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第2部が第1部を補完する『チェンソーマン』#121話 吉田ヒロフミがデンジにアサを紹介した理由

こんにちは。
こんなタイトルですが今回もあまり第一部と絡めた考察になってないです。あとめちゃくちゃ個人的な解釈です。

『チェンソーマン』121話までのネタバレと、『さよなら絵梨』のネタバレもあるので読んだことがない人はブラウザバックしてね。







1、吉田ヒロフミの素性について


この121話で吉田ヒロフミが世間一般に言う超常識人であることがよくよくわかった気がします。なぜなら吉田は嘘をつくキャラだとわかったからです。

1ー1、吉田ヒロフミの本心と嘘(演技)

第二部の初回に登場した“委員長”のことを思い出して欲しい。委員長はアサに嫉妬して嫌っていたが、田中先生に「アサの友達になってやれ」と言われたからアサの友達になろうとしていた。
“アサと仲良くする”という行為は委員長の意思ではない。委員長の意思に反して、委員長はアサの友達になるために“演技”をしてアサと仲良くなろうとした。
読者である私たちにもそういう経験はある。たとえ嫌いな相手であっても、嫌いであることを悟られないように演技して日々を過ごしている。それが穏便に、“普通”に生きていくために必要だからだ。
つまり演技をすることは“普通”に生きていくために必要なスキルであり、その“普通(演技)”が出来ることが世間では普通なのだ。(委員長のように“普通(演技)”が嫌になって演技をやめた瞬間、普通ではない非日常として“戦闘“になるという流れは出来すぎていて凄い)

さて、吉田ヒロフミについてだが、
彼はたぶんこの“演技”に秀でたキャラクターなのだとこの121話を読んで思った。
吉田はデンジと話すときと、アサと話すときでキャラ変している。吉田の一人称が俺だったり僕だったりするのはキャラ変のせいだ。いや、キャラ変、というのは語弊があるか。言い方を変えよう。吉田は相手によって態度を変えている。吉田は相手の動向に敏感で共感するのが上手く、同調することで相手を操作しようとしているのだ。

吉田はアサの「一人の方が生きやすい」に共感して今までに見たことがないくらいぺちゃくちゃ喋ったあと「デンジくんと関わるのはやめて欲しい」と言った。
そもそもアサが「一人の方が生きやすい」と言ったのだから、アサが誰かと関わろうとしているわけではないことはだいたい想像がつくのに、それでも吉田が「デンジくんと関わらないで」と伝えたということは、読者から見れば「マジのガチで関わるなよ!!!」というかなり強い忠告のように感じる。
言われたアサからしてみると、自分でも一人の方が生きやすいと言ったし、それを吉田に共感されてしまったので、吉田の要求に逆らうことが出来なくなってしまう。
つまり吉田はアサが自分の要求に従ってくれるように話の流れを作ったわけで、吉田がアサに共感したのは完全に演技(嘘)だということだ。結局、吉田の本心は「デンジくんと関わらないで」しかわからない。

吉田はデンジに対しては得意先の社長くらいに良い待遇で接待もどきのこともしていた(サラリーマンの素質もあるのでは?)吉田はデンジが食べ物に執着があることを第一部で知っていたからファミレスに連れていったんだと思われる。
しかし吉田はデンジが悪魔退治をしている理由が全く理解できなかったので、(今回のアサに対してしたような)“共感する”という演技ができなかった。だから吉田はデンジに何も言うことができず、奢るだけ奢って説得に失敗してしまった。(デンジの時もアイスコーヒー頼んでたしコーヒーが好きなのかな???)デンジがケーキを食べているときに吉田が「それは」と言いかけて言葉を飲み込んだのは、共感ではなく否定の言葉が出そうになったからだと思われる。

