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「やる気がない」の分析

学習支援をしていると「やる気がない子」に多く出会います。その子らの成績はあまり良い方ではない印象があります。

「やる気がない」の一言で済ますのは簡単なのでことなので、そこで完結してしまうことがありますが、もう少し「やる気」の原因を分析してみると色々と自分なりの解決策が見えてきました。

レジリエンスの概念

レジリエンスは「回復力」「弾力」「復元力」と言うような「失敗しても乗り越えることができる力」と言われます。(物理学の分野から心理学の用語としても広まりました。)発達障害を抱える子などはこのレジリエンスがあまり備わっていないことが多いです。例えば、ADHDを抱える子は忘れ物が多く、落ち着きがない、など叱られることが多い日々です。結果として、「自分なんかダメだ」と自己嫌悪に陥る生徒もいます。実際私が見ている生徒に「正直毎日死にたいと思っている。」と言われました。本心かはわかりませんが・・・。日常的に叱られる経験が多い中、レジリエンスを高めることは難しいです。いわゆる「成功体験が少ない」と言うものです。学習に置いても同様に問題に取り組み「解けなかった」の後に「別の方法でやってみよう」だとか「間違い直しをしてみよう」などのような思考に持っていくことができません。

上記のようなレジリエンスの概念があり、そこで初めて、「スモールステップ」「成功体験を積む」のような具体的な指導方法があげられてきます。これらはどれも「やってみた」の後に「できた」100%保証しなければならないと私は思っています。児童養護施設の子を見ていると1問でも間違えた瞬間、一気にやる気がなくなるのを感じます。児童養護施設に学習支援に行くと毎度「死ね!!帰れ!!」と言われながら迎え入れられるのですが、これは彼の精一杯のコミュニケーションだと思っています。そんな彼らもやっぱり問題が解けると嬉しいようで文句を垂れ流しながらも解いています。もちろん問題抜粋をし、100%解ける問題を出します。施設で2年間、同じ生徒を見ているのですが、ようやく間違えた時に「は??どこが??合ってるじゃん。」と間違えに対して反抗できるようになりました。大きな進歩です。そのあとは「は?ああ、、、。」といってやり直してくれます。

学校は教科の点数をあげる場所ではない、とは思いますが、点数が上がる=レジリエンスを高めるのは間違いないと思っています。

レジリエンスは学習面だけでなく、これから先の様々な「挑戦」へのハードルをグッと下げてくれます。失敗しても乗り越えることができる感覚は人生にとってとても大事なモノだと私は考えています。


今回はそんな備忘録でした。



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