見出し画像

9年間離れてたグループを再び追うようになった話。

以前noteで、自分が今まで触れてきたアイドル遍歴を簡単に紹介したが、
今回は「1度ハマったあと離れてしまったグループを、9年後に再び応援するようになった話」を掘り下げて書いていく。

そのグループの名前は「アンジュルム」(2009年結成。2014年12月までの名前はスマイレージ)。

以下、そのグループと自分との関わりを色々と書いていく。


【男子高校生、スマイレージにハマる】

自分は1994年生まれの28歳なのだが、話は2012年、高校3年生17歳の時に遡る。

それまでジャニーズが好きでジャニーズばかり聞いていた自分だったのだが、中居くんの番組にゲストで出ていたモーニング娘。がハロー!プロジェクトへの入り口となった。

流行していたAKB系列とは違う実力主義、つんく♂氏による複雑で癖になる楽曲、自分の幼少期から長く続いている歴史、そして時代を先取りしたフォーメーションダンスとEDMサウンド、そのすべてが興味深かった。

そしてその流れで同じハロプロに属するBerryz工房、℃-uteなども掘っていき、今回の主題であるスマイレージを知る。

その頃のスマイレージは結成して3,4年経ったハロプロで1番の若手グループ。初期メンバーが2人抜け、2期メンバー4人が入った合計6人。初期メンバー4人時代のファンが減っていって、11thシングル「好きよ、純情反抗期。」が自身最下位の週間7位を記録したところだった(奇しくも自分が当時1番好きだった曲がその曲である)。

後に人気の下降期と呼ばれる時期ではあったが、それとは裏腹に、カワイイ系なのだがカワイイだけでないコミカルで癖のある楽曲の良さ、パフォーマンスのクオリティ、2期含めたメンバー達のキャラクター、グループの波乱万丈の歴史を知れば知るほど、それらにくぎ付けになり、いつしかハロプロのグループの中で一番感情移入していくようになった。

(ちなみに特定の推しメンがいたわけではなかったので6人ともみんな好き〜!!という感じだった)

【スマイレージの現場に行く】

ハマったとは言え、ただの高校生であった自分にはそこまで行動力はなかったし、そもそも芸能人というのはテレビの向こうの違う世界にいるものだと思っていた。しかし、卒業して春休みに突入したとき、あまりに時間があったので、ついに意を決してハロプロのアイドルを見に行く決心をする。

地元静岡で行われた宮本佳林ちゃんが出演するイベントを見に行った時に、アイドル、そして芸能人というのが同じ世界にいる存在だということを初めて知り、驚愕した。

そのあと、初めて現場遠征をしたのがスマイレージ13thシングル「旅立ちの春が来た」ミニライブ&握手会だった。

会場のサンシャインシティ噴水広場。

初めてスマイレージを見たわけだが、それはもうめちゃくちゃ感動した。まず実在するということについて。そして、かわいいということについて。そして、パフォーマンスについて。そして観ているファンがめちゃくちゃ熱狂的だということについて。そしてそして以下略。

画質が時代を感じる。

なけなしの金でCDを買い、握手券を2枚ゲットしていた。ライブの興奮そのままに、初めてアイドルと対面する。

6人が並んでいてその前を順番に進んで握手していくのだが、初めてのことすぎて和田彩花さんに「ほんとありがとうございます!!(何に?)」と顔も見ずに深々とお辞儀したり、田村芽実さんに「!!!!…歌上手いね!!!(何様)」と言ったり、そういう焦りまくった記憶だけは残っている。

ただ、1周目で福田花音さんに「同い年だよ!!」と言ったら、2周目で「あ!同い年!」って言ってくれたことが嬉しくて、人はなぜ握手会に通うようになるのかという理由がそこでちょっと分かった。

在宅オタクが現場の喜びを知った1日だった。

その1週間後には、翌日にスマイレージが出るイベントがあることをネットで知り、何も知らない友達を突然誘って始発で見に行った。そしてモーニング娘。の静岡公演と、静岡でのリリイベにも参加した。

【アイドルから離れる】

現場に初めて行った高3の春休み期間を終えて、社会人になった。
そして、なかなかアイドルを応援するには不向きな場所に引っ越してしまったため、現場には行けなくなってしまった。

