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ハイブランドを着倒す

FENDI 

2月10日、「パラッツォ フェンディ表参道」のレセプションイベントに有名人が集結し話題となったのを見て、先日20年前に購入したFENDIスーツを着てみたくなった。

CHANELの歴史を劇的に塗り替えた1983年より遥か以前の1965年よりKarl LagerfeldはFENDIにてクリエイティブ・ディレクターとして、毛皮をあしらった斬新なデザインで世界を魅了していた。

昭和の時代、動物愛護と毛皮ビジネスは矛盾しながらも共存していた。今は多くのアパレルで毛皮を扱わない、売らないというのが当たり前のように浸透しているが、その昔、ファッショナブルで暖かい素材の防寒着が限られていた時代、毛皮は冬のアイテムとして十分な市民権を得ており、戦後の中産階級にとって憧れの富の象徴でもあった。私が大学生のころ(80年代)、学食でブルーフォックス(親の借り物でない限り、女子大生はシルバーではなく、白いブルーフォックスが多かった)の毛皮を羽織りバッサバッサと闊歩する女子学生が相応数いたものだ。今では信じられない光景だ。あの毛皮、今はどうしているのだろうか。どうやら中古市場で格安で巡っているようだ。

FENDIは、一着だけ冬の白い厚手のウールのスーツを購入したことがあり、それは確か2003年だったと記憶する。シャネルスーツのマイクロミニ丈が席捲した90年代後半のデザインよりは若干長めだがスカート丈はミニ、50代後半の現在、日本ではいい年してやめなさいと、眉を顰められる長さである。

年代によって着てもよい服、着てはならぬ服なんて、誰が決めたのだ?
あまり気にしない質なので、今年もまだ着ることとする。

その昔、CA時代にコペンハーゲンのCHANELブティックに先輩CAに連れられ恐る恐る足を踏み入れたことがある。そこには古くからの顧客と思われる全身CHANELで固めた相当年配のマダムが大切に案内され、シャンパンを振舞われていた。マダムの着ているスーツは当時の私の眼には古めかしく、明らかにKarl様デザインのものではなかったが、手入れが行き届き大切にされているのがわかり、その場を包む威厳のオーラに圧倒されたのを覚えている。その時、良いもの、愛せるものを長く着続けられる自分になりたいと憧れたものだ。

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