも恥ずかしいんですが、調理の専門学校だったんです」

「お話いただきありがとうございます。調理の専門学校から会計事務所にお勤めになったことを聞かせていただいても宜しいですか」

「うーん、実は元々調理の専門学校も行きたくていったわけじゃなくて・・・」

「行きたくていったわけじゃない」

「当時、親がめちゃめちゃ厳しくて早く家から出たかったんですが、大学行くのはお金もかかるし、大変そうだったので、ひとまず専門学校かと。そしてすぐに手に職をつけられそうなのは調理学校かなと、それで決めてしまいました」

「そうでしたか。今、決めてしまったことについてはどのように思われますか」

「・・・浅はかでしたね」

「浅はか」

「だって実際、調理の勉強してみたけど、全然楽しくなくて。それでとりあえず就活してましたけど、もう調理のことはいいかなって」

「いいかなと。就活のときのお話を聞かせてもらっても宜しいでしょうか」

「はい、あのときはとにかく早く就職しないといけないって焦っていましたね」

「どうして焦っていたんですか」

「・・・また親に怒られるんじゃないかって。だからどこでもいいから内定もらえそうなところに就職しました」

「そうでしたか。そのことについては今どのように思われますか」

「・・・やっぱり浅はかだったのかな。なんかずっとそういう人生だかなと思いますね」

「そういう人生」

「今、こうして振り返ってみても、学校入った時も、会社に入ってからも、そして専業主婦も自分が望んでるかっていうと、ちょっと違うなって」

「ちょっと違うと思われてるんですね。ちょっと違うっていうのはどういうことなんでしょう」

「違うかあ・・・うーん、望んでたこと・・・考えてみたらそもそも私にとっての望みが何かっていうのもありますけどね」

つづく

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