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ダニエレ・ガンサー著『違法な戦争』第15章 2014年のウクライナに対する違法な戦争①

ダニエレ・ガンサー博士が、国連とアメリカ、NATOの戦争犯罪を暴いた名著『違法な戦争』(2016年上梓)からウクライナ紛争の章を紹介する。
博士は2016年当時すでに今日の紛争激化を予見していた。
第1回は NATO 東方拡大から2008年のブカレストNATO首脳会談まで

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ダニエレ・ガンサー博士はスイスの歴史家、平和研究者。スイス平和エネルギー研究所(SIPER)所長
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2014年にウクライナで勃発した戦争は、一見したところ、ウクライナ人対ウクライナ人の内戦である。したがって、国連憲章によれば、この紛争は国連の管轄外である。国連は実際には国家間の紛争を解決する責任を負うだけだからだ。しかし、よく見ると、米帝も大国ロシアもウクライナ戦争に密かに関与している。本書が出版されている現在も続いているウクライナ戦争は、最終的に安保理の常任理事国であり、核兵器を保有するアメリカとロシアを対立させるという、とりわけデリケートな国際紛争なのである。キューバ危機のように、両陣営は隠されたカードで駆け引きし、ウクライナを自国の影響圏に引き込もうとしている。そのため、ウクライナは親米派と親露派の間で試練にさらされている。

NATOの東方拡大

歴史的にウクライナはロシアの勢力圏に属している。ウクライナは国連の創設メンバーであり、1945年以来、国連総会で独自の投票権を持つ国連加盟国である。しかし、冷戦時代のウクライナは独立国家ではなく、ベラルーシと同じくソ連の構成共和国だった。 そのため、ウクライナは常にモスクワと協議しながら国連で票を投じていた。 ソ連の構成共和国であったウクライナは、NATOの創設に対抗して1955年に結成されたロシア主導の軍事同盟であるワルシャワ条約にも加盟していた。ウクライナ共産党は、ソビエト連邦の唯一の政治勢力であったソビエト連邦共産党と緊密に連携し、ウクライナの政治を動かしていた。1945年から1991年まで、ウクライナはモスクワの勢力圏にしっかりと固定されていた。

ベルリンの壁が崩壊し、ソビエト連邦が崩壊すると、地政学的な世界地図は根本的に変わった。1991年8月24日、ウクライナはソ連からの独立を宣言した。ソビエト連邦の崩壊は、米帝国に東ヨーロッパへの影響力を拡大し、かつてモスクワに支配されていた旧ワルシャワ条約機構加盟国をNATOに加盟させる最初のチャンスを与えた。ポーランド、チェコ、ハンガリーは1999年にNATO加盟国となった。ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニアは2004年にNATOに加盟した。アルバニアとクロアチアはユーゴスラビア解体後の2009年にNATOに加盟した。この拡大により、NATO加盟国は現在28ヶ国となった。(この本が書かれた2016年当時。2023年8月現在は31ヶ国)

ロシア側から見れば、NATOの東方への大規模な拡大は挑発であるばかりでなく、現実の危険でもあった。ロシア人は騙されたと感じた。結局のところ、1989年のベルリンの壁崩壊後、彼らはドイツ民主共和国(GDR)がワルシャワ条約から脱退し、再統一されたドイツがNATOに加盟することに同意することで、ドイツの平和的統一を支持していたのだ。これを可能にするため、ミヒャエル・ゴルバチョフ率いるロシアはドイツ民主共和国から34万人の兵士を平和的に撤退させた。

ドイツの統一は、ヘルムート・コール首相とハンス=ディートリッヒ・ゲンシャー外相によって推し進められた。アメリカのベーカー国務長官は1989年11月、アメリカは再統一に反対はしないが、再統一後のドイツがNATOに加盟する場合に限る、と述べた。当時、ドイツ民主共和国がワルシャワ条約機構を脱退し、ドイツ連邦共和国がNATOを脱退し、統一ドイツはオーストリア、スウェーデン、スイスのように中立国としていかなる軍事同盟にも属さないという興味深い構想もあった。私個人としては、ドイツがNATOを脱退し、ヨーロッパの中立国として自らを位置づけることは正しいことだと考えていた(注524)。しかし、ジョージ・ブッシュ(父)大統領にとって、中立国ドイツは選択肢ではなかった。

