2023年公開映画・個人的ベスト10

年に一回記録に残しておく為の投稿。今年は例年に増してあんまり新作映画は見れなかったからあんまり順位関係ない感じだけどとりあえず残しておく。


10位:首

正直映画的な出来の話であればもっと良い映画はあったけど、単純に北野武監督作品のファンとして最新作を映画館でそれもIMAXで見れたのがとても嬉しかったし、ちゃんと面白い映画になってたので。
話は本能寺の変で信長が死ぬ前後の武将達の政治話。誰を殺して誰と協力してっていう裏切りまくりの歴史物。
予告編だけ見る限りだと戦国時代を舞台にまたアウトレイジ的なのやるのかなと思ってて、確かにアウトレイジではあったんだけどもっと笑い寄りだったのが良かった。武らしいダークな笑いが素晴らしかったし、結果戦国時代コントではあったんだけどちゃんと映画的な笑いになってて、やはり同じコントでも福田雄一とは違うなと感じた。
そして何より残酷描写が容赦なさすぎて最高だった。オープニングで首なし死体のところからもう美しすぎたし、首って題名にするだけあって首ぶった斬りもたくさん見れてスプラッター映画っぽくもあったのも良かった。特殊メイクがめちゃくちゃ良い仕事してるなと思った。
信長はやりすぎ感あったけど突き抜けてて最高だった。中村獅童も素晴らしかった。キム兄はちょっと演技がくさいなと思ったけどまぁ全体で見ればそこまで気にならないというか。武映画の常連組も出てて嬉しかった。
ということで好きな監督贔屓ではあるけど首が10位。

9位:スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

9位はこれも楽しみにしてたスパイダーマンのスパイダーバースシリーズの2作目。
前作がもう異常に面白かったから今回かなり心配だったんだけど杞憂でした!もう超最高!
話は前回のマルチバース騒動の後でグウェンが所属するあらゆるマルチバースのスパイダーマンが一堂に会する組織にマイルスも行くことになりそこで騒動が起きるって感じ。
特に今回スパイダーグウェンことグウェンステイシーがほぼメインキャラって感じなんだけど本当に素晴らしくて、前作では描かれなかったティーンネイジャーらしい悩みや葛藤の中で戦って少し恋愛もあってって感じで、映画を通して成長する姿がしっかり描かれててとても魅力的だった。
話もそうだけどスパイダーマン小ネタが凄すぎるし、実写も含まれててもう今までのスパイダーマンの総決算になっててすごい。このシリーズが終わった後スパイダーマン映画が作れなくなるんじゃないかと思うくらい総決算。
そしてそのあらゆるスパイダーマンがそれぞれの世界観であらゆる画法で書かれているのを一つの画面で違和感なく映像にできてるのがまじで異常。話とかを置いといても普通に映像だけで感動できるぐらい良かった。
スパイダーパンクがカッコ良すぎてゲーセンで頑張ってフィギュア取るくらいにハマった。
ただ相当良かったんだけど、話がいよいよこれからだってところで完全なる途中で映画が終わっちゃってそこだけがかなりマイナスだったのでこの順位。二部作って知らなかったから普通にえっーって声出た。調べてなかった自分も悪いのだけど。。

8位:ベネデッタ

ポールバーホーベンの最新作だけど本当どうかしてる映画で最高だった。
修道女になったキリストの声を聞けると自称するベネデッタが教会の修道院長まで上り詰め、同性愛によって裁判にかけられるまでの実在の人物の歴史映画。
とにかくさすがポールバーホーベンとしか言いようのない意地が悪すぎるブラックジョークとバイオレンス、そして下品という品格がありすぎるエロ。期待以上で大満足だった。
ベネデッタの本気なのか本気じゃないのかわからないキリスト狂者っぷりも最高だったし、同性愛の描写もさすがの展開の上手さ。
特に恋人の女の子がベネデッタへのプレゼントに木彫りのマリア像を削ってちんこの形にしてたの爆笑した。さらにそれを怒るのかと思ったらそれで楽しみ始めたのもまじ狂ってて笑った。本当こういう下品すぎてどうかしてる監督最高すぎる。
で、こんなとんでもない話なのにワンシーンワンシーンはしっかり歴史ものとして美しく撮れててさすがだなと思うし、ちゃんと男性社会へ自らの知恵と能力で持って戦い、打ち負かす女性讃歌の話になってたのもさすがだった。
とんでもないエロを繰り出す監督ではあるけど昔からどんな作品でも女性への敬意に溢れてるの大好き。
見たのが少し前だったからかなり記憶が薄くなってきたけど、とんでもない映画を見たっていうインパクトが残ってて、映画を見に行くってそういう体験をしたいからなんだよねと改めて思った。

