見出し画像

耳から"見る"豊かな世界 〜音声ガイド〜

みなさん、こんにちは!カンバスです。
第1回目のnote記事について、たくさんの方にご覧いただいたようでとても嬉しいです!引き続き、「へえ!知らなかった」と呟きたくなるような情報をお届けしていきたいと思います。

今回は、耳から"見る"豊かな世界と題して「音声ガイド」を取り上げたいと思います。「音声ガイド」と聞いてピンとくる人も、来ない人も、よければ最後までお付き合いください。
読み終わったあと、目ではなく耳から"見る"世界がとても豊かなことに気づいて、毎日がちょっと楽しくなるかも…?

◾️音声ガイドは美術館だけのものじゃない

音声ガイドと聞くと、多くの人は美術館や博物館などで聞くことができる作品解説のガイダンスを思い浮かべるのではないでしょうか?展示作品の特徴や成り立ち、作家の情報などの解説を音声で聞くことで、よりその作品に対する知見を深めることができますよね。
これらの音声ガイドを利用するためには、以前は有料の専用機器が貸し出されることがほとんどでしたが、最近ではお手持ちのスマートフォンで利用できるなど、より身近な形で提供されるようになりました。また、各地の観光名所での歴史的背景の解説や、スポーツ会場での実況解説など、活用シーンも拡大しています。

これももちろん音声ガイドの一種ですが、実は音声ガイドにはもう一つ重要な役割があるんです。

それは、視覚に障がいがある人がテレビ・映画などを楽しむ時、セリフなどの主音声だけではイメージしきれない動作や情景を言葉に変換して伝えること。
耳から映像を”見て”もらうためのツールとしての役割です。

◾️体感しよう!映像作品における音声ガイドの奥深い世界

ここで、ちょっと実験的な試みをしてみたいと思います!みなさん、準備はいいですか?
まずは、以下の音声を聞いて、頭の中で映像を思い描いてみてください。

なんてことない、ただの雨音です。
みなさんの頭の中には、どのような映像が浮かんでいるでしょうか?

雨が降っているのは、森の中でしょうか?都会の街の中でしょうか?
そこに人はいますか?それとも無人?
人がいる場合は、その人は何をしていますか?どんな表情で、何を考えているのでしょう。

この雨音だけでは、みなさんの頭の中に広がるイメージはそれぞれ別で、共通してはいないはずです。
では、ここに仮の音声ガイドを加えてみましょう!

さあ、今度はどうでしょうか?
先ほどの雨音のみの音声にくらべて、格段に映像のイメージを掴みやすくなったのではないでしょうか?

これが音声ガイドの効果です。音声ガイドは、セリフとセリフの合間に状況や風景描写などを解説するナレーションを入れ、画面の視覚的な情報を音声で補うものです。

例えば、
・問いかけに対し、無言でうなずく
・柱の影からこっそり覗き見をする
・涙が頬を伝って流れる
・しんしんと雪が降る
これらのようなシーンが物語のキーポイントとなっている場合、映像が見えない人にとってはストーリーが理解しにくく、もどかしく感じてしまうことでしょう。
「無言でうなずく〇〇(役名)」「〇〇(役名)の頬を涙がつたう」など、状況を説明する音声ガイドがあれば、視覚に障がいがある人でも映像作品を楽しむことができます。
音声ガイドは、作品のストーリーや情緒をしっかりと伝える重要な役割を担っているのです。

それでは答え合わせです。先ほど聞いてもらった雨音の映像を、音声ガイドとともにご覧ください。
目から見る世界と、耳から”見る”世界、その差分を音声ガイドが埋めてくれていることに気づいていただけると思います。※2

◾️音声ガイド台本ソフト「ディスクラ」 〜AI音声の活用もサポート〜

映像コンテンツの音声ガイドは、セリフとセリフの間の限られた隙間で映像の真意や演出を伝える技術が必要であるため、知識や経験を積んだ「ディスクライバー」という専門家が台本を執筆しています。
カンバスではこの度、ディスクライバーの方々が音声ガイドの台本を執筆する際に便利なソフト「ディスクラ」を新発売いたしました。今後ますます必要とされる音声ガイドの制作をサポートすることで「映像のバリアフリー化」に寄与したいと考えています。

「ディスクラ」詳細はこちら(カンバス公式HPのディスクラ製品ページにリンクしています)

ディスクラの大きな特徴は、音声合成ソフト(別売)※1 を使ったAI音声ガイド制作もサポートしていることです。

みなさんも、ニュース映像の片隅に「AI自動音声でお伝えしています」などの文字を見かけたことがあるのではないでしょうか?
近年、AIが人間の読み方を学習して再現する「AIナレーション」の研究が進み、テレビ番組など様々なところで実用され始めています。
音声ガイドにもAI音声を活用するケースが増えてきました。「ディスクラ」は、プロのディスクライバーや映像業界の方々はもちろん、「映像のバリアフリー化」対応に取り組む企業や自治体の方々にとっても、AI音声を活用する際の強い味方となるツールです。

映像作品の音声ガイドは熟練のナレーターさんの自然な声が入っているのが理想ですが、様々な理由によりそれが叶わない状況もあることでしょう。どんな映像コンテンツにももれなく音声ガイドが入っている世の中となるためには、足りないところはAIの助けも借りつつ、もっともっと音声ガイド付きの映像が増えてほしい。
それがカンバスの願いです。

ディスクライバーの方、音声ガイドについてもっと知りたい方、AI音声に関心がある方など、お気軽にカンバスまでお問い合わせください。

今回のnoteはいかがでしたでしょうか?
次回もお楽しみに!

※1:音声合成ソフトは別途必要です。現時点で利用可能な音声合成ソフトはAHS社の『VOICEPEAK 商用可能シリーズ』です。
※2:サンプル映像の音声ガイドは、ディスクラとVOICEPEAKを使用して作成しました。

<カンバスにご興味を持っていただけた方は、フォローをよろしくお願いします!>