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世田谷記念病院オンライン連携会イベントレポート

こんにちは!入退院業務を支援するクラウドサービス「CAREBOOK」です。
今回の記事では、CAREBOOKをご利用いただいている世田谷記念病院様(以下敬称略)が開催されたオンライン連携会に弊社もお招きいただいたので、その様子をイベントレポートという形式でお届けします!
*会中の資料については、世田谷記念病院より掲載許可をいただいた内容となります。無断転載はご遠慮ください。

1.連携会の概要

今回の連携会は、2021/7/19にオンライン会議システム「Zoom」を利用して開催されました。世田谷区二子玉川にある回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟を持つ146床の病院で、近隣からの転院患者さんを積極的に受け入れています。
昨今の感染症流行のなかで顔を合わせた地域内での連携会がなかなか開催できない中で、世田谷記念病院はオンラインでも積極的に自院の情報発信をされており、オンライン連携会は今回で2回目の取り組みとなるそうです。

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今回のオンライン連携会では、まずは事務長の手老様よりご挨拶いただいた後、リハビリテーション科課長の長谷川様から世田谷記念病院でのリハビリテーションの取り組みを、在宅医療部長の佐方先生から地域多機能病院における在宅医療部の役割をそれぞれお話しいただきました。
その後はZoom上でのグループディスカッション機能を用いて、各グループで世田谷記念病院のスタッフの皆様がファシリテーターとなり講演の振り返りや質疑応答を行った後、最後に武久院長より今後の地域連携の展望やその中での自院の役割についてお話をいただき、予定していた時間はあっという間に過ぎていき閉会となりました。
今回のイベントレポートでは、連携会の中で講義いただいた世田谷記念病院でのリハビリテーションの取り組みと、在宅医療部の役割について取り上げたいと思います。
<参加病院様(敬称略)>
奥沢病院、聖マリアンナ医科大学病院、城西病院、東京慈恵会医科大学附属病院、東急病院、東京女子医科大学病院、荏原病院、東京医療センター、東邦大学医療センター大橋病院、日本赤十字社医療センター、都立広尾病院、川崎市立多摩病院、やまと診療所武蔵小杉、NPO法人おうちの医療研究会

2.リハビリテーション科の取り組みの紹介

まずリハビリテーション科課長の長谷川様より、世田谷記念病院でのリハビリテーションの実績や取り組みについてご紹介をいただきました。
世田谷記念病院の回復期リハ病棟では、全国平均よりも多い単位でのリハビリを提供していることや、重症度の高い患者さんの受け入れも積極的に行っていることが特徴です。

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その中でも、入院においてはメリハリのある生活を患者さんに過ごしていただくことを常に念頭に置いており、各病棟に配属されたリハスタッフが常に多職種で話し合いながら、患者さんとの関わりを持って実生活に近い環境でのリハビリテーションを行なっていることをご説明いただきました。

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また退院後には外来リハビリや訪問リハビリを通じたサポート体制も充実しており、入院時から退院後まで一貫して患者さんの生活に寄り添ったサポート体制を整備されているのがとても印象的でした。

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続いて入院中のリハビリ内容について、長谷川様より「運動麻痺」「歩行」「嚥下」「排泄」「離床」「高次脳機能障害」「目的別リハビリテーション」の7つの取り組みのご紹介をいただきました。(今回の記事では講演中のスライド内容をいくつか抜粋してご紹介させていただきます)

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どの内容も図表や写真、動画付きでとても分かりやすく、ご参加された病院の皆様に取って世田谷記念病院に患者さんを紹介するイメージを持っていただけるような内容になっていました!
リハビリの内容については多くの質問もなされ、参加者の皆様が世田谷記念病院における取り組みに関心を持っていることが画面越しからも伝わってきました。

3.地域密着型多機能病院における在宅医療部の役割

次に在宅医療部長の佐方先生より、世田谷記念病院における在宅医療部の役割や診療内容についてお話をいただきました。

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在宅医療部は、2018年4月から新設された新しい診療科。
世田谷記念病院は自宅復帰を目指す病院ですが、退院後も訪問診療を行い、経過をみることができたらよいのではないか?という思いから在宅医療部はスタートしており、在宅療養支援診療所とは異なる役割の在宅医療を行うことに強みや価値がある、という立ち上げのきっかけから佐方先生のお話が始まりました。

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世田谷記念病院の在宅医療部では、「退院直後のサポート」「自宅療養の安定」の二つを特に重点項目として設定しており、入院中の主治医の診察、訪問リハビリの強化など、退院後の状態を把握し必要に応じて介入する取り組みを行なっています。
具体的には、以下の5つの取り組みを在宅医療部の特徴ご紹介いただきました。
①入院病床(バックベッド)の確保
②訪問リハビリ部門の併設
③リハビリテーション専門医の訪問診療
④外来での検査・処置対応が可能
⑤管理栄養士の介入が可能

いずれも世田谷記念病院があるからこそ出来る取り組みばかりであり、退院後も患者さんのフォロー体制が万全であることがよくわかる内容でした。

続いて、対象とする患者さんの具体例を用いながら、在宅医療部に引き継いで退院した後のケース紹介が行われました。

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このような患者さんに在宅医療部が関わることで、
・退院直後には、訪問リハビリを集中実施
・入院中の主治医と在宅医療の専従医が交互に診察
・高次医療機関との併診時には定期的な情報提供
などが行われ、結果として「退院直後のサポート」「自宅療養の安定」がより確実に行われている、というお話をいただきました。
また、世田谷記念病院では入院時から在宅医療に関するスクリーニングが行われているそうです。候補になりそうな患者さんのカンファレンスには入院中から在宅医療部のスタッフも出席し判断を行ない、退院時のご家族へのご説明や医療者間での申し送りもスムーズに行えるような体制も万全であるなど、まさに病院をあげて在宅医療部の活動が行われているのがとても良くわかる内容でした。

最後に、佐方先生より改めて在宅医療部のミッションとビジョンについてご紹介をいただき、発表は終了となりました。

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入院生活だけでなく、退院後も含めた治療体制が取られていることは、まさに世田谷記念病院が掲げられている「地域密着型多機能病院」を体現する取り組みであり、こちらも発表終了後は多くの方からご質問が飛び交っていました。

オンライン連携会を終えて

会の最後に、本会を主催いただいた世田谷記念病院の武久院長より、今後の地域医療連携を近隣病院様とますます深めていきたいこと、また今回のような連携会の場を定期的に持っていきたいという旨のご挨拶をいただき、オンライン連携会は無事に閉会となりました。

対面での連携会がなかなか開催できない状況の中でも、オンラインで充実したコンテンツをライブ配信し、多くの病院に向けたPRやコミュニケーションを取られていた今回の連携会は、今後の他の医療機関にもとても参考になる活動のように感じられました。
世田谷記念病院様、今回はお招きいただき誠にありがとうございました!

*こちらのイベントレポートを読んで世田谷記念病院の活動についてもっと深く知りたい!という方は、こちらよりお問い合わせください。
電話番号:03-3703-5100(担当:事務長 手老様)


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