1ー2、吉田がアサとデンジを引き合わせたクセに「関わらないで」と言った理由について

たぶん吉田は相手を操作することにかなりの自信を持っていると思う。
吉田は校門の前でアサに告白されたことで、アサが自分に惚れていると知って、アサなら操作しやすいと感じたのではないだろうか。なぜなら相手が自分に“好意”を持っている場合、自分の意思に従ってくれる可能性が高いからだ。(これについては水族館でアサとデンジが互いに好意を持ったことでお互いを支配しあっている(意思を泥棒された)ことからも明確)
デンジくんが「俺がチェンソーマンなんだ」とアサにネタバレした時も吉田はジェスチャーでアサにサインを送り、アサは無意識にそれを感じ取って「デンジはチェンソーマンではない」と判断してしまったのではないだろうか。アサ自身は本当に無意識で気付いていないが、嫌いなデンジとどちらかと言えば好きな吉田のどちらを信用するかと言えば問答無用で吉田を信用するのも無理はないだろう。
これらを考慮すると、吉田はデンジが「チェンソーマンだとバレてモテる」という夢を砕くために、わざわざ自分に好意を持っているアサをデンジに引き合わせたと考えられる。
吉田はデンジに対して表向きは「今すぐ彼氏が欲しい子を紹介した」わけだが、吉田の本当の目的は「チェンソーマンだからモテるわけではない」ということをデンジにわからせたかったのではないだろうか。
おそらくアサがデンジに「ダサっ」と言ったところまでは、吉田が思い描くようにアサが動いてくれたが、
しかしアサは突然予想外の動きをする。
デンジとの水族館デートである(まさか水族館デートまで吉田の想定内だなんて事はあるのか?もしそうなら怖すぎる)
今回吉田が「デンジくんと関わらないで」と釘を刺したのは、これまでデンジに好意がなさそうだったアサがデンジと水族館デートをするという、予測不能な動きをしはじめたので念押ししたかったのだと思う。吉田が戦争の悪魔に気付いているのかどうかについては不明。


1ー3、吉田の幸福論について

「ひとりの方が生きやすい派(以下「ひとり派」と表記します)」を代表して言わせてもらうと、吉田は絶対に「ひとり派」ではないと思います。先程書いたように、アサに共感したのはアサを操作するためです。
まず言わせてもらいたいのが、「ひとり派」の思想ヤツが公安(公安というのは噂なのでデマの可能性あるが)に所属して悪魔と戦うわけがないんですよ。
「ひとり派」について言いたいことは山ほどあるんですが、長くなるので簡潔に言います。ぼくの100%外れる予想ですが、吉田には多分、守りたい人がいます。なんとなくそんな感じがします(超雑)今後の動向がめちゃめちゃ楽しみ。

2、「吉田ヒロフミ=死の悪魔説」浮上について

SNSでは吉田が四騎士の絵画の死の悪魔のポーズと同じだと話題になった。
個人的には吉田はタコの悪魔を使役しているので、死の悪魔ではないと思っているけど、もし死の悪魔だったら?と仮定して考察します。

2ー1、吉田=女性説

もし吉田が四騎士なら女性である可能性が高い。
なぜなら四騎士のマキマさんもナユタもヨルも飢餓ちゃんも女性だからだ。
そもそも悪魔に性別はあるのか?という疑問を持ったのが第一部のパワーちゃんである。デンジはパワーちゃんとお風呂に入っても「エッチな気分にならない(意訳)」と感じていた。これについては別のnoteで書くが、“ある一方の側面だけで解釈”してみると「そもそもパワーちゃんに性別はない」と読むことも出来る。たまたま乗っ取った体が女性だっただけで、悪魔そのものに性別はないのではないか、という仮説である。
悪魔に性別が無いにしても、現にチェンソーマンに登場する四騎士のうち三騎士は女性なので、悪魔は女性の身体を好むのかもしれない。これについても別noteで考察したい。
(そんな中でポチタが男であるデンジを選んだのはものすごいレアケースなのかもしれない)

3、吉田ヒロフミの「さようなら」について

「さようなら」という字面を見ると短編『さよなら絵梨』を思い出してしまう。
第二部の初回(98話)で短編『さよなら絵梨』のオマージュとも思える“爆発”のシーンがあった。また、優太のお母さんが実は優太に虐待をしていたことが判明しており、お母さんにも絵梨にも表と裏の顔があったことが“ネタバレ”されている。ほとんどの人は他人には表の顔しか見せない上に、見る側は美しい部分しか見ようとしないという、痛烈な皮肉を描いた短編だった。この皮肉は第二部のチェンソーマンにも通じているため、『さよなら絵梨』をベースに考察する。

3ー1、文字通りの「さようなら」

『さよなら絵梨』では主人公の優太がお母さんと絵梨に決別するために「さよなら」という言葉を使って爆発させている。
吉田が「さようなら」と言ったあと、帰り道でアサの目の前に人間が落ちてきたので、吉田がアサを消すために仕掛けた可能性大。

3ー2、第二部の支配者

かなり突拍子もない考察をする。
「さよなら」という言葉を使った人物は映画製作者の優太が放った言葉である。
僕はこれまでの感想にも、
吉田がマキマさんのような雰囲気を醸し出していてマジで腹立つ、というようなことを延々と書いてきたわけだが、第一部でマキマさんのいたポジションに、第二部では吉田がついたと仮定してみると(腹立つ)吉田が『チェンソーマン』という物語の“監督”という立場についたということになる。
第一部ではマキマさんの意のままに物語が進んでいた(それをデンジがぶっ壊した)
なので第二部は吉田の掌の上で物語が進んでいくのかもしれない。というかすでに吉田が引っ掻き回している感がある。







以上です。
他気付いたことがあったら追記します。


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