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175 燃えるような紅葉の庭園が美しい洛北・圓光寺

明日から12月。寒波も入ってくるという予報もあり紅葉が見られるのもあとわずかとなってきました。

メタセコイア並木を堪能したあと車は大津に停め、鉄道で京都に入りました。今年最後の紅葉見物はやはり京都で締めたいと考えたのです。

京都の東北部を走る叡山電車に乗り一乗寺駅で下車。そこから15分ほど歩くとお目当ての寺があります。

それが瑞厳山圓光寺。洛北随一の紅葉の名所です。実は去年もここに来たのですが、コロナ禍の影響で事前予約制となっており入ることができませんでした。今回はしっかり予約をして入場。それでも御覧のようにかなり混んでいます。

  ↑ 予約はこちらから。特別拝観は12月4日までです。

臨済宗南禅寺派の寺院であり、徳川家康が江戸幕府を開いたのとほぼ同時期に設立した洛陽学校を起源としています。設立当時は今の伏見区にあり、「圓光寺版」と呼ばれる日本初の活字本が造られた寺であるといわれていて、寺内にある瑞光殿ではその史料も展示されています。

が、それに見入る観光客は少なくほぼ全員庭園の紅葉に目がいってしまっていましたが…。


庭園に入るとまず目に入るのがこの独特の雰囲気の石庭。
奔龍庭(ほんりゅうてい)と呼ばれ、石を雲海に見立てた天空を自由奔放に駆ける龍の姿を石庭で表しています。稲妻を表す石柱はもとは寺内の井戸で使われていたものを利用しているそうです。

門をくぐる前にある金色の襖絵に目が惹かれます。渡辺章雄氏の描いたこの絵は桜や青竹、紅葉に芒、白梅が描かれており4枚の襖で四季を描いています。まだ庭園内に足を踏み入れる前から見どころの多くある寺院です。

それではいよいよ園内へ。

美しく赤く色づいた大きな紅葉の木が出迎えてくれます。本堂の前に造られた十牛之庭(じゅうぎゅうのにわ)は右も左も赤一色の世界です。

美しく紅葉で飾られた手水鉢。ただの手水ではなく水琴窟となっていて水がこぼれると清らかな音を奏でます。手水鉢型の水琴窟は珍しいそうです。

こちらは本堂。奥の方の多くの観光客が密集しています。柱が額縁代わりになっていい写真が撮れるのでしょう。というわけで私もあそこに行ってみます。

暗い堂内の向こうに広がる秋色に燃える庭園。光のコントラストが見事です。かつてここで修業した修行僧はこの景色を見てもののあはれを感じていたんでしょうか。

再び庭園に戻り、園内を歩いて回ることにします。1箇所カメラマンたちが密集する場所が。そこにちょこんと佇むのがかわいい笑顔のお地蔵様です。

たまたま頭に乗ったカエデの葉っぱが…萌え~

十牛の庭は池泉回遊式庭園。庭の南にある栖龍池は洛北最古の泉といわれています。この周りには竹林があり、ここから小高い丘を登っていきます。

丘の上では緑・黄色・赤とグラデーションが見事なモミジの木が待っていました。移ろいゆく季節を1本の木が見事に可視化してくれています。ほかの季節では見られない光景です。

丘の上にあるのは東照宮。ここで初めて開祖である徳川家康の面影を見ることができました。この横には徳川家康の墓。久能山や東照宮などが家康の墓として有名ですが、ここは家康が学校を開いた所縁の深い地であるということで歯が分けられて埋葬されているのだそうです。偉人の墓が複数あるのはこういう理由からなんですね。

東照宮から京都の町を一望することができます。今日も高台から家康公が京都の町を見守っているのです。

本堂前の庭園に戻ってきて今度はこちらの瑞光殿からの景色を見に行きたいと思います。先ほど述べました活字本の展示などがある建物です。

こちらも部屋の奥の方に人垣ができていてみんな必死にいい写真を撮ろうとしていました。この時期、やはりどこかに人は写りこんでしまいますね。

観覧は1時間ほどで、とお願いされていましたが真っ赤な景色に魅了されあっという間に時間が過ぎてしまいました。

洛北の一乗寺から修学院にかけてはこのほかにも曼殊院、詩仙堂など多くの寺院がひしめき合う観光スポット。この週末が紅葉見物の最後のチャンスと思われます。京都に行かれる予定のある方はぜひこちらにも足を運んでみてください。

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