1990年にノーベル平和賞を受賞したソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領は、ドイツの統一とNATOへの加盟に同意したが、その見返りとして、NATOがその後さらに東に拡大しないことを要求した。アメリカ帝国はロシア側にこれを確約した。1990年2月9日、モスクワのクレムリンにあるエカテリーナの広間で、ベーカー米国務長官は、NATOの勢力圏をこれ以上東に広げることはないと約束した。ドイツのゲンシャー外相は1月31日、トゥッツィングのプロテスタント・アカデミーでの基調講演で、「NATOの領土が東へ、つまりソ連の国境近くまで拡大することはない」と宣言していた。(注525)

ポーランド、チェコ共和国、ハンガリー、ブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、アルバニア、クロアチアの加盟により、NATOはその後何度も約束を破った。もちろん、これはロシアを激怒させた。「西側諸国の仲間たちは、私たちに何度も嘘をつき、私たちに隠れて決定を下し、私たちに既成事実を提示した」とプーチンは批判した。「NATOの東方拡大や国境での軍事施設の拡張がそうだ」。(注526)

アメリカ人がNATOを拡大しないという約束を破ったことは、NATOとアメリカ帝国の評判を落とすことになるため、西側のNATOメディアではほとんど触れられていない。一部のメディアは、この約束は存在しなかったとさえ報じている。「約束違反は伝説だ」とドイツのジャーナリスト、イグナーツ・ロゾは大胆に主張した(注527)。かつてARDのモスクワ特派員だったドイツ人ジャーナリストのガブリエレ・クロネ=シュマルツは、機密解除された米国務省のファイルによると、1990年2月9日、ベーカー国務長官がミハイル・ゴルバチョフとソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外相に対して、モスクワが統一ドイツのNATO加盟に同意すれば、「NATOの管轄権も兵力も東方には移さないという鉄壁の保証」を与えたことを明らかにしている。ゴルバチョフは当時、「NATO域内のいかなる拡張も容認できない」と述べ、ベーカーは「同意する」と答えた。(注528)

おそらくゴルバチョフは、合意当時はまだワルシャワ条約が存在していたため、その必要はないと考えたのだろう。しかしロシア側にとっては、口頭での保証は拘束力があった。ドイツのハンス=ディートリッヒ・ゲンシャー外相とロシアのエドゥアルド・シュワルナゼ外相の間には、貴重な信頼関係があった。1990年2月10日のゲンシャーとシェワルナゼの会話に関する外務省のメモには、次のように書かれている。「統一ドイツのNATO加盟が複雑な問題を引き起こすことは承知している。しかし、われわれにとって確かなことは、NATOは東方には拡大しないということである」。(注529)

ドイツ民主共和国のドイツ連邦共和国への加盟は、冷戦後最初のNATOの東方拡大であった。しかし、NATOがその後これ以上拡大することはないとロシア側に約束していたにもかかわらず、1990年代にNATOの東方拡大を最も強く推し進めたのは米国とドイツであった。CDUのフォルカー・リューエ独国防相は1993年3月、ロンドン国際戦略研究所での講演で、西側の著名な政治家として初めて公にNATO拡大を訴えた。リューエの行動は約束違反であり、それまでの約束とはまったく対照的であった。「リューエは、ドイツが戦略上、周辺か中心かの二者択一を迫られていると考えていた」と、NATO拡大を提唱したアメリカの政治学者スティーブン・サボはコメントしている。「不安定な隣国を抱える西側諸国の東の国境を形成するか、西側諸国を東に移動させ、自らを中央の位置に置くかである。(注530)

1990年代に入り、NATOに加盟する国が増えるにつれ、ゴルバチョフでさえ、自分がだまされていたことに気づいた。ドイツ、アメリカ、その他の西側諸国は、1990年のドイツ再統一後、NATOは一歩も東に進まないと約束したが、ゴルバチョフは2009年、アルバニアとクロアチアがNATOに加盟した際にこう批判した。「アメリカはこれを守らなかったし、ドイツは無関心だった。もしかしたら、ロシアがうまく騙されたとほくそ笑んでいたかもしれない」と苛立った。このような信頼できない振る舞いが、「ロシア人はもはや西側の約束を信用しなくなった」という事実を招いたのである(注531)。

