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64 洋風モダンな建物の残る町・鶴岡を歩く
北海道の大学から愛知に帰省する際、よく羽越線を使って帰っていました。
当時はムーンライト越後という夜行快速が村上から新宿まで走っていたので、函館から秋田経由で村上まで鈍行に乗って移動していたのです。
その際よく立ち寄ったのが鶴岡。厳密に言うと鶴岡駅周辺です。
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あれから20数年。久しぶりにこの駅に降り立ちました。時代は令和に変わり、前より少し垢抜けた感じがします。
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特に変わったのがこの待合室。前はもう少し国鉄感のある暗い感じでした。特急に乗れない私は行くところもなく、ここで5時間以上電車を待ちました。今となってはいい思い出です。そんな思い出の場所はリニューアルされてすっきりした空間になりました。
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鶴岡駅は鶴ヶ岡城跡や荘内神社のある市街地エリアからはやや離れた場所にあります。タクシーで行こうかとも思いましたが予約していた列車の出発時間まで間があるため歩くことにしました。20分強の道のりです。
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市街地エリアまで歩いてくると立派な教会があります。こちらはカトリック鶴岡教会天主堂。明治36年に建てられた木造瓦葺きの教会です。国の指定重要文化財にもなっている教会で、この様式の教会としては東北最古のものだそうです。中も入れるそうなのですがこの日は何か式が行われるようで、邪魔してはいけないので外から眺めるだけにしました。
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打って変わってこちらはいかにも武家時代といった感のある建物。致道館と呼ばれる藩の学校です。文化2年(1805年)から明治初期の70年に亘って儒学者荻生徂徠の学風や武士道を学びました。
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儒学を学ぶ場、ということもあり孔子様が祀られています。年齢の高い層向けの学校かと思いきや、数えで10歳で入学して今で言う小中高校大学、大学院まであったといいますから驚きです。
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多くの人たちがここで昼夜勉学に励んでいたのでしょう。
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ところ変わってこちらは大宝館。オランダバロック風の窓にルネサンス風のドームを乗せた白亜の殿堂。鶴岡にはこのようなモダンな大正建築がこの地域にいくつか残されています。ここ大宝館は庄内地域が輩出した文化人の功績を紹介する郷土資料館として活用されています。
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大宝館とは荘内神社を挟んで反対側にあるのが、明治時代鶴岡が所属した西田川郡の役場です。こちらは致道博物館の中にあるため有料施設となります。明治初期という欧州文化を積極的に受け入れていった時代、こちらも鹿鳴館をイメージさせるルネサンス風建築です。
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こちらは旧鶴岡警察署。明治14年に建てられたものです。警察署までこんな洋風モダンな建物だったんですね。博物館の中で保存されているとはいえ、街の中にこれだけ明治・大正期の洋風建築が残されている街は数少ないように思えます。空襲や震災を免れてきたと言うことでしょうか。ちなみに私が通っていた北海道の大学も古河記念講堂という明治末期の建物が遺っているので懐かしく感じました。
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荘内神社にお参りをします。ここはもともと鶴ヶ岡城があった場所。明治10年に城跡に創建されました。狛犬が御殿まりを持っているのが何とも鶴岡らしいですね。
なぜか神社の境内の中で猿まわしをやってました。
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お参りを済ませて少し鶴ヶ岡城の跡地を散策します。ここは今は鶴岡公園として整備されていて市民憩いの場になっています。お堀がそのまま残っているのがいかにも城跡という感じですね。なお、庄内藩は戊辰戦争で会津藩降伏の後も幕府側について戦っています。会津の鶴ヶ城は復元されていますが、こちらの方はその計画はないのでしょうか。
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ここは桜の名所で日本のさくら100選に選ばれています。今年は桜前線がやや早く進み私が訪ねた4月24日にはやや散り始めかな、という印象でしたが花を楽しむことができました。
帰りの道中でも川沿いに美しい枝垂れ桜が。今年は多くの場所で花見をすることができてよかった。どこにいっても桜は本当に美しいですね。
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中心部を流れる川から朝日山地を眺めます。麓は春でも山はまだ冬。残雪の残る山が顔を覗かせてくれました。
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鶴岡駅前のお土産屋、清川屋さんでお酒&おやつを購入。20年前ここで6時間待った時は学生で何も買えませんでしたがせめてもの恩返しです。さくらんぼ酒は甘い飲み口。さくらんぼの実も入っていてさくらんぼを十分楽しむことができるお酒です。
山形の味を堪能して、鶴岡にお別れすることができました。
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この後この列車も堪能します!
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