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カナダApplyBoard社がユニコーン入り! カナダのEdTech市況情報アップデート

2020年5月始めのニュースより。

以前の当方の投稿でも紹介した、ApplyBoard社が今回、Series Cラウンドを行い1億カナダドル($100百万カナダドル)の資金調達に成功したとのこと。

今回の投資ラウンドで、ApplyBoard社は $1 Billion=10億ドル=約1000億円超えの評価額を獲得し見事にユニコーン企業の仲間入りを果たしました! 

スタートアップ・スケールアップが盛んなカナダ新興市場において、なかなかユニコーンが現れない状況だったわけですが、ApplyBoard社の急成長は本当に眼を見張るばかりです。

ちなみに、ApplyBoard社の最近の資金調達ラウンドはこんな感じでした:

- 2018年6月:シリーズA にて $18百万 カナダドル
- 2019年5月:シリーズB にて $55百万 カナダドル

つまり、わずか過去3年の間に $18M + $55M + $100M = $173M の資金調達に成功しているわけです! しかもコロナによって先行きはますます不透明な最中ですしね。

同社は、世界各国の留学志望の学生に向けて、北米における大学が提供する各種留学プログラムの紹介や留学斡旋、そして留学を支援するエージェントへのサポートサービスなどで事業展開を図っています。

大学側においては、州内の学生よりも高い入学金・授業料を徴収できる学生は太客。そのような海外の学生をより多く獲得することは大学側の重要ミッションというわけで、ApplyBoard社はそんな大学ニーズをいち早くキャッチアップし、ビジネス拡大を図ってきています。

このApplyBoard社ですが、投資資金獲得以外にもコンスタントにニュースを叩き出しています。今年の2月には同社のアドバイザリー(相談役)議長として、英国ジョンソン首相の弟で、前国会議員のジョー・ジョンソン氏を迎え入れたと発表。

政治家ネットワークまで展開するとは強かな会社・・・!

今回のユニコーン入りにより、ApplyBoard社はさらにビジネスを拡大するべく事業展開を加速させるものと思います。日本では新型コロナの状況下で留学どころか海外に出ることさえままならない状況ではありますが、オンライン留学などの形で北米の大学へのアクセスは従来とは異なる形でしやすくなるものと思います。海外留学に興味ある方は一度同社のサービスを見てみるのもよいかもしれませんね!

一方、明るいニュースばかりではないのはカナダでも同じです。

カナダでの事業展開を加速させてきていた Google ですが、トロント市と共同で展開してきた『Sidewalk Labs』という名前でのスマートシティプロジェクトからの撤退を発表しました。

このプロジェクト、2017年10月に発表され、Google とトロント市のオンタリオ湖湾岸地域にスマートシティを構築するというものでした。

もっとも、同プロジェクトは一部でデータ漏えいやプライバシー対策の点から懸念や批判も出ていたようで、今回のコロナ不況が Google 撤退の引き金になった感は否めません。

今後同プロジェクトが消滅するのか否か、現時点ではまだわかっていません。

大手企業だけでなく、コロナ不況による不透明感は別の新興 EdTech 企業にも出ているようです。Waterloo 出身学生による EdTech 企業でバーチャルクラスルームサービスを提供する Top Hat 社は一部従業員のレイオフを実施したとのこと:

オンライン教育プラットフォームサービスとしていち早く事業展開してきた同社ですが、新型コロナによるオンライン化に加速して適応するための構造改革が吉と出るか凶と出るか、今後も目を離せません!

ちなみに、オンタリオ州は徐々に経済再開に向けた準備段階に入りつつあります。緊急事態宣言の解除は6月上旬に延期されましたが、これから少しずつ、コロナの状況を見定めながらの経済復活路線に舵を切り替えるものと思います!


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