リアル系FPSゲーム「Squad」における戦略的要素について

今回はFPSゲーム「Squad」の戦略的要素について考察してみました。
Squadではいくつかのルールがありますが、今回はその中でも定番であるADVANCE AND SECUREというモードを主眼に考察します。

結論から言うと、Squadにおける戦略的要素とは、拠点への安定した味方の前進軸攻撃軸を増やし、敵の安定した前進軸攻撃軸を減らすという点です。

まずは、ゲームルールの勝利条件を確認しましょう。各陣営に設定されているチケットが0になった陣営が敗北し、チケットが残っている陣営が勝利します。
このチケットはある一定の条件を満たす事で増減します。

- チケットが増える条件
1. ゲーム開始時の中立拠点の確保(+20チケット)
2. 敵拠点占領時(+50チケット)

- チケットが減る条件
1.味方拠点が敵に取られた場合 (-20)
2.FOB陥落 (-10)
3.Give up死亡時(自殺含む) (-1)
5.軽車両破壊 (-5)
6. APCとIFV破壊 -10)
7. MBT破壊 (-15)
8.指揮官死亡 (-5)
9.一定数以上の拠点を敵に取られた場合 (1分毎に-1)

このことから、以下のような勝利へのタスクがあります。
1. 拠点を奪取
2.拠点を維持する
3.敵のFOB(HUB)を破壊する
4.敵歩兵と車両の殲滅
つまり、拠点の奪取を中心に敵のFOBを捜索破壊し、敵歩兵と車両を破壊する事が、勝利への最短距離である。

次にSquadのシステムについて考察する。
まずプレイヤー達の出撃場所であるリスポーン地点についてだが、以下の場所でリスポーン可能だ。
1. Main Base
2.FOB(HUB)
3.その分隊でおけるラリーポイント
リスポーンの仕様としては、プレイヤーの体力が0になると、気絶状態に入り、そこから300秒経過もしくは、プレイヤー自身がGive Upを選択したら死亡扱いになる。
蘇生するには、バンテージが1つ必要だ。通常バンテージは衛生兵以外は2つしか持っておらず、さらに復帰後衛生兵が持っている応急処置キット以外では、体力は概ね70%ほどまでしか回復出来ない。
つまり、このゲームにおいては近くにメディックがいない場合は、死亡したプレイヤー達は近くのFOBもしくはラリーポイントからリスポーンし再度出撃する事になる。

続いては、補給という概念の考察になる。
Squadでは3つの補給の概念がある。
1.プレイヤーの弾薬
2.FOBの弾薬数
3.建設用資材
まずプレイヤーが使用した弾薬についてだが、リスポーン時にも引き継がれる。
つまり、死亡する前に弾を撃ち切ってしまった場合は、リスポーンした後も既に弾切れになっているという事である。
プレイヤーが弾薬を補給するには、弾薬箱から回収する必要がある。
弾薬箱は3つの方法で配置可能だ。
1.メインベースにある弾薬箱
2.FOBに建設可能な弾薬箱
3.ライフルマンが配置可能な弾薬袋
ライフルマンが配置出来る弾薬箱は供給可能弾薬が非常に少数であり、これらの補給するにも1ないし2の弾薬箱が必要になる。
ここで大事になってくるのはFOBに建設可能な弾薬箱だ。
この弾薬箱も物質に限りがあり、この物質はMain Baseから供給可能である。
さらに、FOBの建設や有刺鉄線や固定火器の設置等をする際は、建設用資材が必要になる。

最後に拠点のシステムについてだが、Squadが他の拠点争奪系FPSとの最大に違う点は、順番に拠点を取って行かないと、次の拠点を奪取出来ないという点である。
つまりA→B→Cと拠点があった場合、Bを取るにはAを取ってからでないと奪取が出来ないのである。
さらにRAASという毎回拠点がランダムのルールでは、次の拠点が今ある拠点を取ってからではないとわからない為、あらかじめ次の拠点位置に待機して奪取するという方法が出来ないのである。
この特性上、例えば敵が味方拠点を奪取出来る状況下で、先に敵の拠点を味方が奪取する事に成功すれば、敵は先程まで攻撃していた拠点をどうやっても奪取する事が出来なくなり、つまり攻撃の努力が水の泡になる。
これは味方側であっても同じだ。

このことから、拠点の奪取と維持(防衛)を主眼とし、プレイヤーはリスポーンする際は、前線のFOBからリスポーンし、前線のFOB内にある弾薬箱から弾薬を回収し、前線のFOBには定期的に弾薬を供給し、さらに前線が上がった時は資材と弾薬を積んだ車両で次のFOBの建設をする事が勝利への道となる。

これらの事をまとめると、Squadで勝利を掴む為には、『前線にFOBを建設し、味方の出撃地点を確保し、拠点への安定した攻撃軸と防衛ラインを確保し、前線のFOBへ弾薬やさらなるFOB建設の為に定期的な補給をする』
ここで面白いと思う点は、拠点確保という目標を掴む為にFOB建設という目標があり、拠点の強引な奪取という行為より味方のFOBを前線に建設し、敵のFOBを破壊する行為の方が強いという点だ。
拠点奪取という目的の為の味方FOBの建設、敵FOBの破壊という目標が主眼になる点である。
このFOB争奪戦が主眼となる理由は、敵の拠点を奪取後、維持する行為が必要となる点である。
つまり、他の拠点争奪するルールのFPSと違って、がむしゃらに拠点に絡む行為が勝利に繋がるとは限らないという矛盾点である。
では、このゲームにおける戦略的要素とはどこにあるのか?
それはマップ毎における攻略という点である。
要はマップ毎の定番な強い地形にFOBないしプレイヤーが展開出来る状況を選定し、常に複数の敵拠点に対する攻撃軸を用意し、敵プレイヤーのやって来る方向から敵のFOBの位置を予想し、敵のFOBを捜索破壊する事で、拠点の奪取を優位にするという事だ。

最後にこれらの事を踏まえても、Squadというゲームはある意味現実の戦略の知識が非常に応用がきき、拠点奪取という目標はあるが、そのマップにおける味方の前線を戦略的に押し上げるという正規戦争のやり方がまさに重要になってくる。
確かにFOBの捜索と破壊も大事だが、今の味方陣営にとって、必要な行動を取る事が勝利への道である。
つまり、Squadにおける戦略的要素とは、勝利という目的を達成する為の拠点の奪取と維持(防衛)という目標があり、それを達成する為のFOBの建設と破壊という目標がある。
指揮官は、そのマップと現在の拠点から、敵のFOBの位置と次の拠点への敵の攻撃軸を予想し、安定した味方の攻撃軸を増やすという点である。

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