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理論家まとめ②エドガー・H・シャイン

シャインシャインって言ってたけど、エドガー・H・シャインなのか。
フルネームで呼ぶと何か専門家っぽくてカッコいいな。

エドガー・H・シャイン
アメリカの心理学者
1928年~

失礼だけど、最初に思ったのが…
い、今も生きている!
そして、見た目なかなか渋い!

組織内キャリア発達理論

シャインは(やっぱり長いのでエドガー・Hは言わない)「組織心理学」という言葉の生みの親。

組織でのキャリアに焦点をあてて、「組織と人は相互に作用しあって成長していく。人は成人を過ぎても成長し続ける」という組織内キャリア発達理論を提唱しました。

シャインはキャリアを「外的キャリア」と「内的キャリア」の2軸で考えた。

外的キャリア:仕事の内容や実績、組織内での地位
内的キャリア:仕事に対する自分なりの意味付け、価値観、働きがいなど

そして、シャインの組織内キャリアの発達理論では「内的キャリア」が「外的キャリア」実現のための基礎になるものだとした。

組織内のキャリア段階的発達

シャインは人が生きている領域には以下の3つのサイクルがあって、それらが相互に影響しあって成長しているとしている。

  1. 「生物学的・社会的」サイクル

  2. 「家族関係」サイクル

  3. 「仕事・キャリア」サイクル

そして、「仕事・キャリア」サイクルについて、個人と組織の関連性から、組織内のキャリア段階的発達として9段階にまとめた。
これは大人になったら社会に出て、家族を持って収入を増やし、定年になったら引退するなど、社会的・年齢的な段階の影響を多く受ける。

▼「仕事・キャリア」サイクル▼

①成長・探索・探求
0~21歳
職業を選択するために、自分の価値観を見つけ、能力を開発するための教育を受け、体験を重ねる準備段階にあたる時期。

②仕事の世界へのエントリー
16~25歳
初めて組織に入り、職業に就く時期。組織における仕事の仕方を学びながら、自分の立ち位置・役割を見出そうとする。

③基本訓練
16~25歳
仕事およびメンバーシップの現実を知って受けるショックに直面しながらも対処し、徐々に組織メンバーとして定着していく。

④キャリア初期
17~30歳
責任のある仕事も徐々に任されるようになる。独立を求める自己と従属させようとする組織の葛藤が生じやすい時期でもある。

⑤キャリア中期
25歳以降
組織の中で明確な立場を確立していく時期。スペシャリストかジェネラリストかの方向性が決まる重要な時期でもある。

⑥キャリア中期の危機
35~45歳
仕事を通じて、自分の価値観や能力をより明確に理解する時期。再認識した価値観を重視するか、現状に留まるかの葛藤が生じやすい時期でもある。

⑦キャリア後期(指導者役or非指導者)
40歳~
引退十分な経験を積み、後輩育成など指導者的立場を担う時期。

⑧衰え及び離脱
40歳~
引退能力のミスマッチや体力・影響力の衰えにより、組織から少しずつ距離を置き、引退の準備を考え始める時期。配偶者とより親密に暮らす方法を学ぶ。

⑨引退
後進に道を譲るため引退をする時期。それに伴う様々な変化を受け入れ、新しい生き方を模索する時期。

キャリアコーン

外的キャリアは円錐形の「組織の3次元モデル」であるキャリアコーンで表すことができ、具体的に3つの方向性があるとしました。

①高さ:垂直方向=職位や職階を上がる(下がる)
②円周:水平方向=職能での移動=ジョブ・ローテーション(営業部から経理への異動など)
③半径:組織の中心方向=部内者化または中心性(中心に行けば行くほどより重要な情報にアクセス可能になる)

キャリアアンカー

キャリアアンカーとは船の錨のアンカーから来ていて、個人のキャリアの中で譲ることができない最も重要な価値観のことで、以下の3成分が複合的に組み合わさった自己概念としている。

コンピテンシー:自覚された才能と能力
モチベーション:自覚された動機と欲求
バリュー:自覚された態度と価値

そして、キャリアアンカーは8つの分類があります。

①特定専門分野/機能別コンピテンス(専門性や技術の向上)
②全般管理コンピテンス(組織の中で重要な地位・責任ある役割)
③自律/独立(自分で独立することや規則に縛られずに自律的に仕事する)
④保障/安定(安定的を求める)
⑤起業家的創造性(新しいものを作り出すこと)
⑥奉仕/社会献身(社会を良くしたり他人に奉仕する)
⑦純粋な挑戦(困難な課題に挑戦すること)
⑧生活様式・ライフスタイル(仕事とプライベートとの調和・バランス)

キャリアアンカーは人生経験を積んで洞察を増すにつれて、安定してきます。

キャリア・サバイバル

ここまで外的キャリアをキャリアコーンで表せて、内的キャリアはキャリアアンカーなどで確認ができますが、それらを踏まえて職務と役割の戦略的プランニングのツールとして「キャリア・サバイバル」があります。

プランニングのステップは以下の6ステップです。

ステップ1 現在の職務と役割を棚卸する
ステップ2 環境の変化を識別する
ステップ3 環境の変化が利害関係者の期待に与える影響を評価する
ステップ4 職務と役割に対する影響を確認する
ステップ5 職務要件を見直す
ステップ6 プランニング・エクササイズの輪を広げる

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