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無事千字 二〇二四年七月七日 「わたしの不良自慢」というより、「ほんダサ」なエピソードをnoteで供養

これは、とあるラジオ番組の、とある週のメッセージテーマ「わたしの不良自慢」に投稿したものの、採用には至らなかった中学生時代の本当にあったダサい話。

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 令和の時代ですが、ギリセーフでしょうか。まだまだおおらかだった昭和の時代の話。

 もう40年近く前、わたしが住むそこそこ都会な街も中心部を離れれば、まだまだ草っ原や空き地があちこちにありました。

 中でもそこは、背の高い草がうっそうと生えた試験農場の端っこで、公道と農場を隔てる金網フェンスが立っていましたが、何者かが壊してできた"裏口"がありました。

 端っこといえど、その広大な空き地は、小中学生にとって最高のプレイスポットでした。

 小学生のころは鬼ごっこやかくれんぼ、当時「かたき」と呼ばれていたドッヂボールのような遊びや、秘密基地としても使われていました。

 これが中学生ともなると、隠れてタバコを喫ったり、Hな雑誌を回し読みしたり、意中のあの子を呼び出しての告白の場、気に入らないヤツとのケンカの場など、いささか用途が変わっていきます。

 その日は何のためにそこへ行ったのか記憶が定かではありませんが、中3だったわたしは、その空き地で友だちと放置された原付バイクを発見しました。

 すると友だちが「これ動くんじゃねーか?」と言い出し、不良の兄貴がいた彼は、その辺りの知識があったのでエンジンはあっさりとかかり、わたしたちは草っ原の間を代わるがわる疾走しました。

 中学生にとっては原付といえど、バイクに変わりはありません。不良の仲間入りをした気分だったのだと思います。

 そして、わたしが乗っている番のとき、事件は起こりました。前方からおじさんが明らかにこちらへ向かって来ていたのです。

 「ヤバい!!」と思った頃には時すでに遅し。ハンドルさばきもおぼつかない少年は、あっさり捕まりました。

 おじさんは非番の警官でした。半泣きで謝ったところ、公道でなかったこともあり、おとがめなし、その場で釈放となりました。

 翌日、学校へ行き教室に入ると、数名の友だちが「♪ぬーすんだ原チャリで走り出す 行き先もわからぬまま 非番の警官にパクられる〜」
と口ずさんでいました。

 昨日一緒だった友だちが、尾崎豊「15の夜」の替え歌にして暴露していたのです。そのやや字余りな歌詞は、黒板にも書かれていて、結果、クラス中はおろか、他のクラスにも知れ渡ることに。

 いま思えば、なぜか先生に呼び出されたり、叱られたりはなかったような…

 不良自慢というにはあまりにカッコ悪い結末ですが、不良になれた気がした15の夜ならぬ、15の夕方のお話です。

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