7位:コカイン・ベア

これはもう特に語ることも何もないんだけど、超最高で大好きだったって感じ。
話もタイトルそのまま森林公園に落ちてたコカインを食べちゃったクマがそこに来た人達を次々に襲ってくってだけの話。
クマがコカイン食べたかもっていう実話の話があるのがさらに笑った。ていうかもうね、クマがコカイン吸ってハイになって襲ってくるってその設定だけでもう勝ちが確定してる。
とにかくね、本当にこういう映画が大好き。やってることはバカなんだけどちゃんと脚本練られてるし、安心してグロ描写を楽しめるもう超最高。
出てくるキャラもみんなそれぞれに魅力的で群像劇としても綺麗に成り立ってる上で楽しくてグロい殺害シーンをベストタイミングで挟み込んでくるのが素晴らしい。
救急車を追いかけて傷ついたおばちゃんにさらに危害加えるシーンとか音楽含め勢いありすぎ、グロ最高すぎて泣くかと思った。
話で言えばちゃんとクマも含め家族愛の話になってるの上手いなと思ったけど、このタイトルでそれまで思いっきりバカグロやってて何うまいことまとめてんだよってちょっと面白かった。
とにかく上手い、映画が上手すぎる。頭のいい人が作ったバカ映画。
こういう映画が映画館で見たい。見てて何もストレスが無いからあまりにも日常がつまらないし、世間にくだらないものが多すぎるからこういうくだらなくないバカ映画でスカッとしたいと思った時に最高の映画。
あとパンフレット見てわかったんだけど最初に殺されるカップルの名前がエルサとオラフだったのおふざけが過ぎてて最高だなって思った。実はもうその時点で優勝してた。

6位:Pearl パール

これもずっと楽しみにしてた去年最高だったスラッシャー映画「X」の続編であり、前日譚。
いつかスターになることを夢見て田舎の農場で暮らすパールがどんどんと人を殺し殺人鬼として完成していく様を描く話。
これ普通の人が段々と狂っていって殺人鬼になる話かと思ってたけど、そうじゃなくてもう最初から狂ってる人が完全に狂いきって殺人鬼として完成するって話なのがすごい好きだった。
人とか死にまくるのにやけにカラフルで何なら素敵なクラシック映画みたいなノリで撮ってるのが逆に狂ってて、そこで繰り広げられる殺人シーンも頭おかしくてとても良かった。
何よりミアゴスの演技が本当に素晴らしい。特に最後の畳み掛けなんて本当に映画として美しかった。オーディションのシーンはもちろん最高だし、その後の友達に語りかける長尺の自分には何もない、みんなには普通に幸せが来るのに自分には来ないって語りも自分に重なって泣いてしまった。あとはもうエンドロールね!もうあの長時間笑顔はまじで狂いと笑いが入り混じってて最高!今年見た映画の中で終わり方はダントツ1位!
このあともう決まってる第3作目MaXXXine(マキシーン)が超楽しみ。タイウェストいい監督すぎてもはや悔しさすらある。

5位:別れる決心

大好きなパクチャヌク監督の最新作。
夫が殺害され、容疑者として呼ばれた妻とそれを捜査する刑事の恋愛サスペンス。
本当に好き、話が結構重いし、結構誰も救われないんだけどちゃんとエンターテイメントになってて見れるってところが普通に素晴らしい。
まずは話より何よりワンシーンワンシーンが美しすぎる。いちいち構図とかリズムが本当に美しい。もうそれだけでずっと見てられるし、映画館で見る価値があるなと感じる。
終わり方の最後の余韻も含めて本当に全編が美しい映画だった。
少し人間関係が入り組んでるし、邦画みたいにわかりやすく現在の感情をセリフに出したりしないから結果誰がどうなってたのか理解するのが大変だったけど、とにかくこのね、許されない恋みたいな話とか、逃避行ものとかが大好物なので、ストーリーだけでいうと今年で一番好きだったかもしれない。どうなっても切ない恋愛で終わるのではって感じがもうたまらない。
セリフとかもあなたの愛が終わった時私の愛が始まったとかもう美しいものね。
あとパンフレットも凝ってて良かった。捜査資料みたいな茶封筒に冊子と数枚のポストカードが入っててバンドエイドシールで貼られててこだわりがすごかった。今年のパンフレットランキングでは1位。