NATOの東方拡大とともに、アメリカ帝国はカーター大統領の国家安全保障顧問であったズビグニュー・ブレジンスキーの提案に従った。「ブレジンスキーは、「ヨーロッパはアメリカの自然な同盟国である。「ヨーロッパは同じ価値観を共有し、本質的に同じ宗教的遺産を持ち、民主主義の原則にコミットしている。
したがってヨーロッパは、アメリカのパワーをユーラシア大陸全体に拡大するための、『ユーラシア大陸におけるアメリカの不可欠な地政学的橋頭堡』として適している。旧世界はアメリカにとって地政学的に莫大な関心事である」とブレジンスキーは強調する(注532)。

当時、ソ連が崩壊し、1991年7月1日にワルシャワ条約機構が解体した後、NATOもまた深刻な存立危機に陥っていたことを忘れてはならない。冷戦終結後、欧州の平和運動は軍備支出の削減と平和の配当を期待した。個人的には、ワルシャワ条約とともにNATO軍事同盟も1991年に解消されていれば、それを歓迎しただろう。しかし、そうはならなかった。米帝国は、NATOは重要であり、純粋な防衛同盟として存続しなければならないと宣言した。

当時のNATO事務総長代理でCDUのマンフレッド・ヴェルナー元ドイツ国防相は1990年5月17日、ブレーメンで有名な演説を行い、NATOの存続を訴えた。「統一ドイツの中立や非同盟はわれわれには受け入れられない」とNATO事務総長は強調した。NATOの中核的機能は「戦争を防ぐこと」である。われわれの戦略と同盟は専ら防衛的なものだ。今日も明日も、誰も脅かすことはない。われわれは決して最初に武器を使用することはない」とヴェルナーは断言したが、これは後に嘘であることが判明した。彼はまた、ソ連の正当な安全保障上の利益は尊重されると述べた。「連邦共和国の領土の背後にNATO軍を派遣しない用意があるという事実は、ソ連に確固たる安全保障を与える」と事務総長は断言したが、これも後に嘘であることが判明した(注
533)。

当時、NATOが1999年に国連の委任なしにユーゴスラビアを空爆し、2001年にはアフガニスタン、2003年にはイラク、2011年にはリビアとシリアを攻撃する事は知る由もなかった。防衛同盟から攻撃同盟へのこのような展開は、ベルリンの壁崩壊直後には考えられなかったことであり、もし誰かがそれを予測していたとしても、頭がおかしいと思われていただろう。

2008年ブカレストでのNATO首脳会議

ロシアでは実質的にすべての政治家がNATOの東方拡大を否定しており、この立場がロシアにおける外交政策のコンセンサスを形成している。「ウラジーミル・プーチンを非難することは政治ではない」と、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は正しく警告している。「西側諸国は、ウクライナがロシアにとって決して恣意的な外国にはなり得ないことを理解しなければならない」、ロシア人のこうした危惧を真剣に受け止めなければならない、ウクライナは決してNATOに加わるべきではない、とキッシンジャーは言った。ウクライナは長い間ロシアの一部であり、ロシアはクリミア半島のセヴァストポリとフェオドシアに黒海艦隊と2万5000人の軍隊を駐留させている。クリミアにおけるロシア軍の駐留は2047年まで契約上保証されており、モスクワは常に、この勢力圏を手放すことはないと強調してきた(注534)。

