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②キャリアデザインより先に、ライフデザインを考える

 仕事を楽しくするコツを「心の状態の整え方」「自分を取り巻く環境の整え方」「武器の持ち方・作り方」という3つの切り口でお伝えしたいと思っていますが、その前に考えておくべき重要なことがあります。
 
 それは、キャリアデザインよりもライフデザインを先に考えておくということです。

 前項で「仕事が面白くないと人生の半分はブルー」と書きましたが、これは仕事をしている期間、一般的に「生産年齢人口」といわれる15歳から64歳くらいまでの話。

 しかし、現実は寿命も伸び、65歳以降も30年くらい人生が続く可能性が高くなっています。定年後、家にも地域にも居場所がなく、仕事オンリーだったので家族との折り合いも悪いなんて状態になったら最悪です。

 トータルで「楽しい人生だったなぁ」と思えるように、100歳までの人生をデザインして、今から動く方が絶対良いと思います。このあたりはベストセラー「LIFE SHIFT〜100年時代の人生戦略」にしっかり書かれてあるのでご参考に。
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 私は今から35年前、就職活動の時に「マルチステージな生き方」をしようと思いつきました。
 どうしてそんなことを思ったかというと、やりたい仕事がいくつもあり、全部やってみたいという好奇心旺盛だったといえば聞こえは良いですが、比較的飽き性なのでひとつの仕事を40年も続けられないだろうという考えもありました。
 終身雇用が前提で、まだ転職に後ろ向きな時代でしたから、随分見通しの甘い無茶な考えをしていたと思います。

 その時の私の構想は、22歳から42歳までビジネス、42歳から62歳まで政治、62歳以降はそれまでに学んだことを後世に伝える教育という3毛作でした。

 20年ずつで人生を区切り、その20年間はその分野を全力で走る。
気を付けたのは着手する順番くらいです。
 政治→ビジネス→教育? 教育→ビジネス→政治? どの順番で着手するとマルチステージを実現する可能性が高まるか。
 政治はお金がかかりそうなので稼いだ後の方が良い、教育は「人を育てる」というとても難しいことなので、私自身がそれなりに経験を積んだ後の方が良い、そんなざっくりした方針で、ビジネス→政治→教育という順番を決めました。

 しかし、実際にはそんなに計画通りに上手くいきません(笑)。
リクルートでエンタメビジネスを経験して映画ビジネスにハマってしまい、急遽ビジネスと政治の間に映画(文化)というステージを挟むことにしました。

 その影響で少し人生プランが遅れ始め、ビジネスも楽し過ぎて「もう少し続けたい」という欲が出て、結局「42歳で政治へ転職」が4年遅れて46歳になりました。

 4年遅れて政治の世界に入ったのに、2回も落選したので、さらに4年も人生計画がズレました(笑)。

 ただ、私にとってラッキーだったのは、人生100年時代に突入したおかげで、5年10年のズレは許容できる時間だと思えるようになったこと。
 これまでは62歳から82歳くらいの20年間教育と考えていましたが、その先も10数年ありそうなので、まぁええかなと。

 もうひとつ考え方が変わったのは、ひとつの仕事をやり終えてから次の仕事に移る必要はなく、やりたい仕事を2つ3つ並行してやっても良いという「律儀さを緩和」したこと。
 実際、教育の仕事に携わってみて、教えるだけでなく社会の中で何か動かしていた方が現場最先端のナレッジを学生に伝えることができると感じます。
 私が大学生の頃に感じた「あの先生、毎年同じことを黒板に書き、同じことを教えている」ではなく、社会の進化に合わせて毎年提供できる知をアップデートするには自分自身もプレイヤーとしての側面を持っておいた方が良いと思うのです。
 
 リクルートの先輩 藤原和博さんが著書「100万人に1人の存在になる方法〜不透明な未来を生き延びるための人生戦略〜」の中で、
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「100人に1人しかいないような希少性を持つことを3ステージ達成すれば100万人に1人の価値をもった逸材になれる」と書いていますが(私が各分野で100人に1人の希少性を持つなんて、おこがましい事は思っていませんが)、マルチステージな生き方は自分の存在価値を高める人生戦略としても有効であると私も思います。
 

 なので、仕事は人生を楽しむためにハズせないけど、長い人生の一部でしかないことも事実。「たかが仕事、されど仕事」です。
まずは、キャリアデザインをする前にライフデザインを考えてみてください。

 100歳までの道程を大まかな方向性を描いてみましょう。

 ゴルフに例えると、どこにグリーンがあるか、どこに打つとOBになるか、グリーンにのせるまで何打でのせるか、そのくらいの方針を決めていればOKです。
 その上で、この先に書く「仕事部分」の楽しみ方・コツを読んでもらえると嬉しいです。

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