字幕ファイルの形式は無数にあるのです。
こんにちは!カンバスです。東京ではセミが鳴き始め、いよいよ本格的な夏到来という雰囲気です!
夏休みが近いという方も多いと思いますが、暑さで体調を崩されないようご自愛くださいね。
さて、今回は字幕に関する話題のなかでも、ほんの少しだけ専門的な領域である「字幕ファイルの形式」について取り上げたいと思います。
字幕データ作成の流れ
みなさんが様々な映像で目にする字幕、どのような流れで制作されているかご存知でしょうか?
字幕は、字幕専門の翻訳者さんや作業者さんが専用ソフト(カンバスが販売しているSSTG1シリーズもそのうちのひとつです)を使って制作します。そうしてつくられた字幕のデータファイルは映像制作会社に送られ、映像に字幕を出すためのデータ編集が行われるのです。
ひとくちに「字幕」と言っても、視聴者のみなさんの目に入るまでには、様々な人の手を介しています。
字幕のデータファイル形式は無数!?
ここで、今回の本題です。字幕のデータファイルには、それはそれは様々な形式があります。
一種類にまとめてくれたらラクなのに・・・なぜ様々な形式があるのでしょうか?
その背景を紐解くと、映像業界の仕組みが垣間見えてきますよ!
【用途によってファイル形式が違う】
映画館で上映するためのデジタルシネマ用字幕、DVD用やBlu-ray用の字幕、動画配信サービス用の字幕などなど・・・
実は、これらはそれぞれ字幕ファイルの形式が違います!
例えば、劇場公開した時に作った字幕ファイルがあっても、その作品をBlu-ray化する時に同じ字幕ファイルがそのまま使えるわけではないのです。
その理由は実にシンプルで、「用いる機材やソフトが違うため」なんです。
映画用の字幕ファイルはデジタルシネマ用の機材でしか読み取ることができず、同じファイルをBlu-ray制作用のソフトに読み込んだとしても字幕を表示することはできないのです。
でも、作品が劇場公開されると、その後Blu-rayとDVDが発売され、さらに動画配信サービスで配信されるという流れはよくありますよね?
その場合は、なんと・・・
①デジタルシネマ用字幕
②Blu-ray用字幕
③DVD用字幕
④動画配信用字幕
少なくとも4種類の字幕ファイルが必要になるのです!驚きですよね。
【字幕ソフトによってファイル形式が違う】
世の中に字幕ソフトはたくさんありますが、それぞれの字幕ソフトで編集データを保存するときのファイルも“字幕ファイル”の一種と言えます。ソフトが違えば編集データの形式も違ってきます。
例えば、カンバスの字幕制作ソフト「SSTG1」で作ったファイルの形式は「.sdb」となりますが、別のソフトで制作すれば、全く違う形式のファイルとなります。字幕ソフトの数だけファイル形式が存在する、と言っても過言ではないかもしれません。
”お手上げファイル”に遭遇したら・・・
さて、クライアントから字幕制作の依頼を受ける際、WordやPDFの台本が支給されることがありますよね?台本があると、一から聞き起こすよりラクに作業ができてありがたいのですが、たまに「元の言語の字幕ファイルがあるから、これを台本として使ってください」と言って、何かしらの字幕ファイルを台本代わりに渡されることがあります。
しかし、それが見たこともないファイル形式だった場合、ファイルの開き方すら分からず、お手上げ状態になってしまいます。
もしそんなファイルに遭遇したら、カンバスにご相談くださいね。
どんな用途にも使い回せる字幕ファイルはないの?
先ほど、【用途によってファイル形式が違う】と書きましたが、1つの作品を劇場公開 → Blu-ray → DVD → 動画配信サービスと、違う媒体で扱うたびに字幕ファイルを作り直すことになるとすれば、制作側の作業負担は膨大になってしまいます。
カンバスの字幕ソフト「SSTG1」は、字幕の大元となるデータを作るソフトです。一度字幕の編集データ(プロジェクトファイル)を作れば、そこからデジタルシネマ用・Blu-ray用・動画配信サービス用など様々なファイル形式に変換することができます。
つまり、後々どういった用途が発生しても、一発変換で字幕ファイルを作ることができるのです。※ファイル変換機能は一部オプションとなります。
例えば・・・英語の作品に日本語字幕を付ける場合、まず英日字幕翻訳家さんが「SSTG1」で字幕翻訳をして、プロジェクトファイルの形で保存します。これを映像制作会社に納品すると、映像制作会社は「SSTG1」で用途に応じた字幕ファイルに変換し、字幕付きの映像作品へと仕上げていきます。
最初に字幕翻訳家さんが作ったプロジェクトファイルは、どんな用途にでも使い回すことができます。
字幕制作者のみなさん!
クライアントから「字幕を○○ファイルの形式で納品してほしい」と言われて対応に困った時は、お気軽にカンバスにご相談ください。
「SSTG1」ならクライアントが所望するファイル形式で出力できるかもしれませんし、25年以上に渡り字幕に携わってきた知見を生かして、きっと良い解決方法をお伝えすることができると思います!
いかがでしたが?今回は少し専門的な分野に踏み込む内容でしたが、データのファイル形式が違うためにやり取りに苦労する経験は、職種を問わずみなさんあると思います。
カンバスとしては、字幕制作者のみなさんの負担を少しでも減らすことができれば嬉しい限りです。
次回のnoteもお楽しみに!
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