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四国アイランドリーグplusデータレポート(5月第4週号)

記事執筆前提となるリーグでの自分の役割は、上の記事をご覧ください。

公式HPの成績サイトがオープン

公式HPの成績サイトがオープンとなりました。項目ごとに並べ替えるソート機能がありますので、ぜひ触ってみていただければと思います。

上の成績データとは別に、1球毎のデータを集計する機能も出来始めていますので、まずは1週間に1度ほど、どのようなデータが取れてきているのか紹介する記事を書きたいと思います。

今回は投手のスカウト観点で一番見られやすい「球速」について、簡単にまとめておきたいと思います。

ロドルフォ・マルティネスは異次元

5/21までの公式戦と定期交流戦を対象とし、ソフトバンクの投手を含む。球速の単位はkm/h

上の表はストレートの球速ランキングです。

四国アイランドリーグplusでは公式戦に加えて福岡ソフトバンクホークス三軍と定期交流戦を行っています。

定期交流戦は公式戦の勝敗にも反映されますので、球速ランキングもソフトバンクの投手も含めて表示してみましたが、ホークスの外国人投手の中に混ざって徳島ISの「ロドルフォ・マルティネス」も上位にランクインしています。

4月のデビュー後からYouTubeなど各方面で取り上げられ始めており、すでに注目度の高い投手です。

四国アイランドリーグplus在籍投手の球速ランキング

5/21までの公式戦と定期交流戦を対象。球速の単位はkm/h

ソフトバンクの投手を含まずにランキングを作ると上の表になります。高知FDの秋田有輝、若松尚輝が平均145キロ超をマークしています。

昨年のデータがないので主観的な表現になってしまいますが、昨年の秋ごろは秋田のストレートは140キロ前半から中盤が多かったという記憶なので、今季スピードが増したかもしれません。

5/21までの公式戦と定期交流戦での先発投手を対象。球速の単位はkm/h  

球速ランキングを作ると、どうしても短いイニングを投げる救援投手が有利になってしまうので、先発時だけに限定したランキングも作りました。

ロドルフォ・マルティネスが2位になっていますが、これは先発時のストレートが1球(143キロ)しか計測できていないためです。今回は1球でも計測できていたらランキングに含めていますが、データが溜まってきたら計測数でフィルタリングする必要があるとは思います。

愛媛MPの羽野紀希、香川OGの伊藤駿吾、徳島ISの白川恵翔と、各チームを支える投手が並んでいます。

高知FDが1人しかランクインしていませんが、先発を多く担う釜谷竜哉、野里慶士郎、瀬古創真が球の速さを武器にするタイプではないことに加え、高知球場での球速が反映できていない点も影響しています。

高知球場の球速データを補完したい

スポナビ「野球速報アプリ」での速報用途の球速データ取得率。データ入力運用はリーグが主導して球場で行っている。

自分がいま集計している1球ごとのデータは、基本的にはメディアでの速報用途であり、球場に表示されている球速やネット裏のスピードガンで計測したデータをすべて記録しているわけではありません。

球速は球場で表示されている数字を可能な範囲で入力する運用であり、その取得率は27.7%です。使用頻度の多い高知球場での球速が取れていないことは、先程の表で高知FDの投手がランクインしていない理由の一つです。

高知球場の場合、YouTubeの配信で見られるようにバックネット裏に球速が表示されるので、あとからデータを追加することもできるのですが、この運用をいつ誰がやるか、という問題は残ります。

球場にトラッキングシステムを入れることができれば、球速データだけでなく様々な投球軌道のデータを取得することが出来ます。このあたりは今後の課題ですが、もし明らかに需要があるという話であれば動きやすいので、ぜひ声を上げていただければと思います。

タマスタ筑後でのデータから感じる椎葉剛(徳島IS)と伊藤駿吾(香川OG)のポテンシャル

ただし、球速のデータが仮にすべての球場で取れたとしても、スピードガンなど機器の精度の問題は残ります。

その点を考慮すると、最新鋭の機器を揃えているソフトバンクのタマスタ筑後で計測されたデータは、数が少なくても参考になるものだと考えています。

こちらの記事にもある通りソフトバンク一軍では2018年から球速表示をトラックマンでの計測に切り替えており、おそらくタマスタ筑後の表示データも同様だと思われます(違ったらごめんなさい)。

タマスタ筑後での5/21までの定期交流戦を対象。球速の単位はkm/h

上の表はタマスタ筑後に限定したストレートの平均球速です。

タマスタ筑後で投げていない投手もいるので、相対的な評価としては物足りないですが、徳島ISの椎葉剛と香川OGの伊藤駿吾が平均148キロをマークしている点は注目です。

・椎葉剛の投球映像

伊藤駿吾がタマスタ筑後で投げたときの投球内容

2人とも球数は少ないのですが、ソフトバンク三軍相手にインパクトは残しているはずなので、今秋のNPBドラフト会議に向けて各球団はマークし始めていることでしょう。

四国アイランドリーグplusの成績サイトでデータを並び替えたもの https://data.iblj.co.jp/stats/2023/pitching

特に、椎葉剛は奪三振率が14.21と、球速だけでなく投球内容からも可能性を感じさせます。ただ、19回で与四球12、与死球1と制球力は改善の余地が大きそうです。

冒頭に紹介した成績サイトでは上記のように投球回数や打席数で絞って成績をソートすることができるので、色々と試してみていただければと思います。

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