【キャリコン試験対策】論述試験ここが変わった(キャリ協)2/2③※受験生の再現解答あり
3.【本題】15回の論述試験ではどこが変わったのか?(相違点)
(3)設問(第15回)
①冒頭の注意事項
※注意事項:解答は全て解答用紙の行内に記入すること。裏面等に記入したものは採点されません。
※第14回:同一(変更なし)
②設問1
設問1 事例記録の中の「相談の概要」(略A)の記載に相当する、Zさんがこの面談で相談したいことは何か。面談記録を手掛かりに記述せよ。(10点)
※第14回:該当する設問なし。ただし、問題文に「来談の経緯」の記載はあり。
②設問2
設問2 事例記録の下線Bについて、このケースを担当したキャリアコンサルタントがどのような意図で質問を行ったと考えるかを記述せよ。(10点)
※第14回:以前は以下のように質問(応答)自体を問われているが、今回は指定された質問の意図性を解答する問題に変更され、問題の難易度が上がっている。ただし、配点に変更はない。
設問1 逐語の空欄Aで、キャリアコンサルタントとしてあなたならCL1の発言を受け、どのような応答をするか記述せよ。(10点)
③設問3
設問3 あなたが考えるCLの問題(①) とその根拠(②) について、CLの言動を通じて、具体的に記述せよ。(20点)2×10点
※第14回:以前は以下のようにキャリアコンサルタント視点での相談者の問題を問われているが、今回はさらにその根拠を示す内容に変更され、問題の難易度が上がっている。また、その影響で配点が10点から20点に上がった。
設問2 キャリアコンサルタントとして、あなたが考える相談者の「問題」を記述せよ。(10点)
④設問4
設問4 問3で答えた内容を踏まえ、今後あなたがこのケースを担当するとしたら、どのような方針でキャリアコンサルティングを進めていくか記述せよ。(10点)
※第14回:以前は以下のように「提案の要点(目標設定)」と「働きかけ(方策)」を問われているが、今回は「方針(目標設定)」と「キャリアコンサルティングの進め方(面談のプロセス※目標設定と方策は含む)」に変更され、問題がより実務的な構成になっている。しかし、解答用紙の行数は第14回の9行から第15回では6行に減っており、配点も30点から10点に低下した。
(1) Zさんに対しどのような提案を行うか。逐語の空欄Bに入る、あなたが考える提案の要点を2つ記述せよ。
(2) 設問3(1)で解答した2つのうちいずれかを選択して、キャリアコンサルタントとしてあなたはこの面談で、この後どのような働きかけを行うか、具体的に記述せよ。
4.まとめ(第15回論述試験の各設問の取り組み方)
以下の内容は受験団体の公式見解でありません。あくまで私見に基づく勝手な解釈になりますので、ご承知置きください。
(1)設問1
問われているのはあくまで「相談の概要」であり、「来談目的」ではない。設問にも記載されている通り、「面談記録を手掛かりに」最後まで事例記録を読み込んで解答すべし。
(2)設問2
事例記録の「所感」にもカッコ書きで記載されている(キャリアコンサルタントの見立てと今後の方針)をふまえて、設問4と整合性が取れるように質問の意図性を解答すべし。
(3)設問3
記述したキャリアコンサルタントからみた相談者の「問題」に対して、抜け漏れがないよう必ず対応している根拠を解答すべし。
(4)設問4
第14回までは「この後どのような働きかけを行うか」という設問であったため、「働きかけ=方策」と解釈し、「方策は次の5点である。(1)・・・」のような記述が一部推奨されていた。
しかし、今回の設問は「どのような方針でキャリアコンサルティングを進めていくか」に変更されている。素直に受験団体の意図を汲み取るなら「方針=目標設定」であり、「進めていくか=方策までの面談のプロセス」と解釈するのが妥当であろう(厳密にはどちらが正解かは判断不能である)。
また、既に公開されている「CC試験 試験科目及びその範囲並びにその細目(公示用)」の8~10ページは一度確認しておくことが望ましい。特に9ページの「5) 意思決定の支援①②③」は面談のクロージングをイメージできる具体的な支援方法が記載されている。
(5)参考資料:受験生の第15回論述試験の再現解答
5.所感
今回の試験から出題形式が大幅に改定されたが、方向性は悪くないと思う。以前のコラム【キャリコン実技試験対策】お金をかけずに一人でも勉強できる3つの学習法!(受験団体共通)でもお話した通り、「論述試験は面談記録を書く予行練習であるべき」という考え方を具現化しているからです。第15回の出題形式で慣れてくると解答がそのまま面談記録として使えます。まさに即戦力としても通用する実務レベルのフォーマットなのです。
しかし、最後に受験団体への苦言を申し上げておきます。本来ここまで出題形式が変わるなら事前に告知すべきだったと考えます。当日の受験生の反応をみてもそれは分かったはずです。さらに私が試験前に受験団体へ直接電話で確認した時に「特に変更はない」と言っていたのは一体何だったのか。過去問3回分を学習教材として公開しておきながら、全く違う問題を出すのは真剣に学んでいる受験生に対する冒瀆ではないのか。やはり「受験生に試験を受けさせてやっている」という傲慢な姿勢の現れだと言わざるを得ません。今後、受験団体には本来顧客であるはずの受験生に寄り添った試験制度の確立を切に願います。(ジャン・一)
引用・参考文献
キャリアコンサルティング協議会「過去問題/学習情報」https://www.career-shiken.org/about/learninfo/ (2020.12.5アクセス)
キャリアコンサルティング協議会「CC試験 試験科目及びその範囲並びにその細目(公示用)
」https://www.career-shiken.org/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/past-03.pdf(2020.12.5アクセス)
【キャリコン実技試験対策】お金をかけずに一人でも勉強できる3つの学習法!(受験団体共通)https://note.com/career_counselor/n/n0a75d9b5987d?magazine_key=mbc96db458640(2020.12.5アクセス)
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