4位:サンクスギビング

12/29に見たばっかでいきなり入れたけど本当に最高!イーライロスのサンクスギビングまじで最高。
サンクスギビングのブラックフライデーセールで暴動が起き多くの人が死傷した翌年、その暴動のきっかけとなった若者グループと暴動に参加した人達が次々と殺されていく話。
本当ね、こういうのが大好き。もう何も新しいことやってない往年のスラッシャームービーで超最高だった。元々グラインドハウスで予告編のみ作られてた映画の映画化ってことで楽しみにしてたけど大満足だった。
話はラストサマーとか血のバレンタインだし、最後の晩餐の感じとかは誕生日はもう来ないだし、食肉とかも考えると悪魔のいけにえ味もあるし、その他あらゆるスラッシャーホラー、記念日スラッシャーの要素が混ざりまくってて最高だった。
話はサスペンスではあるけどそこまで誰が犯人っていうのは重要じゃなくて、とにかくどれだけ楽しくショッキングに人が殺されるかっていうことに重きを置いてるのがスラッシャー映画として圧倒的に正しくて素晴らしい。
感謝祭パレードのターキー着ぐるみ頭ぶっ飛ばしからの車内で木の棒ピノキオ刺し殺しとか素晴らしいし、チアリーダーのトランポリンナイフぶっ刺し殺しもバカがすぎてて良かった。
これでいいのよ、これがいい、これくらいの明るく楽しめるスラッシャー映画がコンスタントに作られて欲しい。
やっぱり自分はスラッシャー映画が大好きだなと心から思えたし、映画館で見れるのが本当に幸せだなって思った。
ただアレなのはこの映画よりも元々作られてた予告編の方が断然面白いという点くらい。

3位:死霊のはらわた ライジング

3位はこの世で一番好きな映画である死霊のはらわたシリーズの最新作と言っていいのかリブートと言っていいのかの作品。
あるアパートにて死霊が復活して住んでる一家に次々取り憑いて行って血みどろの大惨事になる話。
コテージにも行かないし、若者グループが襲われるわけでもないから話的にはあんまり死霊のはらわたではないんだけどちゃんと死霊のはらわたしてて素晴らしかった。グロ描写とかホラー描写を振り切ってやりすぎて逆にちょっと笑えてくるっていう死霊のはらわたの本質がちゃんと再現できててとても良かった。
リメイク版の死霊のはらわたは話は同じだったけどそこができてなかったので今回のがより好感が持てた。
最初に死霊化したお母さんをドアの外へ閉め出しておくとか、昔の死霊のはらわたっぽさをこれ見よがしに入れるんじゃないところもすごく粋だったし、とにかく最後の一家の融合体みたいなわけわからんことになってるところとかも最高だった。
とにかくこの勢いですよ。このよくわからんエネルギーに溢れた人体破壊と血が色んな理屈とかを飛び越えて感動をくれる。
言いたいことはとにかくねこの映画が映画館にかからないこの国はどうなってんだってことですよ!最悪すぎるよ全く。死霊のはらわたライジングもスクリームの続編もかけないで、殺人鬼プーさんの出オチホラーなんかかけてるの意味わかんないよマジで。
本当に素晴らしい作品だったのでこういうのが映画館でかかるといいなという思いも込めて3位。

