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暴れる君(暴れる呼び込み君の略)

はじめに

Arduinoを使った工作の一例として「暴れる君(暴れる呼び込み君の略)」を製作しました。使用している部品や動作の概要は動画の中で説明していますので、ここでは、動画に入らなかったあれこれを記しておきます。

メロディIC

動画でも述べているとおり、メロディICは呼び込み君ミニDXから取り出したものです。詳細は別記事にまとめてあります。

レーザダイオード DL-7147-211F

こちらも詳細は別記事にまとめてあります。ここでは、動画では「定電流回路を設計できなかった」とあるのに、下の記事では定電流回路で駆動しているのでは?という疑問について補足します。

この記事の定電流回路の電流は60mAくらいしかありません。絵面的に100mAくらい流したいのですが、この回路ではトランジスタ 2SC1815GRをかなり厳しい条件で使うことになります。

そこで、大電流に耐えられるトランジスタということで、手元にあったダーリントントランジスタ KSP13を使おうとしたら、VBEが大きい(Typ. 1.25V、Max 1.6V)ため使えなさそうです。それで面倒になって、KSP13のON/OFFだけで制御することにしました。とはいえ、他にやりようはあると思います。

ビーム径の絞り込み

半導体レーザーはビーム拡がり角が大きく、例えば今回使用したDL-7147-211に型番が近いDL-7147-201では、水平方向では9°、垂直方向では16°もあります。1m先でのビーム径が水平方向で16cm、垂直方向では28cmにもなってしまい、あまりビームっぽくありません。

そこで、コリメーターレンズでビーム径の広がりを抑えています。コリメータレンズはAmazon.comで購入しました。送料込みで$18.37(2023年9月)でした。

正面からの動画ではビームの絞り込みの程度がわかりにくいですが、後方からの画像だと絞り込まれていることがわかります。距離2mで水平方向5cm、垂直方向10cmくらいでしょうか。なお、この画像は、蛍光灯下でレーザー発振していないときの画像と、暗闇でレーザー発振させたときの画像を合成したものです。

ビームの絞り込み

高出力のレーザー光を絞り込むと危険が増します。直視はもちろん、反射光も危険です。そのため、上の画像や動画の撮影時、私は扉の向こうの別室にいます。

ステッピングモータ 28BYJ-48-W0

こちらも詳細は別記事にまとめてあります。思ったよりも回転が遅く、キレのある動きにできませんでした。また、ステッピングモータは、現在の角度がわからないという欠点があります。いまさらですが、鉛直軸まわりの回転もサーボモータでよかったのではという気がしています。

LED OSR7CA5111A

前方のLEDはOptoSupply OSR7CA5111Aです。なるべく深い赤にしたかったので、ピーク波長が660nmのLEDにしてみました。ですが、広く使われているドミナント波長625nmのLEDとの違いがよくわかりませんでした。

LED用ブラケット LED5-16S

前方のLEDの固定には、5mmLED用ワンタッチブラケット LED5-16Sを使いました。LEDの固定は、電子工作ではなく機械工作の域ということもあって、意外とハードルが高いのですが、これを使うと穴開けだけですみます。

FLINT ProMicro R4

Arduino UNO R4で採用された、ルネサス R7FA4M1AB3CFM#AA0をMPUに使用したPro Microサイズの互換機です。Arduino互換機としてはやや値が張ると思いますが、使い勝手はよいです。

ただし、ルネサス R7FA4M1AB3CFM#AA0を用いた機種は、各I/Oピンあたりの出力電流が8mAしか取れません。Arduino Uno R3では1ピンあたり20mA(ただし合計で100mAまで)だったので、電流をがっつり使うような用途では、置き換えができない場合があります。

今回、これがLEDドライバ CDT7350-2を用いた理由です。当初、FLINT ProMicro R4の出力ピンの個数は足りているので、LEDを直結して光らせようと考えていました。ですが、LEDの順方向電圧のばらつきを考慮して8mAぎりぎりに抑えるのが面倒になったので、LEDドライバに任せることにしました。ナイトライダーごっこ(往復点灯)は副産物です。

おわりに

動画のとおり、本作品はタイミングを見計らってFLINT ProMicro R4の出力をON/OFFしているだけです。入力はありません。電源が入ったら2秒後に動き始め、一連の動作を終えたら停止します。

最初は、人感センサを取り付けて人が通りかかったら反応するという本来の呼び込み君のような動きを考えていました。しかし、レーザーをまき散らすという危険性を勘案して止めました。

レーザーではなくパワーLEDにすれば、人を検知して動くというのもありだと思います。でも、男の子の憧れである目からレーザーとか胸部からレーザーとかを優先して、このような形になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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