14枚目の「新しい私になれ!/ヤッタルチャン」がリリースされてそれを配信で買って鬼リピしたという記憶はある。その頃までは普通にファンだったと思う。

が、趣味であるバンド活動に本腰を入れるようになったため、バンド音楽ばかりを聴くようになり、いつの間にかアイドル自体から離れてしまった。

その後、グループは「アンジュルム」に改名した。めちゃイケのタイアップが付いたことを知って「大器晩成」を聞いてみたり、やたら博多弁を連呼する曲がスーパーで流れているなと思って調べたら「糸島Distance」だったということはあったが、ほとんど楽曲に触れないまま9年経ち、2022年になった。

【ハロプロとの再会】

2022年の自分は坂道グループを応援するようになって4年ほど経っていた。そして忘れもしない10月2日、乃木坂46の番組「新・乃木坂スター誕生!」の未視聴回が溜まってきたなと思い、Huluを開いた。

そしてまず後藤真希さんがゲストに出ていた回を見ようと思った。「坂道とハロプロが交わるの?!」と思いびっくりして視聴するとモーニング娘。「Mr. Moonlight 〜愛のビッグバンド〜」プッチモニ「BABY! 恋にKNOCK OUT!」などを乃木坂の新メンバーと一緒に披露していたのだが、長らくハロプロの曲を聞いていなかった自分にはつんく♂楽曲はかなり懐かしく新鮮に聞こえた。

すぐに元のMVをYouTubeに見に行った後、関連動画からモーニング娘。の初期・黄金期・青空期・プラチナ期・カラフル期…と昔聞いていた曲たちを気が付けば見まくっていた。

数年ぶりに聞く曲たちを改めて、色褪せない素晴らしい作品たちだと感じたあと、次の疑問が浮かぶまであまり時間は掛からなかった。

「今のモーニング娘。ってどうなってるの?!」

そこから壮大なネットサーフィンが始まった。気が付けば1日中彼女たちの動画を見ている自分がいた。未知なる9年の歴史と作品はどれも輝かしいものだった。それが何日か続いた。

その自分を客観視した時に感じたのは、長らくハロプロを見ていなかったことへの後悔と、きっと自分はハロプロに戻って、ここを本拠地にして生きていくだろうなという確信だった。

そう思ってすぐにTwitterのアカウントを作り、情報収集しようと試みた。

そして実は各グループが秋ツアーの真っ只中であることを知り、それが終盤であること、スケジュール的に来週末に行われるモーニング娘。の長野公演にならなんとか行けるかもしれないことが分かった。

「行くか行かないかは行ってから考える」を座右の銘として生きているため、長野遠征は行ってから考えようと思った。

【アンジュルムとの邂逅】

10月29日、静岡から車を3時間走らせて長野の会場に到着した。
本当に来てしまった…という気持ちだった。全てが思いがけずに事が進み、勢いのままに気が付けばそこにいた。

会場の雰囲気もファンの装いも物販のシステムも、直前まで通っていたグループの現場と全然違うことにビビりながらも、一生懸命予習してきたセトリへの期待を胸に会場に入った。

結果、モーニング娘。はあまりにすごかった。本当に来て良かった。
ほとんどMCもないまま全力でパフォーマンスして、色んな表情で魅せて、そして10年前に聞いていた曲も初めて見る曲も全部素晴らしかった。
(モーニングについても機会があれば記事にしたい)

終演後、このままライブを見ただけですぐに帰るのはあまりに寂しいと思ったのと、先に書いた通り「自分はハロプロを本拠地にするんだろうな」と思っていたので、語れる友達が欲しいという理由で年齢が近そうな人を探した。

会場周りをうろうろしていたら若そうな集団を発見した。当然、喋ったこともない知らない人だから、話しかけようと思ったけどなかなか話しかけられずにいた。しかし、どうやらTwitterをその場で交換しているような会話が聞こえたので、ならまだ繋がってない自分が声をかけてもいいのかもしれないと思い、その人達に話しかけた。

記憶が確かなら、「すみません…自分まだハロプロにハマって2週間くらいなんですけど、現場に初めて来てぼっちなので、もしよかったら…」みたいなことをいきなり言い出したと思う。

すると不安をよそに「Twitter繋がりましょ!」と言ってくれた。6,7人いたが、みんないい人達だった。本当に嬉しかった。その中の1人だけが、「夜のアンジュルムの公演は見ないんですよね」と言っていたので、なら2人でそのあいだ時間潰しませんか?という約束をした。