しかし、NATOはこれに関心を示さなかった。2008年4月にルーマニアの首都ブカレストで開催されたNATO首脳会議で、ジョージ・ブッシュ・ジュニア米大統領は、ウクライナとグルジアをNATOに加盟させる計画を支持した。「もし中国が強力な軍事同盟を作り、カナダとメキシコをそれに参加させようとしたら、ワシントンの怒りを想像してみてほしい」と、シカゴ大学の政治学者ジョン・ミアシャイマーは後に的確なコメントを残している。ミアシャイマーによれば、西側諸国はロシアを挑発したのだから、ウクライナの戦争は西側諸国の責任だ。(注535)
英国はまた、ブカレストでのNATO首脳会議で、ウクライナとグルジアへのNATOの拡張を支持した。とはいえ、2008年4月3日の最終的な「ブカレスト宣言」では、NATOはウクライナとグルジアの「欧州大西洋への願望」を「歓迎する」と述べている。同盟は本日、この2カ国がNATO加盟国になることを決定した」と述べている。(注536)

ヘルムート・シュミット元ドイツ首相は2008年10月の新聞記事で、NATOは「1991年以降、以前にも増して主にアメリカの戦略的な道具となった」と批判した。"
アンゲラ・メルケル現ドイツ首相は、この主導権の主張に完全に従属し、ジョージ・ブッシュ米大統領と、ウクライナとグルジアをNATOに加盟させるという彼の計画を支持した。「2008年8月17日、メルケル首相はロシアのソチで、「私たちは、グルジアとウクライナが望めばNATOに加盟すると言ってきた。「この声明に変更はない "」(注537)

ロシアは警戒し、アメリカもそれを知っていた。ウィリアム・バーンズ駐ロシア大使は、ウィキリークスによって公開されたNATO加盟国への内部メモの中で、グルジアとウクライナのNATO加盟の熱望がロシア人の「生々しい神経に触れた」と警告していた。
ウクライナでもNATO問題で住民の意見が分かれ、ウクライナのロシア系民族はNATO加盟に反対しており、ロシアは「大きな分裂や暴力、あるいは内戦に発展する可能性」を恐れている、とバーンズ大使は2008年2月1日、ブカレストでのNATO首脳会議を前に警告した。「その場合、ロシアは介入するかどうかを決めなければならない。ロシアはそのような決断を下したくないのだ」。(注538)

NATO首脳会議から4カ月後の2008年8月8日、グルジアはアメリカの支援を得て、分離独立した南オセチアを攻撃した。グルジアのミハイル・サアカシュヴィリ大統領は、以前から自国のNATO加盟を国家的優先事項としており、アメリカの支援を受けて南オセチアの領有を回復することを望んでいた。グルジア軍はアメリカの将校によって訓練されていた。グルジアは国連安全保障理事会の委任を受けていなかったため、侵略戦争は違法だった。そしてロシアが介入し、勝利した。スイス外務省のコーカサス専門家であり、グルジアの元国連特使であるハイジ・タグリアヴィーニは、紛争がどのように勃発したかを調査した。タグリアヴィニはグルジアが戦争を始めたと結論づけた。(注539)

短いグルジア戦争は、ウクライナをめぐるはるかに危険な紛争の序曲だった。アメリカの地政学者たちは今、ヨーロッパを弱体化させ、アメリカ帝国の優位を確保するために、ドイツとロシアは戦争しなければならないと公然と宣言している。「第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦と、常に戦争に突入してきたアメリカの主な関心は、ロシアとドイツの良好な関係である」と、ストラトフォー・コンサルタント会社のアメリカ地政学者ジョージ・フリードマンは、2015年にシカゴで行われた講演で語った。「我々の最大の関心は、そうならないようにすることだ」。両国が互いを弱体化させることが最善だと、フリードマンは提案した。「私は、ロナルド・レーガン大統領がイランとイラクに対して使った手法を推奨する!彼らは私たちに対してではなく、互いに対して戦った。それは非道徳的だった」とフリードマンは認めたが、効果はあった。

優れた空軍力のおかげで、アメリカ帝国は世界の多くの地域の領空を支配することができ、多くの艦船によって世界中の海をも支配する。「アメリカは世界中の海を支配している。したがって、我々は他国を侵略することができるが、他国は我々を侵略することはできない。それはとても素晴らしいことだ」とフリードマンは胸を張った。しかし、ヨーロッパとアジアでは、どちらの地上軍も完全に劣っている。「ヨーロッパの大地に足を踏み入れた瞬間、人口動態の違いから、われわれは完全に劣勢に立たされる」とフリードマンは指摘する。そのため、地元住民の対立をあおり、ウクライナに武器を供給する必要がある、と彼は言う。「ロシアは、アメリカがロシア連邦の解体を望んでいると思っている。しかし、我々は彼らを殺したいのではなく、ただ傷つけたいだけなのだ。」(注541)

