見出し画像

退院時共同指導料2について(2020年改定版情報)

こんにちは!入退院業務を支援するクラウドサービス「CAREBOOK」です。

今回の記事では、入退院支援に関する診療報酬をご紹介します。

最初に取り上げるテーマは、退院調整業務とも深い関わりのある「退院時共同指導料2」についてです。(2020年改定時点の情報をもとに記事を作成しています)

「退院時共同指導料2」とはどのような内容?

退院時共同指導料2を一言でまとめると、「入院中の患者さん(またはそのご家族)に対して、入院医療機関の医療スタッフと在宅療養担当医療機関の医療スタッフが、共同で退院後の在宅療養について指導を行い文書による情報提供した際に算定できる加算(原則1回・400点)」です。

「入院医療機関の医療スタッフ」の定義ですが、2018年の診療報酬改定から医師及び看護職員以外の医療従事者等が共同指導をする場合も評価対象となるように見直されました。

画像1

在宅調整をする患者さんがいる病院にとっては、算定件数増加を狙っていきたい加算の一つですね!

多機関共同指導加算について

 退院時共同指導料2の加算要件として、「多機関共同指導加算」が存在します。

【加算要件】3者以上と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として、2,000点を所定点数に加算する。(3者の定義…下記図表の注3に載っているひとたち。入院中医療機関を除いて、3者を集める必要がある)

加算の対象になる医療・介護機関関係者ですが、

・在宅療養を担う医療機関の医師又は看護師等

・歯科医師又は歯科衛生士

・薬剤師

・訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)

・介護支援専門員

・相談支援専門員

と算定用件では定義されています。複数の医療機関関係者を集めることは業務上の負荷も大きいことが予想されますが、患者さんの情報を在宅療養に関わる医療機関で情報共有できることは、患者さんにとって大きな価値のある取り組みになると思います。

診療報酬も追加で2,000点と、1件あたりの収益が非常に大きい加算点数になりますので、条件が合えば算定を狙っていきたいところです。

退院時共同指導料2の算定の現状

算定できていない要因について調べてみたところ、「対象者がいないため」、次いで「在宅療養担当の医療機関の職員の共同が困難であるため」が多い理由でした。

スクリーンショット 2021-05-21 15.32.51

「在宅療養担当の医療機関の職員の共同が困難であるため」が多い理由という点については、詳細な原因が気になるところですが、双方の医療機関が多忙な中での日程調整や事前の情報共有が困難である、といったことが予想されますね。

その他の情報としては、

・共同指導を行った職種は看護職員が多かった。

・いずれの職種も1回の共同指導に20分~60分未満かけることが多い。

・特に看護職員は他職種に比べて要する時間が長い傾向にあった。

ことが、厚労省が行っている調査結果から報告されています。このあたりは医療機関ごとの事情によって変わって部分も大きいですが、他院の状況も含めて運用構築を考えたいところですね。

画像5

オンラインでの退院時共同指導について

退院時共同指導料は、「ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。」と算定要件に記載されています。具体的には、ZoomやTeamsなどのオンライン通話システムを用いて退院時共同指導を行うようなイメージでしょうか。

一方で、2018年のデータではありますが、実際にオンラインでの指導で算定できている医療機関はほとんどないようです。

スクリーンショット 2021-05-21 15.41.22

ビデオ通話を用いた共同指導を行っていない理由としては、「ビデオ通話に対応できる環境がないため」「ビデオ通話を用いた共同指導を行う必要性がないため」が多いようです。リモートワークやオンラインでの研修などが当たり前になった時代では、この辺りの事情も大きく変わっていますが、退院調整部門でのオンライン活用は現在どのくらい進んでいるのか気になりますね。

スクリーンショット 2021-05-21 15.41.03

オンラインカンファレンスの現状については、CAREBOOKのユーザー病院様からのご意見も踏まえつつ、改めて今後の在り方についてこちらのnoteで考察していきたいと思います。

「私たちの病院ではこのようにオンラインカンファレンスをやっています!」「オンラインカンファレンスを行う際にこのような業務で困っています!」などがあれば、是非CAREBOOKにもご相談いただければと思います。

まとめ

・退院時共同指導料2とは、入院中の患者さん(またはそのご家族)に対して、入院医療機関の医療スタッフと在宅療養担当医療機関の医療スタッフが、共同で退院後の在宅療養について指導を行い文書による情報提供した際に算定できる加算(原則1回・400点)のこと。

・2018年の診療報酬改定から、医師及び看護職員以外の医療従事者等が共同指導をする場合も評価対象となるように見直された。

・3者以上と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として2,000点が別に算定可能。

・退院時共同指導料は、オンラインで行った場合でも算定可能である。

*参考資料

※上記リンクより、「平成30年度診療報酬改定の概要(医科1)その2」に入退院支援に関わる改訂項目が紹介されています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?