2位:ザ・ホエール

これは本当に素晴らしかった。一番心に来たし、一番泣いた。
恋人を亡くしたショックから過食を繰り返し272キロの超肥満になったゲイの教師がかつての結婚していた時にできた娘と再会し、交流をしていく話。
もう本当にね、ダーレンアロノフスキーのレスラーが大好きなんだけど、今回もその路線で本当に大好きだった。何が良いって主人公の肥満の男はすごく良い人なんだけどちゃんとダメ人間なところ。自分に甘えて暴食しちゃったり、自分の都合で人から離れて行っちゃったり、ちゃんと欲望に負けてたり、レスラーの主人公もそうだったけど、救われるべき非の打ち所がない人とか聖人みたいなのじゃなくて、ちゃんとダメな部分がしっかりあるのが共感できて、まるで自分の話のように感じてしまう。
そこで語られる話がそれぞれの救いとは何かっていう話なのもとても素晴らしいし、他者に優しくする、思いやりを持って接するっていうことを壮絶に教えられた気がしてとても心にきた。
ラストの展開はもう部屋の中でしかないのに意味のわからないくらいの壮大さや感動があって号泣した。
またこれがコロナ禍で作られたこともあるし主人公が肥満で外に出れないってのもあるけど主人公の部屋だけで話が進んでいくのも良かった。というかこの部屋しか出ないのにこんなに深みのある話が語れるっていうのがすごい。
そこから生まれる閉塞感みたいのも副次的に生まれててあらゆる点でいい方向に働いてるなと感じた。
あと出演者がもれなく全員良い。出てくる人物は少ないけど、そのどれもが各々に問題を抱えてるのがうまくまとめられてて素晴らしかった。全員演技が素晴らしかった。

1位:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3

今年の1位は結局これです。もう映画としての出来とかなんとかどうでも良いです。もう素晴らしかった。ちゃんと良い形で三部作を完結できて、それを全て映画館で見ることができた。それだけで最高じゃないかってこと!
話はもう特に語らないけど、ロケットの過去話がメインとなってたのは驚いた。
ていうかね、もう愛ですよ、愛しかないよ。やっぱりガーディアンズが最高。最初のマーベルのいつものロゴがガーディアンズ仕様になってただけで泣いた。
さすがディズニーで金があるから有名曲かけ放題でもうオープニングからクリープで始まった時点でもう優勝してた。
選曲が90年代のも入ってきて自分の好きなフレーミングリップスとかThe theの曲が流れたのももう好きってなった。
ロケットの過去が壮絶すぎるっていうか、もはやディズニーでできる限界の話と映像のグロさだった。しかしそれを超えた先にある完璧である必要はないっていうのがさ、汚いものからダメなものまで全部のものを受け入れるっていうのがやはりいつもの俺の大好きなガーディアンズオブギャラクシーだったし、やっぱりMCUで一番好きなヒーロー達だなって思った。
今回は全員の良いところがちゃんと出るのもベタだけど良かった。偽物地球も特殊メイク天国で超最高だったし全部良い!悪者が最終的にちょっと小物感出過ぎてないかとは思ったけどそんなことはもうどうでもいい。
あとはとにかく最後の船潜入してからの雑魚敵蹴散らし戦闘シーンがとにかく超素晴らしかった!今年見た映画のシーンの中で1番興奮した。カッコ良すぎるし美しすぎる。最近のマーベル映画にありがちな群像戦闘シーンになってなくて普通に素晴らしいアクションだった。
最終作だけあって弟とヨンドゥはもちろん、嫁とかスリザーの人とかスーサイドスクワッドの人とかジェームズガンの家族とか友達も出まくってて笑った。
本当にこの三部作を全て映画館で見れたのは感慨深い。これで自分の中のMCUが一区切りついた感じはしてる。
でも、MCU的にも落ち目になりかかってるので、改めてしっかり応援していきたいなとは思ってて、取り急ぎはファンタスティック4に期待。
いずれにしても今年の1位はガーディアンズでした。


以上。
今年は去年のRRRみたいにダントツ飛び抜けてやばいみたいなのはなかったけど、好きな監督の新作もいっぱい見れて好きな作品はたくさんあった。
正直ピギーとかバーナデットとかナポレオンとかフラッシュとかタートルズとかパターンとかもランキングに入れてもいいくらい良かったていうか入れなかったのは単純に今の気分というだけ。
ただそもそも鑑賞本数が少なくて自分が好きなジャンルだけは見に行ってたのでホラーばっかりになったなという気はする。来年は色々見たい。

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