ドイツ連邦議会では、アメリカの戦争計画は、ロシアだけでなくドイツを弱体化させるためのものであることが明らかになったため、一部の議員から抗議の声が上がった。左翼党のザーラ・ヴァーゲンクネヒトは、「ヨーロッパにおけるアメリカの具体的な利益について、ストラトフォーの責任者は最近びっくりするほど率直に説明した」と批判し、アンゲラ・メルケル首相は最前列に座って批判に耳を傾けた。「アメリカの主な関心はドイツとロシアの同盟を阻止することだ。ドイツとロシアが同盟を結べば、アメリカを脅かすことができるからです」。(注542)

注釈(引用文献、記事、映像)

524 Hanns Jürgen Küsters: Der Zerfall des Sowjetimperiums und Deutschlands Wiedervereinigung (Böhlau Verlag 2016), S.256.

525 Marie Katharina Wagner: Das große Rätsel um Genschers angebliches Versprechen.FAZ, 19.April2014.

526 Marie Katharina Wagner: Das große Rätsel um Genschers angebliches Versprechen.FAZ, 19.April 2014.

527 »Der Wortbruch ist eine Legendek. Interview mit Filmautor Ignaz Lozo. Phoenix TV Presseportal, 14.Juli 2015. Sein Film »Poker
um die Deutsche Einheit. Wurde Russland in der NATO-Frage getäuscht?« lief am 14.Juli2015 auf Phoenix TV.

528 Gabriele Krone-Schmalz: Russland verstehen: Der Kampf um die Ukraine und die Arroganz des Westens (C. H. Beck 2015),S.99.

529 Uwe Klussmann, Matthias Schepp und Klaus Wiegrefe: Absurde Vorstellung. Der Spiegel 48/2009, S.47. Siehe auch: Hubert Seipel: Putin: Innenansichten der Macht (Hoffmann und Campe 2015).

530 Heinz Brill: Die NATO-Osterweiterung und der Streit um Einflusssphären in Europa. Österreichische Militärische Zeitschrift, Nr. 6, 2009, S.39.

531 »Russen über den Tisch gezogen« Gorbatschow kritisert Nato. Die Presse, 2.Ap-ril2009.

532 Zbigniew Brzezinski: Die einzige Weltmacht. Amerikas Strategie der Vorherrschaft(Fischer 2001), S.91.

533 NATO online Library: The Atlantic Alliance and European Security in the 1990s.Address by Secretary General, Manfred Wörner to the Bremer Tabaks Collegium,17. May 1990.

534 Henry Kissinger: Vier Vorschläge für eine ausbalancierte Unzufriedenheit. Internationale Politik und Gesellschaft (IPG), 6.März
2014.

535 John Mearsheimer: Warum der Westen an der Ukraine-Krise schuld ist. Foreign Affains,1.September 2014.

536 Bucharest Summit Delcaration, issued by the Heads of State and Government participating in the meeting of the North Atlantic
Council, Bucharest, April 3, 2008. www.nato.int

537 Winfried Schneider-Deters: Die Ukraine:Machtvakuum zwischen Russland und der Europäischen Union (BWV Verlag 2014),S.109.

538 Confidential. Ambassador William Burns.Nyet means Nyet: Russias NATO enlargement redlines. 1. February 2008.

539 Untersuchungsbericht zum Georgien-Krieg. Tbilissi hat angefangen Moskau hat provoziert. Neue Zürcher Zeitung Online,
30.September2009.

540 Youtube: STRATFOR: US-Hauptziel seit einem Jahrhundert ist es, ein deutsch-russisches Bündnis zu verhindern.

541 Youtube: STRATFOR: US-Hauptziel seit einem Jahrhundert ist es, ein deutsch-russisches Bündnis zu verhindern.

542 Deutsche Parlamentarierin Sahra Wagenknecht, DieLinke. Bundestag, 19. März2015.

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