SL昔話①『ボンテージで踊ろう』
もう10年以上前のことだ。
私がオンラインの世界なんて点で知らないとき。
セカンドライフに降り立って初めて知った職業は
薄着で踊ることだったとおもう。
どういう状況だったん?って聞かれりゃ私を含めてSLの民は、仕事で始める人以外の課金ハードルがまだ高かったと思うんだ。
なにせゲーム内通貨は無課金スタートでゲーム内で稼ぎ、それはゲームでなんかギルドやったりでそういう時間がない人が課金してゲーム内豪遊するという価値観が普通だった時の話なのだから。
ねぇ、死にもしないでレベルも上がらないこの世界でどうやって稼いだりお金が回るの?なんてことはわかんなくて当然だよなって話。
しかも降り立った世界が
もう何語喋ってんだぜ?って世界だったりするんだ。
そしてなんだか知らないが
セカンドライフで億万長者みたいな記事が雑誌に掲載されてるわけで。
土地ころがしだなんだ、とかく儲かるみたいな情報からゴールドラッシュよろしく大手の猛者がよくわからないものを作ったりしているから
いやそもそも何なんだぜ?ってことをかき消すくらいの高揚感だけはあったんだ。
しかし高揚感だけがあってどうやってやるかもわからなければ
そもそも日本人何処にいるんだぜ?って通常のゲームにいる『この村にはモンスターが出るんじゃ』みたいなこというNPCだって当然いない。
モンスターいなけりゃ困る村もなく自分が勇者でも何でもないことをおもい知らされるわけだ。
ある意味当時の人はメタバーズサバイバーだったと思う。
さてそんなサバイバルな世界に降り立った人間が何をするかと言えば
当時もちゃんとあった検索機能を使うってことに落ち着く。
歴史を勉強すると川の近くに文明ができた何てことを知るが。ともかく人が集まっている場所を探すんだって話で
とりあえずどこに人がいるんだという遊牧民になり果てる。
起業が作った土地なんかは普通に雑誌なんかにものっていたわけだが、私のようなどんな世界か知りたいだけみたいな人間や
なんだか未知の世界が広がってるかもしれないと思う冒険者はとりあえず検索窓に『japan』と入力してみたと思う。
ここに日本人がいるだろうと期待してなるべく人が多いところに行ってみたりするわけだが
残念日本人がいねぇ。
何喋ってるかもわかんないし、何してるかもわかんねぇ
しかも当時はボイスも使えないから
翻訳サイト使って片言の英語でよくわかんないけど話しかけてくれた人とコミュニケーションとってみるという
なんでこんなめんどくせぇんだってことを強いられる。
なんとなく服が着替えられるようになった。なんとなく物がもてるようになった。
日本人を見つければとりあえず友達になって情報交換をした。しかしそれもしばらく経っての話だ。
私はゆいつ一緒に始めた日本人の友達と交流を取りながら、今日はどんなこと聞いたかなんてやり取りをしいろいろとしたわけだが
このままじゃコミュニケーションとらないと何していいかすらわからないんだよ。
だから情報交換できるようになるまで自分でもいろいろやってみる。自分にも教えられることはないかとがつがつ壁に当たる。
さておきとりあえず何でもいいからクリックしてみるっていうのはほかのゲームでもみんなすることだろう。
よくわからないが、OLSとかfree とか書いてある箱クリックすれば何か貰えるということは早いとこ理解した。
そしてこのfreeという言葉を検索窓に入れれば、色々もらえる場所にたどり着くということも理解した。
しかしどういうわけだか知らんが、もらえる服は劇的にダサいか体の線がもろ見えな薄着だ。
二者択一で言えば私は別にアバターだしかっこいいのがいいわと思い薄着でボンテージな服で身を固めた。
いつの間にか女王様みたいな風貌が出来上がったのは言うまでもない。
ちょっとくらい金が欲しいが課金するかはまだ迷った。何とかかせげりゃ10リンデンくらいでほしいもの買えそうなんだがなということは思ったが
その当時最初にほしいものと言えばボンテージ似合うピンヒールブーツだからすでにアバターとここの価格に毒されている。
そんな中目についたのが
リンデンドル(LS)と表示があるツボみたいなやつ。
宝箱かなんかかと思ったら
払うしかできねぇ。
そしてなんだかわからんが英語圏の人がチャリンチャリン払ったりしている。
その宝箱のようなものがあったのはチャットスペースのようなところと
裸で踊ってるアバターの前だった。
どうやって踊るのだろうと思いポールダンスのポールをクリックすると
踊れた。
そしてよくわからないままツボをクリックしたら
フォーフォー言われて気が付けば100リンデンくらいお金が入っていた。
・・・なんてちょろいんだと思ったわけだが。
そうでした私ボンテージでしたって話で
なんだかよくわからんがその手にしたお金でほしかったブーツを買った。
有料のものを買って持っていいものが売っていてそれで稼いでいる人がいるであろうことも知った。
考えてみればメタバーズで最初にした仕事って私にとってあれだったんだなと思う。