しかし、その人が別のファンの人と話しているとき、突然何かに気付いたかのように全力で走ってどこかに行ってしまった。早くもお別れの時が来てしまったのか?!と思い、遠目でそれを見ていた自分も思わず追いかけた。

すると、なんとそこは2階のチケット売り場であり、「え、当日券ですか?!」と彼に尋ねたら、窓口の人が「一緒に見られる方ですか?」と聞いてきたので、とっさに「はい!」と答えていた。

恐るべきフッ軽ムーブである。自分自身、当日券の案内をどこにも見つけられなかったので、それを見るということも予習をしてくることも全く発想に無かったのだが、「行くか行かないかは行ってから考える」を信条としていたため、行かない手はなかった。

その彼と「当日券あるんですね!!よかったですね!!」なんて話していた。彼自身もそのタイミングで人づてに当日券の存在を聞いたのだと思う。何より、その彼を見つけて話しかけなければとっくに静岡に着いていたと思うと、この出会いにめちゃくちゃ感謝した。そして、人生何が起こるかわからないなと思った。

さっきまで話していた人たちと会場内で鉢合わせて「あれっ!!来れたんですね??」と言われたが、何より1番びっくりしているのは自分である。かつてスマイレージだった頃の記憶からいきなりタイムスリップしてきて10人のアンジュルムを見る。果たしてどんな公演なのか、期待が膨らむ。

そしてライブが始まった。2期・3期・4期メンバーの3人(竹内朱莉さん、佐々木莉佳子さん、上國料萌衣さん)しか知らず、アンジュルムの曲もほぼ知らない状態だった。

が、すぐに「見に来てよかった!!!!!!!!」と思った。衝撃だった。

竹内朱莉さんはいつの間にかリーダーになっていた。あまりにも長い9年という月日を経ても未だ同じグループの看板を背負っているという事実を目の当たりにした。軽く文章にしているが、何より9年もグループが続いていることが凄すぎる。

そのリーダーの下にいる9人のメンバーもそれぞれ個性的で魅力的なメンバーだということはすぐに分かったし、遠目から見てもそのあまりに熟練されたパフォーマンスとプロのオーラは、流石ハロプロだと感動を覚えた。

セトリ中盤、「新しい私になれ!」が流れた時。どう表現したらいいか分からない感情になった。いや、表現するとしたら、自分はもしかしたらここに来るべくして来たのだろうという気持ちになった。9年ぶりに聞いた曲のイントロから、今見ている10人のグループが、かつて応援していた6人のグループの延長線上にあることを五感で理解した。

メンバーの名前や色すら終盤のMCで知り、それまでたくさんの曲を見てただひたすら感動しながら気付けばライブが終わっていた。

【人生、フッ軽パンタ・レイ】

嗚呼 あんなに あんこはこしあん派の私が
なぜになぜに 粒あんばっか食べてるの?

アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」より

その長野公演から半年後の現在の話。他のハロプログループの現場にも積極的に行くようになり、他のグループの素晴らしさにもどんどんハマっていった。その上で、アンジュルムを1番の推しグループとして応援するようになっていた。長野で見たときに一番目を引いた子は伊勢鈴蘭さんという名前で、気付いたら1推しになっていた。FCにも入ってバースデーイベントにも行った。そしてその日はその1推しとチェキを撮った。

チェキの2部が終わったあと、フォロワーさんと合流して話し込んだ。互いに初めて推しとチェキを撮った感動を分かちあったあと、「今日これが終わったら帰られるんですか?」と聞いた。

すると「明日はアンジュルムの長野公演に行きますよ。まだチケットもあるみたいですね、行かないんですか?」と聞かれた。私の頭の中は「行くか行かないかは行ってから考えます」と答えていた。

翌日は友達と東京でカラオケに行く予定だったが、すぐに電話して「結論から言うね??明日長野に行きたいんだけど!!」とその友達に言った。

アンジュルムの存在を少し前に知り、気になっていたという友達は、最終的には「行ってから考えよう」と答えた。

万物は流転するらしい。ライブを見終わったあと、その友達が「めちゃくちゃ良かった!」「長野に来てよかった!」と答えてくれた時に、それまでの点と点が一瞬で思い出された。半年前に長野で出会った人たちは彼の様子を見て、「半年前のまき君だ!」と言った。こうして、人生はたくさんの奇跡の巡り合わせでできていることが分かった。なんて素晴らしい世界なんだろう!これからもたくさんの素晴らしい場所に、行ってから考えることにしよう。