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これがトヨタの”ニューエントリー”モデル

新型ヤリス・試乗レポート

 昨年に新発売となったトヨタ・ヤリス。使い勝手の良さ&手軽なボディサイズにて、現在も各メーカーが鎬を削る”コンパクトカークラス”にて、トヨタの提案する新たな一手とは、いかに。

試乗協力店・ネッツトヨタ栃木(株)宇都宮台新田店
https://www.netztochigi.co.jp/store_list/utsunomiya_daishinden


■ヤリスとは


 元々、日本国内では「ヴィッツ」として販売されていた、トヨタのコンパクトカーの新型です。実はヴィッツ、外国では「ヤリス」として販売されていて、2020年のモデルチェンジにて「ヤリス」に名称統一が図られました。

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写真は初代ヴィッツ(引用:GAZOO.cow)


 前身となるヴィッツは、現在のハイブリッドカーブームが訪れる前に、ホンダ・フィットに並び、昨今のコンパクトカー人気を押し上げた立役者でした。

 また、基本ポテンシャルの高さ・整備性の良さから、ワンメイクレースやラリーイベントなど、モータースポーツへのエントリーカーとしても人気がありました。 

 そしてこの度、新開発となる1.5リッター・直噴3気筒エンジンに加え、トヨタが展開するTNGAプラットフォームをコンパクトモデルで初採用し、名称もヤリスに統一して新型がデビューとなりました。


■個性際立つ・老若男女問わず対応可能なデザイン


 前後左右・どの方向から見てもセンター軸から展開するデザインを採用する事で、コンパクトながら伸びやかなでスタイリッシュな外観となっています。


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 また、切れ長のヘッドライトと、中央部からサイド・下部へ絞り込むグリル造形、大型のサイドガーニッシュの採用により、車体全体と相まって”スポーティー”な印象を与えるフロントフェイスとなっています。

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そしてなんと言っても、この車を印象付けるのはリアセクション。ボディと分割されたリアコンビランプ&テールガーニッシュに、「ヤリスだ」と一目で分かります。

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 更に、コンビランプが側面まで回り込んでいるのと、リアバンパーの造形によって、リアが張り出している様なボリュームアップ演出にも寄与しています。

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■ドライバーファーストな内装


 運転席は、見出し通り”ドライバーファースト”な印象でした。とにかく、視点移動が最小限で済む設定となっています。
スイッチ類・オーディオディスプレイの高さ、ポップアップディスプレイの採用など、「絶妙な位置に配置されているなー」と実感。

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ウィンドウスイッチも、ハンドルからの移動量が少ない高さに配置されている


 しかし前席は良かった分、後席は残念。車格的に、人を乗せるかは個人差がありますが、リア席はかなり狭いです。

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 身長183cmの私がドライビングポジションをとった状態で、シート間はコブシ1.5個分程。物置と捉えるのがよろしいと思います。

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■キビキビと走ってくれる、可愛い相棒


 今回は上述したエンジン&プラットフォームに注目している為、ハイブリッドではなくガソリン車に試乗。

感想としては、期待以上に走行性は良かったです。

新型の1.5リッター直噴3気筒エンジンは、気筒数が少ない事によるバイブレーションなども特に感じる事はなく。モードセレクトでNORMAL or POWER使用時の加速感はスムーズでした。常用域では問題なく使用出来る性能でした。

 そして、TNGAコンパクトプラットフォームには驚きました。ハンドリングがとにかく軽いっ! そして、低重心化も合わさっての結果と考えますが、とても軽快に走れたイメージです。今回の試乗ルートは路面の凸凹が比較的多いのですが、いなし方もスムーズ。
 また、コースの後半にあった環状線区間において。急加速&スラロームが頻発するシチュエーションおいても、軽やかに走り抜ける事が出来ました。

 ここで僕が思ったのは「ギヤチェンジしながら走りたいー!!」でした。
 エンジン自体は数値で見ると120馬力ですが、回転の上昇がとてもスムーズ。その為、「MTでワインディングを走ったら絶対楽しいだろうなー!」と試乗後に考えていました。

 使い切れるパワーと振り回せるボディサイズ、そしてバランスの良いプラットフォームなど。上述した「ヴィッツ」の様に、モータースポーツのエントリーモデルとしてのポテンシャルもあるのでは?と思います。
 日常使いからモータースポーツの入口まで、1台で幅広い用途を考えさせてくれるトヨタの自動車作りに、改めて凄さを感じました。
 尚、今回のヤリスには6速MTも用意されているのですが、総生産量の4%しか流通していないようです。

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GRパーツを装着したヤリス。コンパクトスポーツに相応しいエクステリアデザイン。

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やはりあった、ワンメイクレース用グレード

(引用:トヨタテクノクラフト(株))


■ニューエントリーに込めた意味


 本記事の題名でもある”ニューエントリー”の意味を、終わりに解説します。

 「このヤリスは、エンジン・足回りを始め、トータルバランスが予想以上に良かったです。」
これは、あくまで車好きな私の感想です。

 しかし、世間的にヤリスの立ち位置はどうでしょうか?
ざっくり言うと、必要最低限の機能は揃っているし、最新のセンシングも付いている。(一部オプション)。ハイブリッドもあって燃費・経済性も良くて~...etc

 そう、「これから車あに触れる人」に丁度いい1台なんですよね!

 実際に担当して頂いた営業さんも言っていました。
「この車を契約してくれるお客様は、主に春から進学・就職する学生さんの親御様が多いですね。」


 また、トヨタも予想してはいなかっただろう、このコロナウイルスによる影響。
公共交通機関を避け、車を必要とする方も増えたはず。
今まで車を必要としなかった方々も、「車に何を求めるのか?」は個人によって当然違うと思います。
その中で特にこだわりが無いという方には、このヤリスはオススメと考えます。

「新たに車に触れる=車への入口=ニューエントリー」

 もちろん、他メーカーにも良い車はあります。
車って服と似ていて、吟味する瞬間も楽しいと私は思っています。

 そこで私個人の願いとしては、このメディアで書いた記事が、誰かの「ニューエントリー」のキッカケになってくれたらと思ってもいます。


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