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12.がん治療でお悩みの方へ綴る《化学療法2》

固形癌の基本は、できるだけ低いステージで全摘出を行うことは悪いことではないと考えます。先ず、三大療法の基本は手術。乳癌の場合は化学療法からの手術というガイドラインになっていたりするみたいな感じもしますが、手術による腫瘍摘出はこの世から消し去る最も分かりやすい手法であり、術者も患者さんも、丸ごと取れるのか? 取れないのか? で将来への展望が大きく変わっていきます。

ご自身の対がん免疫力が発揮できなかった故に発がんが起こったという事実を認識し、そこから急反転して対がん免疫を発揮して消し去るには時間がかかるだけでなく、その間に病状は進行してしまうことが少なくありません。体質改善には時間がかかり、少なくとも3カ月くらいは要すると感じています(全てではないですが)。ですから、安全に全部取れるならそれに越したことはないと思うのです。

だから手術を推奨する、という短絡的なお話ではありません。現代医療も自然療法も自分の人生にとって活用するというスタンスが重要である、ということです。現代医学は即効的ですので、場合によってはその中に化学療法も入りますよ、というお話です。手術という選択肢は、手術をしなければ生存が危ぶまれる場合に限ります。

で、問題は取りきれない場合で、ステージ3に起こりがちな事象です。三大療法の1つが未完で終わる訳ですから、残りの2つを駆使するしかありません。手術で中を見たら転移があった、その瞬間にステージ4となり、手術そのものの意味を失います。試験開腹と呼ばれる状態です。

取り残し部分へは放射線を照射し、化学療法で延命を図ろうとします。放射線に関しては既に述べましたので、化学療法について綴ります。まあ、、言ってしまえば、余り功を奏することはありません。最初から手法は3つなので、狭まる選択肢から選ばざるを得ないのです。化学療法(抗がん剤)についてですが、この先下記のことを書き綴って参ります。

・癌細胞の分裂を阻止する話=生存を阻止すること
・分子標的剤は副作用が少ない話はどこまで本当なのか
・免疫賦活剤は免疫を暴走しかねない話を知っているか
要はどこまで意味があるのか?主治医にエビデンスを確認すべき案件です。

するか、しないかの選択には情報が不可欠です。しかし、専門知識がなければ情報を理解できません。ですから、エビデンスに基づく《数値》を聞くことが必要になります。その数値を聞いて判断するのです。判断は本人がします。納得がいくまで話を聞かなければ治療を受けられないはずです。飛ぶかどうか分からない飛行機に乗れと言われてホイホイ乗るのか? 飛ぶ確率は〇〇%だが乗るか? と示されたら選択しやすいでしょう。命懸けなので真剣に考えなければなりません。

抗がん剤を嫌う患者さんが増えた理由は家族が苦しむ姿を目の当たりにしたとか、ネットの記事や本に良くないという記述を見たとか、ドラマでのたうち回るシーンがあったりとか、色々あるでしょう。自分も悪性脳腫瘍の患者さんに対して抗がん剤を使っていた人間ですので、余りの苦しさでのたうち回る患者さんに掴みかかられたりもしました。そして、こう言われました。

この苦しみに耐えれば治るんですか?

答えられませんでした。そもそもこの質問にYesと応えられる主治医は誰もいません。しかし、Noと言う勇気もありません。背中をさすって「頑張ろうね」となりました。前の記事を忘れたり、読んでいない方に勘違いを起こすといけませんので改めて申しますが、これは固形癌の話です。いいお話はなかなかできませんが、時と場合によっては意味を成すこともある、という話に持ち込もうと思っています。

…つづく

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